35 / 52
リチャードの告白
しおりを挟む
リサはマーカスと仲良くなろうと 誕生日のプレゼントを贈る事にした。
一人で考えようと寝室の机の前に陣取るとノートとペンを置く。
こっちの言葉で書くとバレるから日本語で書こう。腕組みして暫し黙考する。
う~ん。
本関連の物が良さそうだ。思い付くままにメモしてみる。ブックカバー、しおり、ブックスタンド…………もう無い。
マーカスの持っている本は図鑑とかで 分厚いから、どれを贈っても役に立ちそうにない。
だったら普通にペンとかノートかそう言う文房具!? それだとありきたりだ。
マーカスに最初に贈る物だもの。もっと特別な世界に一つだけの物を贈りたい。
「う~ん。う~ん」
唸りながら考えを巡らしたが、何も思い付かなかった。
**
マーカスと並んで勉強しながらカレンダーを盗み見する。あと二十日なのに、まだ決まってない。街へ買い物に行かなくちゃいけないから、早く決めないといけないのに! 焦ってばかりで何も浮かばない。これまでさんざん考えた。しかし、結果は惨憺たるものだった。
「「はぁ~」」
無難な物を贈るしかなくなりそうだと、溜め息をつくと、マーカスも付いていた。
えっ? 七歳児が溜め息。眉を顰める。
確かにこのところずっと表情が暗くて、元気が無かった。どうしたんだろう?
誕生日が近いんだから、あの年頃ならどんな物がもらえるのかとワクワクしているものだ。
「マーカス、どうかした?」
心配して声を掛けたが、何でも無いとはぐらかされた。
✳✳✳
あと十日だと言うのにまだ、決まって無い。
色々と思い付くが、どれもこれもコレと言う物がない。もう自分で考えるのは無理だ。
勉強にも身が入らない。
仕方がない。最終手段だ。
「もうすぐ誕生日だね。何か欲しい物はある?」
「ううん。」
何も無いと首を振る。気の無い返事に戸惑う。
普通はプレゼントを強請るものだ。私に気をつかってとかの雰囲気でもない。
マーカスは部屋の隅で蹲っていた。
『何でできないの!』『 私がその歳ではもう覚えてたわ!』『下手くそ!』『 マーカス!!』
耳をふさいでも言葉が、痛みが、よみがえってくる。どうしよう……。
リサにボクは出来損ないだって知られたら、嫌われるかも。もしかしたら ママに なりたくないって言われるか。
✳✳✳
今日もマーカスが溜め息をつく。
どうもおかしい。誰だって誕生日は楽しいものだ。特に子供は。それなのに日に日に憂鬱になっている時間が長くなっている。
同じように屋敷の中の雰囲気も良くない。
素直に喜べないのは、何か誕生日に嫌な思い出でもあるんだろうか?
う~ん。何が考えられるだろう……。
あっ! もしかして、母親の命と引き換えに生まれた?
(悲劇が起きた日が自分の誕生日か……)
そう言う事なら自分の誕生日を祝う気持ちにはなれないだろう。
それならば、皆の態度に納得出来る。
そう言えばマーカスからママの話を一度も聞いた事が無かった。それに肖像画とか、母親との思い出を示すような物は飾ってなかった。
(リチャードの両親の肖像画はあったのに)
そう言えば最初から無かった。
いつも元気にしていても、まだ母親の死を受け入れられないんだろう。そっと、その日を過ごそうと思っているなら、私が張り切ってパーティーがしたいとか言い出したらひんしゅくを買ってた。プレゼントを贈っても良いか、先にリチャードに聞いた方がいいかもしれない。
私だけ知らない。その事がちょっぴり悲しい。だけど、前妻の話をするのは気まずい気持ちも分かる。でも、知りたい。
話をしようと部屋で猫の姿のままリチャードが来るのを待っていると、ほどなくしてリチャードがぽたぽたと水をたらしながら部屋に入って来た。
リチャードが乱暴にタオルで頭を拭いている。
(今夜も水もしたたる良い男だ)
その姿を愛でていると私の視線に気付くと、その手を止めて近づいて来た。パジャマの隙間から胸筋が見える。その手触り、押し付けられた時の弾力。それを思い出すと体が火照る。それだけの甘い時間を過ごした。
体が人間になったのがわかると、そこまでと言うようにくるりと背を向けると、予め用意していたネグリジェに袖を通す。
「リサ……」
切り替えの早さにガッカリしてるリチャードを無視して話を切り出した。
今夜ばかりは流される訳にはいかない。
「話があるの」
「何だい?」
いざ話を聞こうとしてもデリケートな問題なだけに口にするのは、はばかられる。
死んだ奥さんの事をまだ愛していると知ったら、自分が傷つきそうだ。
どんなに頑張っても死人には勝てない。
「リサ。どうかした?」
「えっと……」
そうだった。話があるとお預けしたんだった。
だけど何て言えばいいの?
