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間違いは事実になる
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婚約式当日
私を拐ったという脅迫状が届き、本当かどうか確かめるために来たレグールに、無事な姿を見せて安心させることができたが。新たな事実が……。
ロアンヌは、その脅迫状の文章を読んで、犯人が誰なのか気付いた。
この文字見覚えがある。何十通も読んだんだ。間違えるはずがない。
「どうした、ロアンヌ?」
お父様の声に皆が私に注目する。
心配させまいと手紙のことは知らせていなかったけれど、もう秘密にしてはおけない。
ロアンヌはアンに手紙を持ってくるように目配せする。
「犯人に心当たりがあります」
私の一言で、その場が騒然となる。
手を上げて、みんなに待つように頼むと、しつこく手紙を送ってくる相手がいることを伝えた。
証拠の手紙の束を机に置くと全員の顔色が変わる。
3人分をこうして見ると、かなりの数になる。
それを見て、お父様とレグールが咎めるように私を見つめる。
「どうして、黙っていたんだ」
「そうだ。言ってくれれば、いくらでも手が打てたのに」
黙っててごめんなさいと、強張った笑みを浮かべて謝る。
まさか脅迫状を送ってくるとは思っていなかった。
お父様が尋ねるように、警備隊長を見ると、聞いていないと首を振って返事をする。
「自己判断しないでください。危険です」
「相手が本気だったら、どうするつもりだったの」
警備隊長も、お母様も、口々に詰め寄って責めてくる。
気付けば、全員に取り囲まれていた。じりじりと後ずさりしながら、まあまあと両手を出して宥める。
すると、アンが庇うように私の前に進みでると、ふかぶかと頭を下げた。
「申し訳ございませんでした。大丈夫だと判断したのは私です。全ての責任は私にあります。どんな罰でも受けます」
「アン……」
もし本当に誘拐されていたら両家に、汚点を残すことになっただろう。
最悪、私が危害を加えられていたかもしれない。
しかし、誰もアンを責めなかった。
アンが私に対して誠心誠意尽くしてくれるしてくれていることは、みんなが知っている。
アンに向かって皆が、仕方ないことだと首を振る。
ラブレター送ってきただけでは罪にはならない。
「もういい。頭を上げなさい。ロアンヌが無事なんだから、今回は不問としよう」
お父様が、そう言って手を払う。
「ありがとうございます」
「だが、二度と勝手に判断するな。分かったな」
顔を上げたアンに向かってお父様が、指を振る。
「はい。肝に銘じます」
アンが、また頭を下げる。
「アン」
ロアンヌはアンの手を取って頭を上げさせる。良かったと抱きしめる。
犯人の手掛かりを探そうと、手紙を読み始めるとみんなが険しい顔になる。レグールの顔が般若のようだ。今にも殺しに行きそうだ。
確かに、自分の婚約者宛のラブレターなんだから、気持ちのいいものではない。刺激しないようにしよう。
「内容が最悪なのは、トラフォード
だけど。犯人は文字から見て、このルーカスって子じゃないの?」
お母様の意見に同意するように皆が頷く。脅迫状と手紙を見比べていた警備隊長が、二つを並べて同じ綴りのところを指差す。
「私もそう思います。これを見て下さい」
皆がそれを見て犯人で間違いないと確信した。
「ルーカス。……ルーカスって、ローウエン家の次男坊か?」
思い出そうと眉間にしわを寄せているお父様に、執事が答えた。
「 はい。今年で17歳になります」
17歳。私より一つ下だ。
会ったこともないのに随分情熱的だ。
「じゅ、17! どうりで ジジイ扱いするわけだ」
レグールが驚いて大声を出す。十歳も間違えば、子供だ。
「まだ成人にはなってない子供じゃないの」
「いったい、ローウエン伯爵は、どんな教育をしてるんだ」
