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過去からの刺客
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ディーンはクリスの策略に嵌まり、傷ついたロアンのことを心配していた。
兄貴ぶんを気取っていても、今回の件では力になれそうにない。誰かにいじめられた訳ではないから、俺の出番はない。
自分の力で どうにかするしかない。
自室で本を読んでいたディーンは 近づいてくる足音に本から目を離す。
ロアンヌ様にレグール様の悪い噂を告げ口した事は、その日の内に屋敷中に広まって クリスは皆から無視されている。全面的にクリスが悪い。
いくら考えても、レグール様と噂があった女性のリストをロアンヌ様に見せる必要があったとは思えない。
クリスに振り回されてるロアンヌに同情する。
(だいたい、あのリスト自体、本当かどうか怪しいのに)
アイツのことだ。捏造するぐらい やりかねない。
ドアの開くと予想通りクリスがガックリと肩を落として帰って来た。
ロアンヌに会おうと日参しているが扉は固く閉じられている。自業自得だ。
これで、クリスの目論み通り二人が破局してしまったらロアンヌがクリスを許すことは、一生無い。 断言できる。己の心の狭さと、弱さを 思い知らされた出来事だから、クリスを見るたびプライドが痛むだろう。
それに、今回の件は たちが悪い。
第三者の我々でさえ、話を聞いたときは腹が立った。まさに、人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死んじまえ。だ。
いくらロアンヌ様を思ってした事だと 、尤もらしい言い訳を言っても誰も信じないだろう。クリスがロアンヌに片思いしている事は、皆が知っている。
心配なのはロアンヌの方だ。
あの日から既に三日も部屋に籠って、食事もまともに取ってないのに……。
初めての恋がこんな形で終わったら、男性不信になって一生独身かもしれない。他にも男がいると言っても、聞く耳を持たないだろう。
ロアンヌの将来を心配して、可哀想にと首を左右に振る。
クリスの想いは恋。 愛にはならない。
本当に相手の事を思うなら、相手の幸せを願うものだ。それなのに……。
愛にならなければ、両思いへの道は遠い。男爵家の三男に生まれて 苦労してきたと思っていたのに。
「今日も会えなかった……今日で2日だ。2日もロアンヌの顔を見てない……」
(そりゃそうだろう。原因を作ったのは、お前なんだから)
本の陰からクリスの様子を伺っていると、クリスが返事を期待して俺を見る。ディーンは無視して本に目を向ける。宣言通り、一言も口を聞いていない。コスッとクリスが床を削る音が聞こえる。
「許してくれると思う?……」
誰に言うでもなくクリスがポツリという。
( ……… )
ロアンヌがレグールを許すかどうかで答えは違って来る。
ロアンヌはクリスには甘いが、今回の事は許容範囲を超えてる。
ぶっちゃけ、元カレ、元カノ問題はこじれると別れる原因になる。
俺にも経験がある。
相手のことを貶めてもダメ。褒めてもダメ。あげくデートする度に、ここに連れて来たことがあるのかとか、しつこく聞かれたことがあった。 昔のこと思い出して、やれやれと首を振る。
*****
片思いの辛さも、両思いの喜びも経験しないまま、私はレグール様と付き合いだした。だから、元カノの存在に心が乱れる。自分でも過去に固執しても何一つ良いことがないと理解している。だけど……。
ジリジリと蝋燭が音を立てて炎を揺らしている。芯が短くなっている。いつのまにか夜が深くなっていた。
ロアンヌは、ぼんやりと窓辺に腰かけて見ると話しに空を見上げる。
お母様に最後の女になれと言われたけど……。果たして私に、そんな力があるのだろうか?