(はあ~、まいったな)
でも……このタイミングを逃したらもっと聞きづらくなる。
時間も無い。
何よりマーカスをこのままにはしておけない。力になりたい。
「その……マーカスが、元気が無くて……その……自分の誕生日が近いのに……それでどうしてかなって……」
リチャードがハッとしたように私を見つめる。触れてはいけない事だったんだ。
傷を掘り起こした? 悪気があった訳でも、傷つけたい訳でも無い。それだけは分かって欲しい。まして無理して聞き出そうとした訳でも無い。
「誕生日のプレゼントを贈ろうと思って、……その……だから……ごめんなさい」
しどろもどろになりながら言い訳を口にしたけど、嫌な事を思い出させた事に変わりない。
辛そうな瞳に、悲しい事を思い出させてしまったと後悔した。まだ結婚してないのに出しゃばってしまった……。こう言うのは結婚してから話を聞いた方が良い。
「あっ、あの別に……」
命日が近くなってナーバスになっているのに無神経過ぎたかも。無理して話さなくて良いと両手を突き出して振る。
「本当に。本当に。リチャードが話したい時まで待つから」
「はぁ~」
リチャードが深い溜め息をつくと私の手を取って額に押し付けた。
「そうだね。知っておいた方がいいだろう」
「………」
マーカスやリチャードの事を理解する為にも覚悟しなくちゃ。どんな話でも最後まで聞く。
キュッと拳を作る。
これからの事を考えればリサに隠し通せるものでは無い。そうは思っても、いざ話そうとすると辛いような、悲しいような、恥ずかしいような、情けないような、一言では言い表せる事の出来ない気持ちになる。
**
「どこから話したらいいのか……」
リチャードが、そう言うと組んだ自分の手に目を落とす。そのまま黙ってしまった。話してと催促出来る雰囲気でもない。ただリチャードが話し出すのを待つしかない。長引く時間が、リチャードの心を表しているようで、何も聞いていないのに胸が痛くなる。それほどまでに辛いこと なんだ。リチャードが小さく息を吐く。
そのまま手を引かれてベッドに並んで座る。
リチャードの視線が空を彷徨う。言いづらい話のようだ。「無理に」と言う言葉が出かかるが、口を閉じた。
それでもリチャードが重い口を開いてポツリポツリと話してくれた。遠い過去を語るようにリチャードからは感情が見えない。
マーカスの母親であるエリザベート伯爵令嬢とは三歳の時に両家で婚約が整い、エリザベートが十六歳の時結婚する約束を取り付けられた。約束通り結婚しが互いに顔を合わせたのは結婚式当日だった。
(政略結婚か……)
平民の私からしたら封建時代の話だ。どちらも相手に対して恋心が芽生えることもなく、三か月ほどで子供を授かり、翌年にはマーカスが産まれた。
「エリザベートとの結婚は自分にとって義務だと考えていた」
「………」
それが当たり前の考えなんだろうけど、なかなか慣れない。貴族とはそう言うものらしい。 でも、十六歳での結婚は早すぎる。
(二人の結婚は仕事だったのだろう)
「しかし、今まで蝶よ花よと我儘三昧で育って来たエリザベートにとって、パーティーも茶会も無く、伯爵夫人として、母親として、責任ばかり求められる生活にストレスを感じていた」
「………」
リチャードの硬い口調には後悔が滲んでいるのか、無意識に自分の手を見ている。
その手には何が見えているんだろう。
そんな華やか生活を送っているなら、不満に思うのは仕方ない。否、きっと怒られただろう。大人になれないのに17歳で母親。
結婚したんだから、妻なんだから、母親なんだから、そう言われて逃げ場がない状態。聞かなくても想像がつく。その上、夫は忙しくて助けてくれない。
「そして、その矛先がマーカスに向かったんだ」
一人で考えようと寝室の机の前に陣取るとノートとペンを置く。
こっちの言葉で書くとバレるから日本語で書こう。腕組みして暫し黙考する。
う~ん。
本関連の物が良さそうだ。思い付くままにメモしてみる。ブックカバー、しおり、ブックスタンド…………もう無い。
マーカスの持っている本は図鑑とかで 分厚いから、どれを贈っても役に立ちそうにない。
だったら普通にペンとかノートかそう言う文房具!? それだとありきたりだ。
マーカスに最初に贈る物だもの。もっと特別な世界に一つだけの物を贈りたい。
「う~ん。う~ん」
唸りながら考えを巡らしたが、何も思い付かなかった。
**
マーカスと並んで勉強しながらカレンダーを盗み見する。あと二十日なのに、まだ決まってない。街へ買い物に行かなくちゃいけないから、早く決めないといけないのに! 焦ってばかりで何も浮かばない。これまでさんざん考えた。しかし、結果は惨憺たるものだった。
「「はぁ~」」
無難な物を贈るしかなくなりそうだと、溜め息をつくと、マーカスも付いていた。
えっ? 七歳児が溜め息。眉を顰める。
確かにこのところずっと表情が暗くて、元気が無かった。どうしたんだろう?