お母様もお父様も呆れる。
子供の悪戯とはいえ、こんな文を書くとは世も末だと首を振る。
だけど、本当に悪戯だろうか? 疑問を感じる。今まで読んだ内容からすると、思い込みが激しい性格だと読み取れる。得てしてそういう人は 本当に考えたことを実行しがちだ。
それにしても、何かが引っかかる。( ……… )
その理由を探ろうと顎を指で支えながら、どんな内容だったか思い出そうとしていた。
コンコン。
ところが、ノック音に考えが中断される。
*****
炭を作るための木材置き場の小屋の前で、ルーカスはお湯を沸かしていた。
ロアンヌ様を隠すのに、この場所ほど最適な場所はない。 ここへ向かうための道はない。見るのは木々だけ。こんな山奥なら誰も見つけられない。
今は時期ではないから、場所を知ってる炭職人もこない。
だが、こんな掘っ立て小屋でロアンヌ様に一夜を過ごせたかと思うと 男として情けない。
だから、他の所で挽回するつもりだ。
ホテル並みとは言えないが、それと同じくらいのサービスをする予定だ。
ボールにお湯を入れると湯加減を確かめる。大切なロアンヌ様に粗相があっては大変だ。
タオルをかけてボールを持ち上げる。すると、金で雇った用心棒の一人が扉を開ける。
(粗野な人間かと思っていたが、意外に気が利く)
拐うだけなら一人でも、なんとかなっただろう。
しかし、ロアンヌ様に快適な生活を送ってもらうためには、準備する品物が多すぎて一人では無理だった。
中に入ると毛布に包まれたロアンヌ様が 藁のベッドで寝ている。 板壁の隙間から差し込む朝日を受けて、髪がキラキラと輝かせている。
まさに "ブロンドの女神" だ。
*****
ドアが開いて入ってきたのは、ディーンだった。
みんなの目がディーンに向けられた。その視線にたじろぎ、おどおどしながら近づいてくる。
(あれ? 様子が変だ)
私たちの視線を避けている。いつもは見習い騎士として、きびきびしているのに。
「ディーン。どうした。何か用か?」
お父様に尋ねられて、口ごもりながら話す。
「じっ、実は……さっ、昨夜から、クリスが帰ってないみたいで……」
曖昧な言い方に眉をひそめる。
クリスのことなら、何でも知ってるはずなのに。
「えっ? クリス、帰ってないの」
無断外泊? でも、城の外に友達はいないはず。友達は、私とディーンだけだ。
それなら野宿?
でも、虫嫌いで、絶対外で寝ないのに、どういう事だろう。
「ロアンヌのことで、頭が痛いのに。クリスまで……」
「すっ、すみません」
「どうして、もっと早く気づかないんだ」
お父様が、うんざりしたように窘める。
「そっ、それは……昨日は……荒れててて……」
そう言って私たちにを盗み見る。
私達? キョトンとしてレグールと顔を見合わせたが、全員がその意味を理解した。 クリスが、私とレグールとの結婚を止めさせようと、ありとあらゆることをしたことを知っている。
((((( あぁ~ )))))
拗ねるんだ。
頭が痛いとこめかみ押さえる。
どこかに隠れて、私が探しに来るのを待っているんだわ。
時間が無い。早く見つけないと。
どうやって探したかな……。
かくれんぼをした時のクリスの姿を思い浮かべる。
どこに隠れても、金色の髪の毛がキラキラと……。
「ブロンド……」
私がそう口にした瞬間、やれやれという雰囲気が漂っていた執務室が、不穏な雰囲気に変わる。
ある可能性に考えに至った者が一人、もう一人と、増えて行き、お互いに、まさかと思いながら視線を送り合う。
それに気づいたレグールが怪訝そうに見回す。
「何だか、空気が変ですけど……」
「もしかしたら、クリスが私の代わりに拐われたのかもしれません」
そう言うとレグールが ポカンと口を開ける。 でも、合ってる。
ルーカスからの手紙には、"金髪に空色の瞳" が綺麗だと書かれていた。
「クリスは男ですよ。胸だって平らだし、ロアンヌとは髪の色も違うし、似ても似つかないじゃないですか」