何もしないでレグール様の手を取ってしまった。まるで、道に落ちている紅葉のように、風に飛ばされた花びらのように、自分では何もしていない。
ただ綺麗だから、手にしただけに過ぎない。それを自分の物にしようとする努力することさえしなかった。
だから、どうしても自分の物だと言う実家が湧かない。
(他の人に渡したくないと言う気持ちは有るけれど……)
元カノたちは、きっと私より綺麗で知的で、お洒落で洗練された女性なはずだ。そんな女性に何をどうやったら勝てるのか想像もつかない。
好きだという気持ちだけで、どうこうできるものではない。
(この気持ちはどうやったら無くなるの? )
今は目新しいだけで、直ぐに飽きられて 簡単に乗り換えられてしまうかもしれない。
自分に自信がない。そのくせ、嫉妬心だけは人一倍だ。
他の女性が例え一時でもレグール様の心を奪った。そう思うと“手を出すな”とか、“私の物だ”と言って 張り倒してしまいたくなる。
レグール様の身も心を誰にも、ほんの一秒でも、髪の毛一本でも奪われたくない。他の女の手垢のついた体も 過去の記憶も自分の手で拭いさって、全てを私色で塗り替えたい。
(これが嫉妬なのね……)
あの時のレグール様の気持ちが、今なら理解できる。荒々しい口づけを思い出して唇に触れた。
激昂していたはずのレグール様が急に怒りを解いたけど
どうやって消したかわからなかった。
私の嫉妬の炎は消える事なく燃え続けている。こんなにも激しい気持ちを持てっていたなんて自分が恐ろしい。
全てを許して レグールに盲目的に愛していると、飛び込む勇気も無いし、諦めて立ち去ることも出来ない。
こんな気持ちを知るまでは何もかも順調で、まるで夢の中を歩いているみたいで、フワフワした甘い気分だった。それが今は嵐の中を歩いているみたいだ。吹き飛ばされそうで、雨で目が開かなくて、真っ暗で一歩を踏み出すことさえ恐ろしい。
元カノたちが目の前にいれば、戦ってレグールの心を勝ち取ってみせるのに……。そうすれば自信もつくし、この嫉妬心を捨てることが出来る。
それが出来ないせいで、許して受け入れる気持ちと、許さず受け入れない気持ちの、二つの感情が、勝つことも負ける事も出来ずに 戦い続ける。
苦しい。苦しいと。朝も昼も夜も自分の心を苛む。
あまりにも苦しくて心が醜く変形して行くようだ。
「はぁ~」
私の気持ちも知らずに何時もと変わらず夜空には星が瞬いている。
レグール様も同じ空を見ているだろうか? 同じ空を見ていてくれたらいいのに……。
*過去からの刺客
落ち着きなくレグールは、応接室の中を行ったり来たりしながら、ロアンヌが来るのを待っていた。
この日が来ることをあんなに望んだのに、その時が来るかと思うと逃げ出したくなるほど恐ろしい。
薄氷を踏むような三日間だった。上の空でまったく仕事にならなかった。
ロアンヌがどんな結論を出したんだ? 立ち止まると手を組んで額に押し当てる。ロアンヌとの楽しい日々が甦る。失いたくない。
金輪際、女の人と話をしない。いや、目も合わせない。そう約束するから……。
(あぁ、どうか私を ……私を……どうか……)
ドアの開く音に振り返る。審判の時が来た。泣いても笑っても決着がつく。
侍女に案内されてロアンヌが部屋に入って来た。少しやつれたその表情からは、どんな答えを導き出したのか分からない。それでも微笑みかける。
だが、ロアンヌは目を合わそうとはしない。
どちらも立ったまま、ぎこちない沈黙だけが部屋を満たしていく。メイドが出て行のを待ってから、やっと声をかけた。
「ロアンヌ。よく来てくれたね」
ロアンヌが首を振って返事をする。
その途端、足下にぱっくりと奈落が
口を開けて、その底へ落ちていく。
(そう簡単に、許せる事じゃないか……)
しかし、プライドにしがみつき、何事もなかったかのように チークキスをしようと顔を近づける。
また拒まれるかもしれない。
ロアンヌが強張った表情のままじっとしている。そんな恐れを抱きながら、そっと頬を押し付ける。触れ合った頬の温かさが、これからの時間を支えてくれる。
レグールは無言のまま座るようにソファーに手を向ける。
ロアンヌは硬い表情を崩さないまま椅子に座った。
向かい合うように座ると、手を組んで平静を装う。どう答えを出したか知るのが恐ろしかった。