誕生日が近いんだから、あの年頃ならどんな物がもらえるのかとワクワクしているものだ。
「マーカス、どうかした?」
心配して声を掛けたが、何でも無いとはぐらかされた。
✳✳✳
あと十日だと言うのにまだ、決まって無い。
色々と思い付くが、どれもこれもコレと言う物がない。もう自分で考えるのは無理だ。
勉強にも身が入らない。
仕方がない。最終手段だ。
「もうすぐ誕生日だね。何か欲しい物はある?」
「ううん。」
何も無いと首を振る。気の無い返事に戸惑う。
普通はプレゼントを強請るものだ。私に気をつかってとかの雰囲気でもない。
マーカスは部屋の隅で蹲っていた。
『何でできないの!』『 私がその歳ではもう覚えてたわ!』『下手くそ!』『 マーカス!!』
耳をふさいでも言葉が、痛みが、よみがえってくる。どうしよう……。
リサにボクは出来損ないだって知られたら、嫌われるかも。もしかしたら ママに なりたくないって言われるか。
✳✳✳
今日もマーカスが溜め息をつく。
どうもおかしい。誰だって誕生日は楽しいものだ。特に子供は。それなのに日に日に憂鬱になっている時間が長くなっている。
同じように屋敷の中の雰囲気も良くない。
素直に喜べないのは、何か誕生日に嫌な思い出でもあるんだろうか?
う~ん。何が考えられるだろう……。
あっ! もしかして、母親の命と引き換えに生まれた?
(悲劇が起きた日が自分の誕生日か……)
そう言う事なら自分の誕生日を祝う気持ちにはなれないだろう。
それならば、皆の態度に納得出来る。
そう言えばマーカスからママの話を一度も聞いた事が無かった。それに肖像画とか、母親との思い出を示すような物は飾ってなかった。
(リチャードの両親の肖像画はあったのに)
そう言えば最初から無かった。
いつも元気にしていても、まだ母親の死を受け入れられないんだろう。そっと、その日を過ごそうと思っているなら、私が張り切ってパーティーがしたいとか言い出したらひんしゅくを買ってた。プレゼントを贈っても良いか、先にリチャードに聞いた方がいいかもしれない。
私だけ知らない。その事がちょっぴり悲しい。だけど、前妻の話をするのは気まずい気持ちも分かる。でも、知りたい。
話をしようと部屋で猫の姿のままリチャードが来るのを待っていると、ほどなくしてリチャードがぽたぽたと水をたらしながら部屋に入って来た。
リチャードが乱暴にタオルで頭を拭いている。
(今夜も水もしたたる良い男だ)
その姿を愛でていると私の視線に気付くと、その手を止めて近づいて来た。パジャマの隙間から胸筋が見える。その手触り、押し付けられた時の弾力。それを思い出すと体が火照る。それだけの甘い時間を過ごした。
体が人間になったのがわかると、そこまでと言うようにくるりと背を向けると、予め用意していたネグリジェに袖を通す。
「リサ……」
切り替えの早さにガッカリしてるリチャードを無視して話を切り出した。
今夜ばかりは流される訳にはいかない。
「話があるの」
「何だい?」
いざ話を聞こうとしてもデリケートな問題なだけに口にするのは、はばかられる。
死んだ奥さんの事をまだ愛していると知ったら、自分が傷つきそうだ。
どんなに頑張っても死人には勝てない。
「リサ。どうかした?」
「えっと……」
そうだった。話があるとお預けしたんだった。
だけど何て言えばいいの?