だけど、誰も頷かない。よくあることだと納得している。クリスを私だと勘違いしてる人は多い。
周りの反応に憮然とした顔でレグール
が、お父様たちを見据える。
「皆さんは、本当にクリスがロアンヌのは代わりに、拐われたと思ってるんですか?」
すると、皆がレグールの質問に次々と返事をする。
「多分、 間違いないだろう
お父様が肩を竦めて答える。
「クリスしかいないわ。 こんなことに巻き込まれるのわ」
お母様が、頭をかかえながら諦めたように返事をした。
「手紙に書かれていることを総合的に判断すると、クリスです」
警備隊長が手紙の山を指しながら言う。
「全く、いつまでお嬢様に迷惑をかければ気が済むのか……」
アンが首を左右な振りながら言う。
「どうりで、帰ってこなかったわけだ」
ディーンが確信した様に答える。
全員が私と間違えて犯人がクリスを誘拐したと結論を出すと、レグールが信じられないと 両手を振り回して不満をぶちまける。
「どうして、そんなことになるんですか! おかしすぎます」
「「「「「 ……… 」」」」」
全員が黙り込む。
私の代わりに怒ってくれるのはレグールだけだ。
この城では私がクリスと比較されることで、傷ついていることを知っているので、口にしない事が暗黙のルールとなっていた。
だけど私の心は凪いでいた。
" 愛されている" その事が自信となって、昔の苦い気持ちがせり上がってくることは無かった。
家族以外の人からの愛を自覚する事は、人生において大切な事だ。
返事をしない皆を睨みつけているレグールを、宥めようとその手を取ると優しく叩く。
「仕方ないんです。私よりクリスは綺麗だから、小さい時から、しょっちゅう間違われてました」
「「「「 っ 」」」」
私がその事実をサラリと言ったので、レグール以外のみんながハッと息を飲む。
私を拐ったという脅迫状が届き、本当かどうか確かめるために来たレグールに、無事な姿を見せて安心させることができたが。新たな事実が……。
ロアンヌは、その脅迫状の文章を読んで、犯人が誰なのか気付いた。
この文字見覚えがある。何十通も読んだんだ。間違えるはずがない。
「どうした、ロアンヌ?」
お父様の声に皆が私に注目する。
心配させまいと手紙のことは知らせていなかったけれど、もう秘密にしてはおけない。
ロアンヌはアンに手紙を持ってくるように目配せする。
「犯人に心当たりがあります」
私の一言で、その場が騒然となる。
手を上げて、みんなに待つように頼むと、しつこく手紙を送ってくる相手がいることを伝えた。
証拠の手紙の束を机に置くと全員の顔色が変わる。
3人分をこうして見ると、かなりの数になる。
それを見て、お父様とレグールが咎めるように私を見つめる。
「どうして、黙っていたんだ」
「そうだ。言ってくれれば、いくらでも手が打てたのに」
黙っててごめんなさいと、強張った笑みを浮かべて謝る。
まさか脅迫状を送ってくるとは思っていなかった。
お父様が尋ねるように、警備隊長を見ると、聞いていないと首を振って返事をする。
「自己判断しないでください。危険です」
「相手が本気だったら、どうするつもりだったの」
警備隊長も、お母様も、口々に詰め寄って責めてくる。
気付けば、全員に取り囲まれていた。じりじりと後ずさりしながら、まあまあと両手を出して宥める。
すると、アンが庇うように私の前に進みでると、ふかぶかと頭を下げた。
「申し訳ございませんでした。大丈夫だと判断したのは私です。全ての責任は私にあります。どんな罰でも受けます」
「アン……」
もし本当に誘拐されていたら両家に、汚点を残すことになっただろう。
最悪、私が危害を加えられていたかもしれない。
しかし、誰もアンを責めなかった。
アンが私に対して誠心誠意尽くしてくれるしてくれていることは、みんなが知っている。
アンに向かって皆が、仕方ないことだと首を振る。
ラブレター送ってきただけでは罪にはならない。
