女子ばっかりの中で孤軍奮闘のユウトくん

菊宮える

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女子とクレープ

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 僕は今、彩香ちゃんと電車に乗り、吉祥寺に向かっている、理由は彩香ちゃんの買い物に付き合うため・・な、はずなんだけど、彩香ちゃん的にはこれはもうデートとして認識されてるようで、さっきからずっと彩香ちゃんは周囲の目も気にせず、僕にベッタリとくっついて離れないでいる、車内はなかり空いてるのに僕の前だけ異様に狭く感じるし、気のせいか妙に暑い・・・

「ねぇ、ユウトく~ん、暑いの? おでこに汗、拭いてあげるね」
 といって彩香ちゃんは自分のハンカチで僕のおでこの汗を拭いてくれる。
「あ、あぁ、ありがとう、冬なのに汗なんておかしいよね、アハハ~」
 冬とはいえ、暖房されてる車内だし、これだけ接近、いや密着してれば暑くもなる・・
「ううん、いいの、ユウト君の汗を吸ったわたしのハンカチ、もう舐めちゃいたいくらい愛おしいわ、これ絶対洗わないようにするね、ウフッ」
「え? そ、それはいくらなんでもダメでしょ・・ちゃんと洗ってね、なんだったら僕が洗って返そうか?」
「いいわ、このハンカチは今この瞬間、わたしの宝物になったのよ、絶対洗っちゃダメ!」
「宝物? 絶対?・・」
「そう、宝物で絶対よ」
 そこまでで、僕はハンカチについては諦めて、彩香ちゃんの好きにすればいいと思うようにした・・・

 そうこうしてるうちに電車は吉祥寺に到着しようとしてた・・・
『まもなく吉祥寺、吉祥寺です、お出口は右側です』<車内放送
 人工的な声で車内放送が吉祥寺着を告げてきた。 
ゴトンゴトン・・ピコンピコン、シュ~

 まず僕たちは北口へ出た、まぁ吉祥寺で買い物となれば北口に出る人のほうが多いんじゃないかなって勝手な思い込みもあったり、彩香ちゃんも自然な流れで北口に歩を進めてたこともあり北口に出た・・・

「やっぱり吉祥寺は人が多いわね~、なんかワクワクしちゃう、ユウト君もワクワクしてる~?」
「え? まぁね・・」
「ん~? な~んかテンション低いね、もしかして人多いのって苦手だったりしちゃうのかな?」
「実はちょっと苦手っぽい・・」
「そうかぁ、じゃあ、他へ行く?」
「いやいや、いいよ、人が多いのはちょっとだけど、彩香ちゃんと一緒だから大丈夫だよ」
「えぇ~、わたしと一緒ならいいの~? それメッチャ嬉しいッ! やっぱユウト君だ~いスキッ!!!!」
 って言って駅前という人の多い場所ということなんてまったく意に介さずって感じで彩香ちゃんは僕に抱きついてきた!
「えぇ~ッ!? ちょ、ちょっと彩香ちゃん、ま、マズいよ駅前でそんな、人が見てるって・・・」
 抱きつかれた僕が焦りまくってるのに、抱きついてきた彩香ちゃんはまったく焦りも照れも無い様子で・・・
「いいじゃな~い、ラブラブなわたし達をみんなに見てもらいましょうよ~、ウフフ」
「そんな~・・・」
 僕たちの脇を行く女の子からはあからさまに笑われたし、男性の視線からは敵意のような殺気のようなものも感じちゃった・・・
(うわ~、めっちゃヤバいでしょこれ・・・早くここから移動しなきゃ・・・)

 いきなり駅前で抱きつかれて少々パニくった僕は、目的もなく彩香ちゃんの手をとって雑踏の中へ自身の身を隠すかのように歩を進めた。
「ちょ、ユウトく~ん、どうしたのよ~?」
 僕は彩香ちゃんの声も気づかないくらい夢中で雑踏の中を進み続けた。
「ねぇ、ユウトく~ん、ちょっと待って、止ってよ~!」
 ここでやっと彩香ちゃんが止ってと言ってるのに気づいて、足を止めた。
「あぁ、ゴ、ゴメン・・」
「ねぇ、ユウトくん、いきなりものすごいスピードで進みはじめちゃって、どうしたの?」
「こ、これは・・え~と~、さっき、僕たちの周りの男の人たちが僕たちを睨みつけて、危険に思えて、つい・・・」
「あぁ、わたしがユウトくんに抱きついてるのをみて、ヤキモチ焼いてたオスたちがいたのね、そういう奴らには見せつけてやればいいのよ、ウフフ」
「えぇ!?オ、オスって?・・・それに見せつけるって、そんなの危険だよ・・」
「でもまぁ、もういないし、安全よね・・そうだちょうどそこにクレープ屋さんがあるわ、デートっていえばクレープじゃな~い? ユウト君もクレープ食べるでしょ?」
 唐突に話題が変わった、女子って思考が柔軟過ぎ・・・でもそれに必至についてく僕!
「あぁ、クレープ美味しそうだね・・」
 いつも和樹とつるんでる僕がクレープなんて食べたことなんてある訳ない、でも、ここは彩香ちゃんと一緒だし、男子の僕がクレープを食べてみられるチャンスかもしれない、そう考えて人生初のクレープを買うことにした・・・
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