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役不足?いいえ、力不足
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ディーンは『数うちゃ当たる』作戦を成功させるべく、クリスとロアンヌの二人が城から出てくるのを待っていた。
作戦は、3つもあるんだ。このうち一つは上手く行くだろう。
計画その1(難易度☆☆☆)
クリスがプレゼントを選ぶのを手伝って欲しいとロアンヌを街へ誘う。
二人そろって、城から徒歩で街へ向かう。そこへ乱暴な運転の馬車が通りすぎる。そこをクリスが身を挺してロアンヌを庇う。
その1の結果
クリスの買い物に付き合ってロアンヌと二人が仲良く街へ向かうのをディーンは物陰から見送りながら、一安心した。上々の滑り出しだ。
ディーンは、二人に気づかれないように抜け道を使って、馬車と遭遇する地点に先回りした。
クリスがロアンヌと話しながらキョロキョロと辺りを見渡している。何時馬車が来てもいいように準備しているのは分かるが、明らかに挙動不審だ。
「クリス!」
「えっ?なっ、何?」
「買い物に行くのが久々で、浮かれるのは分かるけど気を付けないと!でないと、この前みたいに転ぶわよ」
「うっ、うん」
心配したロアンヌがクリスを落ち着けと注意する。しかし、本人は上の空だ。それを見てディーンは内心溜め息をつく。気持ちは分かるが、ロアンヌに怪しまれたら、元も子もないのに……。クリスの事だボロが出るのは時間の問題だな。前倒しするか、どうするか考えていると、そこへ馬車の音が聞こえる。
振り返ると二人の進行方向と反対方向から馬車が来る。依頼した馬車がどうか御者を見ると友達だ。
よし、準備はととのった。
頼むと手を上げると分かったと友達が頷く。クリスはと見ると、クリスも自分たちに向かって来る馬車に気付いている。よし、大丈夫だ。後はタイミングだ。
友達の御者がクリスに合図を送ると
スピードを上げて二人に向かって行く。
二人との距離が、3馬身になった。
約束通り、クリスでも反応できる位のスピードだ。
どんどん、近づいて行く。
(……2馬身半、 2馬身、 1馬身半!
今だ!)
心の中で掛け声を掛けた。
(ロアンヌ様に覆いかぶさって……)
しかし、このままでは馬車とぶつかる 可能性があると 判断したロアンヌが、
クリスの腰に手を回して抱えると、後ろへひらりと飛ぶ。
その直後に馬車が通り過ぎた。
(あっ!)
ロアンヌの素早い身のこなしに驚く。
少年兵並みの度胸だ。
確かに剣術も体術もクリスに付き合って稽古していたが……。危険をものともしないところに惚れ惚れする。
女なら胸がキュンとした事だろう。
それに引き換えクリスは、体をくの字にして足をバタつかせている。女ならドン引きする場面だな。
「……下ろして」
「えっ?」
「いいから、下ろして!」
クリスが 大声で言うとロアンヌが、大事そうにクリスを立たせる。
自由の身になったクリスが、土煙だけしか残っていない道を 悲しそうに見ている。
既に馬車は遠くだ。
そんなクリスの気持ちを知らないロアンヌが、ほこりを払いながらクリスが怪我をしていなかチェックしている。
「大丈夫?クリス。痛いところはない?」
「………」
クリスが複雑な表情をしているがロアンヌは気付いていないようだ。
「なんて酷い運転なの。全く乱暴ね」
「んっ……」
そう返事をするクリスは、 言いたいことを我慢しているのか、 固く口を閉じている。
『 どうして助けたんだよ! 僕が助けようと思ってたのにー!』と、でも
言いたげだな。
俺に気付いたクリスが 情けない顔でこっちを見る 。
しかし、ロアンヌ様の方がクリスより運動神経が良いのは仕方のない事だ。
(気にするな。次がある!)