「もういい。頭を上げなさい。ロアンヌが無事なんだから、今回は不問としよう」
お父様が、そう言って手を払う。
「ありがとうございます」
「だが、二度と勝手に判断するな。分かったな」
顔を上げたアンに向かってお父様が、指を振る。
「はい。肝に銘じます」
アンが、また頭を下げる。
「アン」
ロアンヌはアンの手を取って頭を上げさせる。良かったと抱きしめる。
犯人の手掛かりを探そうと、手紙を読み始めるとみんなが険しい顔になる。レグールの顔が般若のようだ。今にも殺しに行きそうだ。
確かに、自分の婚約者宛のラブレターなんだから、気持ちのいいものではない。刺激しないようにしよう。
「内容が最悪なのは、トラフォード
だけど。犯人は文字から見て、このルーカスって子じゃないの?」
お母様の意見に同意するように皆が頷く。脅迫状と手紙を見比べていた警備隊長が、二つを並べて同じ綴りのところを指差す。
「私もそう思います。これを見て下さい」
皆がそれを見て犯人で間違いないと確信した。
「ルーカス。……ルーカスって、ローウエン家の次男坊か?」
思い出そうと眉間にしわを寄せているお父様に、執事が答えた。
「 はい。今年で17歳になります」
17歳。私より一つ下だ。
会ったこともないのに随分情熱的だ。
「じゅ、17! どうりで ジジイ扱いするわけだ」
レグールが驚いて大声を出す。十歳も間違えば、子供だ。
「まだ成人にはなってない子供じゃないの」
「いったい、ローウエン伯爵は、どんな教育をしてるんだ」
お母様もお父様も呆れる。
子供の悪戯とはいえ、こんな文を書くとは世も末だと首を振る。
だけど、本当に悪戯だろうか? 疑問を感じる。今まで読んだ内容からすると、思い込みが激しい性格だと読み取れる。得てしてそういう人は 本当に考えたことを実行しがちだ。
それにしても、何かが引っかかる。( ……… )
その理由を探ろうと顎を指で支えながら、どんな内容だったか思い出そうとしていた。
コンコン。
ところが、ノック音に考えが中断される。
*****
炭を作るための木材置き場の小屋の前で、ルーカスはお湯を沸かしていた。
ロアンヌ様を隠すのに、この場所ほど最適な場所はない。 ここへ向かうための道はない。見るのは木々だけ。こんな山奥なら誰も見つけられない。
今は時期ではないから、場所を知ってる炭職人もこない。
だが、こんな掘っ立て小屋でロアンヌ様に一夜を過ごせたかと思うと 男として情けない。
だから、他の所で挽回するつもりだ。
ホテル並みとは言えないが、それと同じくらいのサービスをする予定だ。
ボールにお湯を入れると湯加減を確かめる。大切なロアンヌ様に粗相があっては大変だ。
タオルをかけてボールを持ち上げる。すると、金で雇った用心棒の一人が扉を開ける。
(粗野な人間かと思っていたが、意外に気が利く)
拐うだけなら一人でも、なんとかなっただろう。
しかし、ロアンヌ様に快適な生活を送ってもらうためには、準備する品物が多すぎて一人では無理だった。
中に入ると毛布に包まれたロアンヌ様が 藁のベッドで寝ている。 板壁の隙間から差し込む朝日を受けて、髪がキラキラと輝かせている。
まさに "ブロンドの女神" だ。
*****
ドアが開いて入ってきたのは、ディーンだった。
みんなの目がディーンに向けられた。その視線にたじろぎ、おどおどしながら近づいてくる。
(あれ? 様子が変だ)
私たちの視線を避けている。いつもは見習い騎士として、きびきびしているのに。
「ディーン。どうした。何か用か?」
お父様に尋ねられて、口ごもりながら話す。
「じっ、実は……さっ、昨夜から、クリスが帰ってないみたいで……」
曖昧な言い方に眉をひそめる。
クリスのことなら、何でも知ってるはずなのに。
「えっ? クリス、帰ってないの」
無断外泊? でも、城の外に友達はいないはず。友達は、私とディーンだけだ。
それなら野宿?