しかし、伯爵を通さず直接来てくれたのだから、まだ望みはあるかも知れない。諦めるのは早い。
「 ……… 」
「 ……… 」
長引く静寂に、ジリジリと焦りが私を追い詰める。
今からでも許しを請えば、もう一度チャンスが巡って来るかもしれない。
「ロッ……」
プライドも何もかもすべて捨てて縋り付こうとしたが、ロアンヌが片手を挙げて押し止める。 ロアンヌの準備が整うまで待とう。自分も沈黙する。
「 ……… 」
「 ……… 」
しかし、 沈黙が終わらない。耐えきれずに声をかけようとした時 俯いたまま
ロアンヌが自分の心を話し出した。
「分かっているんです。私と出逢う前の事だし、今更言っても変えられない事は……。でも、嫌な物は嫌なんです」
兄貴ぶんを気取っていても、今回の件では力になれそうにない。誰かにいじめられた訳ではないから、俺の出番はない。
自分の力で どうにかするしかない。
自室で本を読んでいたディーンは 近づいてくる足音に本から目を離す。
ロアンヌ様にレグール様の悪い噂を告げ口した事は、その日の内に屋敷中に広まって クリスは皆から無視されている。全面的にクリスが悪い。
いくら考えても、レグール様と噂があった女性のリストをロアンヌ様に見せる必要があったとは思えない。
クリスに振り回されてるロアンヌに同情する。
(だいたい、あのリスト自体、本当かどうか怪しいのに)
アイツのことだ。捏造するぐらい やりかねない。
ドアの開くと予想通りクリスがガックリと肩を落として帰って来た。
ロアンヌに会おうと日参しているが扉は固く閉じられている。自業自得だ。
これで、クリスの目論み通り二人が破局してしまったらロアンヌがクリスを許すことは、一生無い。 断言できる。己の心の狭さと、弱さを 思い知らされた出来事だから、クリスを見るたびプライドが痛むだろう。
それに、今回の件は たちが悪い。
第三者の我々でさえ、話を聞いたときは腹が立った。まさに、人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死んじまえ。だ。
いくらロアンヌ様を思ってした事だと 、尤もらしい言い訳を言っても誰も信じないだろう。クリスがロアンヌに片思いしている事は、皆が知っている。
心配なのはロアンヌの方だ。
あの日から既に三日も部屋に籠って、食事もまともに取ってないのに……。
初めての恋がこんな形で終わったら、男性不信になって一生独身かもしれない。他にも男がいると言っても、聞く耳を持たないだろう。
ロアンヌの将来を心配して、可哀想にと首を左右に振る。
クリスの想いは恋。 愛にはならない。
本当に相手の事を思うなら、相手の幸せを願うものだ。それなのに……。
愛にならなければ、両思いへの道は遠い。男爵家の三男に生まれて 苦労してきたと思っていたのに。
「今日も会えなかった……今日で2日だ。2日もロアンヌの顔を見てない……」
(そりゃそうだろう。原因を作ったのは、お前なんだから)
本の陰からクリスの様子を伺っていると、クリスが返事を期待して俺を見る。ディーンは無視して本に目を向ける。宣言通り、一言も口を聞いていない。コスッとクリスが床を削る音が聞こえる。
「許してくれると思う?……」
誰に言うでもなくクリスがポツリという。
( ……… )
ロアンヌがレグールを許すかどうかで答えは違って来る。
ロアンヌはクリスには甘いが、今回の事は許容範囲を超えてる。
ぶっちゃけ、元カレ、元カノ問題はこじれると別れる原因になる。
俺にも経験がある。
相手のことを貶めてもダメ。褒めてもダメ。あげくデートする度に、ここに連れて来たことがあるのかとか、しつこく聞かれたことがあった。 昔のこと思い出して、やれやれと首を振る。
*****
片思いの辛さも、両思いの喜びも経験しないまま、私はレグール様と付き合いだした。だから、元カノの存在に心が乱れる。自分でも過去に固執しても何一つ良いことがないと理解している。だけど……。
ジリジリと蝋燭が音を立てて炎を揺らしている。芯が短くなっている。いつのまにか夜が深くなっていた。
ロアンヌは、ぼんやりと窓辺に腰かけて見ると話しに空を見上げる。
お母様に最後の女になれと言われたけど……。果たして私に、そんな力があるのだろうか?
何もしないでレグール様の手を取ってしまった。まるで、道に落ちている紅葉のように、風に飛ばされた花びらのように、自分では何もしていない。
ただ綺麗だから、手にしただけに過ぎない。それを自分の物にしようとする努力することさえしなかった。
だから、どうしても自分の物だと言う実家が湧かない。
(他の人に渡したくないと言う気持ちは有るけれど……)
元カノたちは、きっと私より綺麗で知的で、お洒落で洗練された女性なはずだ。そんな女性に何をどうやったら勝てるのか想像もつかない。
好きだという気持ちだけで、どうこうできるものではない。
(この気持ちはどうやったら無くなるの? )
今は目新しいだけで、直ぐに飽きられて 簡単に乗り換えられてしまうかもしれない。
自分に自信がない。そのくせ、嫉妬心だけは人一倍だ。
他の女性が例え一時でもレグール様の心を奪った。そう思うと“手を出すな”とか、“私の物だ”と言って 張り倒してしまいたくなる。
レグール様の身も心を誰にも、ほんの一秒でも、髪の毛一本でも奪われたくない。他の女の手垢のついた体も 過去の記憶も自分の手で拭いさって、全てを私色で塗り替えたい。
(これが嫉妬なのね……)
あの時のレグール様の気持ちが、今なら理解できる。荒々しい口づけを思い出して唇に触れた。
激昂していたはずのレグール様が急に怒りを解いたけど
どうやって消したかわからなかった。
私の嫉妬の炎は消える事なく燃え続けている。こんなにも激しい気持ちを持てっていたなんて自分が恐ろしい。
全てを許して レグールに盲目的に愛していると、飛び込む勇気も無いし、諦めて立ち去ることも出来ない。
こんな気持ちを知るまでは何もかも順調で、まるで夢の中を歩いているみたいで、フワフワした甘い気分だった。それが今は嵐の中を歩いているみたいだ。吹き飛ばされそうで、雨で目が開かなくて、真っ暗で一歩を踏み出すことさえ恐ろしい。
元カノたちが目の前にいれば、戦ってレグールの心を勝ち取ってみせるのに……。そうすれば自信もつくし、この嫉妬心を捨てることが出来る。
それが出来ないせいで、許して受け入れる気持ちと、許さず受け入れない気持ちの、二つの感情が、勝つことも負ける事も出来ずに 戦い続ける。
苦しい。苦しいと。朝も昼も夜も自分の心を苛む。
あまりにも苦しくて心が醜く変形して行くようだ。
「はぁ~」
私の気持ちも知らずに何時もと変わらず夜空には星が瞬いている。
レグール様も同じ空を見ているだろうか? 同じ空を見ていてくれたらいいのに……。
*過去からの刺客
落ち着きなくレグールは、応接室の中を行ったり来たりしながら、ロアンヌが来るのを待っていた。
この日が来ることをあんなに望んだのに、その時が来るかと思うと逃げ出したくなるほど恐ろしい。
薄氷を踏むような三日間だった。上の空でまったく仕事にならなかった。
ロアンヌがどんな結論を出したんだ? 立ち止まると手を組んで額に押し当てる。ロアンヌとの楽しい日々が甦る。失いたくない。
金輪際、女の人と話をしない。いや、目も合わせない。そう約束するから……。
(あぁ、どうか私を ……私を……どうか……)
ドアの開く音に振り返る。審判の時が来た。泣いても笑っても決着がつく。
侍女に案内されてロアンヌが部屋に入って来た。少しやつれたその表情からは、どんな答えを導き出したのか分からない。それでも微笑みかける。
だが、ロアンヌは目を合わそうとはしない。
どちらも立ったまま、ぎこちない沈黙だけが部屋を満たしていく。メイドが出て行のを待ってから、やっと声をかけた。
「ロアンヌ。よく来てくれたね」
ロアンヌが首を振って返事をする。
その途端、足下にぱっくりと奈落が
口を開けて、その底へ落ちていく。
(そう簡単に、許せる事じゃないか……)
しかし、プライドにしがみつき、何事もなかったかのように チークキスをしようと顔を近づける。
また拒まれるかもしれない。
ロアンヌが強張った表情のままじっとしている。そんな恐れを抱きながら、そっと頬を押し付ける。触れ合った頬の温かさが、これからの時間を支えてくれる。
レグールは無言のまま座るようにソファーに手を向ける。
ロアンヌは硬い表情を崩さないまま椅子に座った。
向かい合うように座ると、手を組んで平静を装う。どう答えを出したか知るのが恐ろしかった。
しかし、伯爵を通さず直接来てくれたのだから、まだ望みはあるかも知れない。諦めるのは早い。
「 ……… 」
「 ……… 」
長引く静寂に、ジリジリと焦りが私を追い詰める。
今からでも許しを請えば、もう一度チャンスが巡って来るかもしれない。
「ロッ……」
プライドも何もかもすべて捨てて縋り付こうとしたが、ロアンヌが片手を挙げて押し止める。 ロアンヌの準備が整うまで待とう。自分も沈黙する。
「 ……… 」
「 ……… 」
しかし、 沈黙が終わらない。耐えきれずに声をかけようとした時 俯いたまま
ロアンヌが自分の心を話し出した。
「分かっているんです。私と出逢う前の事だし、今更言っても変えられない事は……。でも、嫌な物は嫌なんです」
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