(はあ~、まいったな)
でも……このタイミングを逃したらもっと聞きづらくなる。
時間も無い。
何よりマーカスをこのままにはしておけない。力になりたい。
「その……マーカスが、元気が無くて……その……自分の誕生日が近いのに……それでどうしてかなって……」
リチャードがハッとしたように私を見つめる。触れてはいけない事だったんだ。
傷を掘り起こした? 悪気があった訳でも、傷つけたい訳でも無い。それだけは分かって欲しい。まして無理して聞き出そうとした訳でも無い。
「誕生日のプレゼントを贈ろうと思って、……その……だから……ごめんなさい」
しどろもどろになりながら言い訳を口にしたけど、嫌な事を思い出させた事に変わりない。
辛そうな瞳に、悲しい事を思い出させてしまったと後悔した。まだ結婚してないのに出しゃばってしまった……。こう言うのは結婚してから話を聞いた方が良い。
「あっ、あの別に……」
命日が近くなってナーバスになっているのに無神経過ぎたかも。無理して話さなくて良いと両手を突き出して振る。
「本当に。本当に。リチャードが話したい時まで待つから」
「はぁ~」
リチャードが深い溜め息をつくと私の手を取って額に押し付けた。
「そうだね。知っておいた方がいいだろう」
「………」
マーカスやリチャードの事を理解する為にも覚悟しなくちゃ。どんな話でも最後まで聞く。
キュッと拳を作る。
これからの事を考えればリサに隠し通せるものでは無い。そうは思っても、いざ話そうとすると辛いような、悲しいような、恥ずかしいような、情けないような、一言では言い表せる事の出来ない気持ちになる。
**
「どこから話したらいいのか……」
リチャードが、そう言うと組んだ自分の手に目を落とす。そのまま黙ってしまった。話してと催促出来る雰囲気でもない。ただリチャードが話し出すのを待つしかない。長引く時間が、リチャードの心を表しているようで、何も聞いていないのに胸が痛くなる。それほどまでに辛いこと なんだ。リチャードが小さく息を吐く。
そのまま手を引かれてベッドに並んで座る。
リチャードの視線が空を彷徨う。言いづらい話のようだ。「無理に」と言う言葉が出かかるが、口を閉じた。
それでもリチャードが重い口を開いてポツリポツリと話してくれた。遠い過去を語るようにリチャードからは感情が見えない。
マーカスの母親であるエリザベート伯爵令嬢とは三歳の時に両家で婚約が整い、エリザベートが十六歳の時結婚する約束を取り付けられた。約束通り結婚しが互いに顔を合わせたのは結婚式当日だった。
(政略結婚か……)
平民の私からしたら封建時代の話だ。どちらも相手に対して恋心が芽生えることもなく、三か月ほどで子供を授かり、翌年にはマーカスが産まれた。
「エリザベートとの結婚は自分にとって義務だと考えていた」
「………」
それが当たり前の考えなんだろうけど、なかなか慣れない。貴族とはそう言うものらしい。 でも、十六歳での結婚は早すぎる。
(二人の結婚は仕事だったのだろう)
「しかし、今まで蝶よ花よと我儘三昧で育って来たエリザベートにとって、パーティーも茶会も無く、伯爵夫人として、母親として、責任ばかり求められる生活にストレスを感じていた」
「………」
リチャードの硬い口調には後悔が滲んでいるのか、無意識に自分の手を見ている。
その手には何が見えているんだろう。
そんな華やか生活を送っているなら、不満に思うのは仕方ない。否、きっと怒られただろう。大人になれないのに17歳で母親。
結婚したんだから、妻なんだから、母親なんだから、そう言われて逃げ場がない状態。聞かなくても想像がつく。その上、夫は忙しくて助けてくれない。
「そして、その矛先がマーカスに向かったんだ」
11
あなたにおすすめの小説
異世界から来た華と守護する者
桜
恋愛
空襲から逃げ惑い、気がつくと屍の山がみえる荒れた荒野だった。
魔力の暴走を利用して戦地にいた美丈夫との出会いで人生変わりました。
ps:異世界の穴シリーズです。
せっかく転生したのにモブにすらなれない……はずが溺愛ルートなんて信じられません
嘉月
恋愛
隣国の貴族令嬢である主人公は交換留学生としてやってきた学園でイケメン達と恋に落ちていく。