でも、虫嫌いで、絶対外で寝ないのに、どういう事だろう。
「ロアンヌのことで、頭が痛いのに。クリスまで……」
「すっ、すみません」
「どうして、もっと早く気づかないんだ」
お父様が、うんざりしたように窘める。
「そっ、それは……昨日は……荒れててて……」
そう言って私たちにを盗み見る。
私達? キョトンとしてレグールと顔を見合わせたが、全員がその意味を理解した。 クリスが、私とレグールとの結婚を止めさせようと、ありとあらゆることをしたことを知っている。
((((( あぁ~ )))))
拗ねるんだ。
頭が痛いとこめかみ押さえる。
どこかに隠れて、私が探しに来るのを待っているんだわ。
時間が無い。早く見つけないと。
どうやって探したかな……。
かくれんぼをした時のクリスの姿を思い浮かべる。
どこに隠れても、金色の髪の毛がキラキラと……。
「ブロンド……」
私がそう口にした瞬間、やれやれという雰囲気が漂っていた執務室が、不穏な雰囲気に変わる。
ある可能性に考えに至った者が一人、もう一人と、増えて行き、お互いに、まさかと思いながら視線を送り合う。
それに気づいたレグールが怪訝そうに見回す。
「何だか、空気が変ですけど……」
「もしかしたら、クリスが私の代わりに拐われたのかもしれません」
そう言うとレグールが ポカンと口を開ける。 でも、合ってる。
ルーカスからの手紙には、"金髪に空色の瞳" が綺麗だと書かれていた。
「クリスは男ですよ。胸だって平らだし、ロアンヌとは髪の色も違うし、似ても似つかないじゃないですか」
だけど、誰も頷かない。よくあることだと納得している。クリスを私だと勘違いしてる人は多い。
周りの反応に憮然とした顔でレグール
が、お父様たちを見据える。
「皆さんは、本当にクリスがロアンヌのは代わりに、拐われたと思ってるんですか?」
すると、皆がレグールの質問に次々と返事をする。
「多分、 間違いないだろう
お父様が肩を竦めて答える。
「クリスしかいないわ。 こんなことに巻き込まれるのわ」
お母様が、頭をかかえながら諦めたように返事をした。
「手紙に書かれていることを総合的に判断すると、クリスです」
警備隊長が手紙の山を指しながら言う。
「全く、いつまでお嬢様に迷惑をかければ気が済むのか……」
アンが首を左右な振りながら言う。
「どうりで、帰ってこなかったわけだ」
ディーンが確信した様に答える。
全員が私と間違えて犯人がクリスを誘拐したと結論を出すと、レグールが信じられないと 両手を振り回して不満をぶちまける。
「どうして、そんなことになるんですか! おかしすぎます」
「「「「「 ……… 」」」」」
全員が黙り込む。
私の代わりに怒ってくれるのはレグールだけだ。
この城では私がクリスと比較されることで、傷ついていることを知っているので、口にしない事が暗黙のルールとなっていた。
だけど私の心は凪いでいた。
" 愛されている" その事が自信となって、昔の苦い気持ちがせり上がってくることは無かった。
家族以外の人からの愛を自覚する事は、人生において大切な事だ。
返事をしない皆を睨みつけているレグールを、宥めようとその手を取ると優しく叩く。
「仕方ないんです。私よりクリスは綺麗だから、小さい時から、しょっちゅう間違われてました」
「「「「 っ 」」」」
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