ドンマイと合図を送るとクリスが頷き返してきた。失敗したが、まだ一つ目だ。
計画その2 (難易度☆☆☆☆)
二人が買い物をする店に行く途中、 住宅の2階から 俺の友人が怪我しない物を落下させる。( 万が一、ぶつかっても大丈夫なように大きめのクッションにした)
それからロアンヌを守るためクリスが身を挺してかばう。
<シナリオ>作・クリス
クリス・「 怪我はなかったかい」
( ロアンヌを抱き寄せる)
ロアンヌ・「 大丈夫よ。ありがとう。 クリスこそ怪我はない?」
(クリスの体を心配そうに調べる)
クリス・「これくらい平気だ」
( 安心させるようにロアンヌの手をとる)
ロアンヌ・「クリス……」
(クリスの 男らしい行動に感動して涙ぐむ)そして、熱い抱擁。
その2 の結果
二人が仲良く手をつないで歩きながら 商店街に入ってきた 。 それを確認するとディーンは先にクッションを落とす予定の場所に行く。
今度こそ成功させる。ぐっと拳を作って決意する。 さっきは自分に向かってくる馬車が ロアンヌ様の目に入った。 だから先に行動されたけど、 今回はその点では大丈夫だ。クリス側に落とす予定だから、 ロアンヌ様に先を越されることはない。
ディーンは ロアンヌに見つからないように建物の角から 友達に向かって来た事を知らせる。
クリスも歩きながら目視でディーンの姿を確認している。
ディーンは友達に手を振ってそろそろだと合図を送る。友人がうなずく。クリスも友人を確認している。ディーンは、励ますようにクリスに向かって親指を立てる。
本当なら、俺自身が 物を落とす役目 をしたいところだが、ロアンヌ様に見つかったらクリスが仕組んだ事だとばれて、見直されるどころか大嫌いと言われるかもしれない。
( 俺とクリスのことを二人で一組と思っているフシがある)
姑息な手段に正義感が強いロアンヌ様は許してくれない。それでも、やる。ディーンは手をたかだかと上げる。
いつでも応じられるように友達がクッションを持って 俺の合図を待っている。 準備はできている。 後は二人が来るのを待つだけ。
ディーンは二人の歩幅に合わせてカウントダウンする。
(5、4、3、2、・、今だ!)
ディーンが腕を下げるとドンピシャのタイミングでクッションが落下していく。
これでクリスがクッションをかわしてロアンヌ様を引き寄せれば大成功。
(えっ?)
クリスが、落ちて来るクッションを見たまま固まっている。
「不味い!」
半歩先に進んでいたロアンヌが、クリスが止まったことで、どうしたのかと立ち止まってしまった。
ロアンヌを助けようと飛び出す。
(このままではロアンヌ様に当たってしまう。いくら怪我をしないような物を選んだとしても駄目だ)
「危ない!」
その事を察知した友人がクッションを掴もうと手を伸ばす。
友達の声に反応してロアンヌ様が上を向く。だが、もう、ぶつかる直前だ。 最悪の事態に 目を瞑る。
(………)
しかし、 何の音もしない。 恐る恐る目を開けると、ロアンヌ様が難なく落ちて来たクッションをキャッチしていた。
(良かった……)
今回の計画を手伝ってくれてた友達も、ほっとして胸を押さえた 。
「返すから受け取りに来なさい」
ロアンヌが友達に向かってクッションを掲げる。
ディーンは額に浮かんだ汗を拭きながら大事に至らなかったと、緊張を解く。クリスのヤツ。何やってるんだ。腹立たしくクリスを睨みつけたが、 その場にへたり込んでいる。
真っ青な顔のクリスを見て がっかりする。だけど、クリスがビビることくらい予想できた。
ディーンは自分の計画の甘さを痛感して、イライラと頭をかく。
最初からこの計画には無理があったんだ。怖い事や嫌な事から逃げ回って、結局ロアンヌ様に頼ってたくせに。 急に守られる側から、守る側に立場を入れ替えようなんて……。
「クリス、大丈夫?ぶつからなくて良かったわ」
「うん………」
クリスも自分の事を不甲斐ないと思っているのか元気が無い。
ロアンヌ様じゃなかったら、クリスは確実に怪我してたな。
ディーンは、拳を唇に当てながら次の計画について考える。
三つ目は、二つ目以上に難易度が上がる。それに、クリスが上手にやれると言う 保証はない。
「う~ん」
迷うくらいなら、 ここは潔く中止する事を考えた方が良いかもしれない。そう思っていると、
「買い物は日を改めた方が良いんじゃないの? 」
凹んでいるクリスを心配してロアンヌが声を掛ける。
「えっ、駄目、駄目。今日じゃないと意味が無いよ」
しかし、クリスが両手を激しく振り回して断固否定している。
(………)
本人が最後までやる気なんだ。だったら、友達として付き合うしかないとディーンは腹を括る。 落ち着こうと深呼吸する。
泣いても笑っても、次がラストチャンスだ。上手く行くかは運に任せるしかない。
最後の計画(難易度☆☆☆☆☆☆)
作戦は、3つもあるんだ。このうち一つは上手く行くだろう。
計画その1(難易度☆☆☆)
クリスがプレゼントを選ぶのを手伝って欲しいとロアンヌを街へ誘う。
二人そろって、城から徒歩で街へ向かう。そこへ乱暴な運転の馬車が通りすぎる。そこをクリスが身を挺してロアンヌを庇う。
その1の結果
クリスの買い物に付き合ってロアンヌと二人が仲良く街へ向かうのをディーンは物陰から見送りながら、一安心した。上々の滑り出しだ。
ディーンは、二人に気づかれないように抜け道を使って、馬車と遭遇する地点に先回りした。
クリスがロアンヌと話しながらキョロキョロと辺りを見渡している。何時馬車が来てもいいように準備しているのは分かるが、明らかに挙動不審だ。
「クリス!」
「えっ?なっ、何?」
「買い物に行くのが久々で、浮かれるのは分かるけど気を付けないと!でないと、この前みたいに転ぶわよ」
「うっ、うん」
心配したロアンヌがクリスを落ち着けと注意する。しかし、本人は上の空だ。それを見てディーンは内心溜め息をつく。気持ちは分かるが、ロアンヌに怪しまれたら、元も子もないのに……。クリスの事だボロが出るのは時間の問題だな。前倒しするか、どうするか考えていると、そこへ馬車の音が聞こえる。
振り返ると二人の進行方向と反対方向から馬車が来る。依頼した馬車がどうか御者を見ると友達だ。
よし、準備はととのった。
頼むと手を上げると分かったと友達が頷く。クリスはと見ると、クリスも自分たちに向かって来る馬車に気付いている。よし、大丈夫だ。後はタイミングだ。
友達の御者がクリスに合図を送ると
スピードを上げて二人に向かって行く。
二人との距離が、3馬身になった。
約束通り、クリスでも反応できる位のスピードだ。
どんどん、近づいて行く。
(……2馬身半、 2馬身、 1馬身半!
今だ!)
心の中で掛け声を掛けた。
(ロアンヌ様に覆いかぶさって……)
しかし、このままでは馬車とぶつかる 可能性があると 判断したロアンヌが、
クリスの腰に手を回して抱えると、後ろへひらりと飛ぶ。
その直後に馬車が通り過ぎた。
(あっ!)
ロアンヌの素早い身のこなしに驚く。
少年兵並みの度胸だ。
確かに剣術も体術もクリスに付き合って稽古していたが……。危険をものともしないところに惚れ惚れする。
女なら胸がキュンとした事だろう。
それに引き換えクリスは、体をくの字にして足をバタつかせている。女ならドン引きする場面だな。
「……下ろして」
「えっ?」
「いいから、下ろして!」
クリスが 大声で言うとロアンヌが、大事そうにクリスを立たせる。
自由の身になったクリスが、土煙だけしか残っていない道を 悲しそうに見ている。
既に馬車は遠くだ。
そんなクリスの気持ちを知らないロアンヌが、ほこりを払いながらクリスが怪我をしていなかチェックしている。
「大丈夫?クリス。痛いところはない?」
「………」
クリスが複雑な表情をしているがロアンヌは気付いていないようだ。
「なんて酷い運転なの。全く乱暴ね」
「んっ……」
そう返事をするクリスは、 言いたいことを我慢しているのか、 固く口を閉じている。
『 どうして助けたんだよ! 僕が助けようと思ってたのにー!』と、でも
言いたげだな。
俺に気付いたクリスが 情けない顔でこっちを見る 。
しかし、ロアンヌ様の方がクリスより運動神経が良いのは仕方のない事だ。
(気にするな。次がある!)
ドンマイと合図を送るとクリスが頷き返してきた。失敗したが、まだ一つ目だ。
計画その2 (難易度☆☆☆☆)
二人が買い物をする店に行く途中、 住宅の2階から 俺の友人が怪我しない物を落下させる。( 万が一、ぶつかっても大丈夫なように大きめのクッションにした)
それからロアンヌを守るためクリスが身を挺してかばう。
<シナリオ>作・クリス
クリス・「 怪我はなかったかい」
( ロアンヌを抱き寄せる)
ロアンヌ・「 大丈夫よ。ありがとう。 クリスこそ怪我はない?」
(クリスの体を心配そうに調べる)
クリス・「これくらい平気だ」
( 安心させるようにロアンヌの手をとる)
ロアンヌ・「クリス……」
(クリスの 男らしい行動に感動して涙ぐむ)そして、熱い抱擁。
その2 の結果
二人が仲良く手をつないで歩きながら 商店街に入ってきた 。 それを確認するとディーンは先にクッションを落とす予定の場所に行く。
今度こそ成功させる。ぐっと拳を作って決意する。 さっきは自分に向かってくる馬車が ロアンヌ様の目に入った。 だから先に行動されたけど、 今回はその点では大丈夫だ。クリス側に落とす予定だから、 ロアンヌ様に先を越されることはない。
ディーンは ロアンヌに見つからないように建物の角から 友達に向かって来た事を知らせる。
クリスも歩きながら目視でディーンの姿を確認している。
ディーンは友達に手を振ってそろそろだと合図を送る。友人がうなずく。クリスも友人を確認している。ディーンは、励ますようにクリスに向かって親指を立てる。
本当なら、俺自身が 物を落とす役目 をしたいところだが、ロアンヌ様に見つかったらクリスが仕組んだ事だとばれて、見直されるどころか大嫌いと言われるかもしれない。
( 俺とクリスのことを二人で一組と思っているフシがある)
姑息な手段に正義感が強いロアンヌ様は許してくれない。それでも、やる。ディーンは手をたかだかと上げる。
いつでも応じられるように友達がクッションを持って 俺の合図を待っている。 準備はできている。 後は二人が来るのを待つだけ。
ディーンは二人の歩幅に合わせてカウントダウンする。
(5、4、3、2、・、今だ!)
ディーンが腕を下げるとドンピシャのタイミングでクッションが落下していく。
これでクリスがクッションをかわしてロアンヌ様を引き寄せれば大成功。
(えっ?)
クリスが、落ちて来るクッションを見たまま固まっている。
「不味い!」
半歩先に進んでいたロアンヌが、クリスが止まったことで、どうしたのかと立ち止まってしまった。
ロアンヌを助けようと飛び出す。
(このままではロアンヌ様に当たってしまう。いくら怪我をしないような物を選んだとしても駄目だ)
「危ない!」
その事を察知した友人がクッションを掴もうと手を伸ばす。
友達の声に反応してロアンヌ様が上を向く。だが、もう、ぶつかる直前だ。 最悪の事態に 目を瞑る。
(………)
しかし、 何の音もしない。 恐る恐る目を開けると、ロアンヌ様が難なく落ちて来たクッションをキャッチしていた。
(良かった……)
今回の計画を手伝ってくれてた友達も、ほっとして胸を押さえた 。
「返すから受け取りに来なさい」
ロアンヌが友達に向かってクッションを掲げる。
ディーンは額に浮かんだ汗を拭きながら大事に至らなかったと、緊張を解く。クリスのヤツ。何やってるんだ。腹立たしくクリスを睨みつけたが、 その場にへたり込んでいる。
真っ青な顔のクリスを見て がっかりする。だけど、クリスがビビることくらい予想できた。
ディーンは自分の計画の甘さを痛感して、イライラと頭をかく。
最初からこの計画には無理があったんだ。怖い事や嫌な事から逃げ回って、結局ロアンヌ様に頼ってたくせに。 急に守られる側から、守る側に立場を入れ替えようなんて……。
「クリス、大丈夫?ぶつからなくて良かったわ」
「うん………」
クリスも自分の事を不甲斐ないと思っているのか元気が無い。
ロアンヌ様じゃなかったら、クリスは確実に怪我してたな。
ディーンは、拳を唇に当てながら次の計画について考える。
三つ目は、二つ目以上に難易度が上がる。それに、クリスが上手にやれると言う 保証はない。
「う~ん」
迷うくらいなら、 ここは潔く中止する事を考えた方が良いかもしれない。そう思っていると、
「買い物は日を改めた方が良いんじゃないの? 」
凹んでいるクリスを心配してロアンヌが声を掛ける。
「えっ、駄目、駄目。今日じゃないと意味が無いよ」
しかし、クリスが両手を激しく振り回して断固否定している。
(………)
本人が最後までやる気なんだ。だったら、友達として付き合うしかないとディーンは腹を括る。 落ち着こうと深呼吸する。
泣いても笑っても、次がラストチャンスだ。上手く行くかは運に任せるしかない。
最後の計画(難易度☆☆☆☆☆☆)
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