人気の乙女ゲーム「秘密のエルドラド」のメイン攻略キャラは王立学園の生徒会長にして王弟、氷の殿下こと、クライブ・フォン・ガウンデール。
転生したのはそのゲームの世界なのに……私はモブですらないらしい。
せめて学園の生徒1くらいにはなりたかったけど、どうしようもないので地に足つけてしっかり生きていくつもりです。
少しだけ改題しました。ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いします。
異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜
京
恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。
右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。
そんな乙女ゲームのようなお話。
獣人の世界に落ちたら最底辺の弱者で、生きるの大変だけど保護者がイケオジで最強っぽい。
真麻一花
恋愛
私は十歳の時、獣が支配する世界へと落ちてきた。
狼の群れに襲われたところに現れたのは、一頭の巨大な狼。そのとき私は、殺されるのを覚悟した。
私を拾ったのは、獣人らしくないのに町を支配する最強の獣人だった。
なんとか生きてる。
でも、この世界で、私は最低辺の弱者。
「転生したら推しの悪役宰相と婚約してました!?」〜推しが今日も溺愛してきます〜 (旧題:転生したら報われない悪役夫を溺愛することになった件)
透子(とおるこ)
恋愛
読んでいた小説の中で一番好きだった“悪役宰相グラヴィス”。
有能で冷たく見えるけど、本当は一途で優しい――そんな彼が、報われずに処刑された。
「今度こそ、彼を幸せにしてあげたい」
そう願った瞬間、気づけば私は物語の姫ジェニエットに転生していて――
しかも、彼との“政略結婚”が目前!?
婚約から始まる、再構築系・年の差溺愛ラブ。
“報われない推し”が、今度こそ幸せになるお話。
【完結】ここって天国?いいえBLの世界に転生しました
三園 七詩
恋愛
麻衣子はBL大好きの腐りかけのオタク、ある日道路を渡っていた綺麗な猫が車に引かれそうになっているのを助けるために命を落とした。
助けたその猫はなんと神様で麻衣子を望む異世界へと転生してくれると言う…チートでも溺愛でも悪役令嬢でも望むままに…しかし麻衣子にはどれもピンと来ない…どうせならBLの世界でじっくりと生でそれを拝みたい…
神様はそんな麻衣子の願いを叶えてBLの世界へと転生させてくれた!
しかもその世界は生前、麻衣子が買ったばかりのゲームの世界にそっくりだった!
攻略対象の兄と弟を持ち、王子の婚約者のマリーとして生まれ変わった。
ゲームの世界なら王子と兄、弟やヒロイン(男)がイチャイチャするはずなのになんかおかしい…
知らず知らずのうちに攻略対象達を虜にしていくマリーだがこの世界はBLと疑わないマリーはそんな思いは露知らず…
注)BLとありますが、BL展開はほぼありません。
断罪された挙句に執着系騎士様と支配系教皇様に目をつけられて人生諸々詰んでる悪役令嬢とは私の事です。
甘寧
恋愛
断罪の最中に前世の記憶が蘇ったベルベット。
ここは乙女ゲームの世界で自分がまさに悪役令嬢の立場で、ヒロインは王子ルートを攻略し、無事に断罪まで来た所だと分かった。ベルベットは大人しく断罪を受け入れ国外追放に。
──……だが、追放先で攻略対象者である教皇のロジェを拾い、更にはもう一人の対象者である騎士団長のジェフリーまでがことある事にベルベットの元を訪れてくるようになる。
ゲームからは完全に外れたはずなのに、悪役令嬢と言うフラグが今だに存在している気がして仕方がないベルベットは、平穏な第二の人生の為に何とかロジェとジェフリーと関わりを持たないように逃げまくるベルベット。
しかし、その行動が裏目に出てロジェとジェフリーの執着が増していく。
そんな折、何者かがヒロインである聖女を使いベルベットの命を狙っていることが分かる。そして、このゲームには隠された裏設定がある事も分かり……
独占欲の強い二人に振り回されるベルベットの結末はいかに?
※完全に作者の趣味です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる