女子ばっかりの中で孤軍奮闘のユウトくん

菊宮える

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クレープの味

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 彩香ちゃんの買い物に付き合って吉祥寺に来た僕、そこで人生初のクレープを女子と食べることになった・・・

>クレープ屋の前
「ユウト君はどれが好き?」
「え~と、クレープなんて初めてだからちょっ判らないかな~・・」
「えぇ~、クレープ初めてなの~? ホント~ッ!?」
「うん、だって男子には合わないし・・」
「男子ってそうなのね~、まぁ、確かに男子がクレープ買ってるの見たことないし合わないかも・・でも、今日はデートだし、彼女と一緒にクレープ買っちゃう男の子、う~ん可愛いッ!!!」
「か、可愛いって・・」
 僕の反応なんてまったく眼中ない彩香ちゃんはもうメニューを手に取っていて・・
「え~とねぇ~、わたしのおススメはこれっ! 美味しいよ、たぶん・・・エへへ」
 と言って彩香ちゃんの指さしたのはたっぷりクリームにイチゴやらメロンやらがしこたま乗った色鮮やかな、いかにも女子ウケしそうなやつだった。
 フルーツてんこ盛りだけあって値段も結構なお値段、しかし、女の子の手前、ここでひるんでは男子としての体裁というか面目が立たない気がしたぼくはヤセ我慢全開で・・・
「あぁ、美味しそうだね、それいいんじゃない!」
 とやや声が裏返り気味だったけどそれを注文、続いて彩香ちゃんは何を注文するのかとみていると、ごくごく普通のホイップクリームにチョコクリームをトッピング、それに細かい粒チョコとちょっとコーンフレークを乗せた、あんまり派手さの無いヤツをオーダー。
(ん~、女子なのにあんなに質素なヤツ?)

 ちょっと待ってると注文のクレ―プが出来上がってきた。
「お待ちどうさま~、どうぞ~」
「は~い、ありがとうございま~す」
 と言って彩香ちゃんはてを伸ばして、店員から二つのクレープを受け取り・・
「は~い、ユウトく~ん」
 って言いながら、普通に渡してくれるのかと思いきや、なんと!
「は~い、ア~ンして~」
「えぇ~ッ!?」
「わたしが食べさせてあげるから、おくちア~ンして~」
「おくちア~ンって!? いいよ、自分で食べられるよ!」
 クレープ屋の前でいきなりのおくちア~ン、さすがに高校生でそれは恥ずかし過ぎでしょ! って感じに言っても彩香ちゃんは聞く耳なし!
「イイの! ここはクレープ屋さんの前、そしてわたし達は彼氏彼女、ここまで揃ってるのよ、彼女におくちア~ンしてもらってもちっとも変じゃなし、恥かしがることでもないわよユウトく~ん、な~の~で~、は~いア~ンして~」
 今の彩香ちゃんには周囲が全く見えてないような感じ、もうこなったら僕もヤケだ! ということで彩香ちゃんに言われるまま口を開けて・・・
「あ~ん」
パク! モグモグ
「んっ! 甘くてウマい!!」
 僕のこの反応に彩香ちゃんもニンマリして
「でしょ~、クレープってこの甘さがたまんないのよね~」
 って言いながら、僕のかじったクレープを自分で頬ばってる!?
「えっ!? そこ僕の食べたところだけど・・」
「そ~? だったら間接キッスしちゃったね、ウフッ」
 とわざとらしいことを言いながら、今自分が口にしたクレープを僕に渡してきた。
「そこ、いまわたしが食べたところ、ユウトくんもそこ食べてくれたら、ユウト君も間接キッスだよ、そこ食べてくれると彩香、嬉しいな・・・」
 僕はそれを聞きながら、渡されたクレープに残ってる彩香ちゃんの食べた場所を見る。
(彩香ちゃんは僕の食べたところを食べてくれた、なら僕も彩香ちゃんの食べたところを食べないと彩香ちゃんに恥をかかせることになるかも・・・ヨシッ!)
 僕は意を決してクレープの彩香ちゃんの食べた場所をガブリ!
(甘~い、んっ!!???)
 僕の口の中にさっきとは違う甘味とは違う感じが拡がってくるのがはっきりわかった。
(なんだこれ?)
 彩香ちゃんの差し出したクレープは普通に甘いはずだった、さっきまでは・・しかし、今口にしたクレープからは甘さの中に何か苦みと言っていいのか判らないくらいの雑味のようなモノが遠くにあって濁ってるように感じれた。
(さっきと同じクレープなのに、なんか濁りでもあるみたいだ、なんだこの違いは?・・)

 僕はただのクレープの味に妙な違和感を感じたけど、彩香ちゃんは変わらずニコニコして僕を見ていた・・・
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