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トラウマ
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しおりを挟む「え!?」
一人ポツンと取り残された威が、驚きの声を上げるのを背後で聞きながら、追いかけてこられないように歩く速度を上げる。
行き過ぎるサラリーマン達を見ると、じわじわと汗ばむ季節になっていたが、体がすぅっと冷えていくのがわかった。
全く知らない男が傍に寄ってきた時など、寒気がした。
あの日から心穏やかに生活できたことなどない。なんとか学校には行っていたが、犯行場所が自らの教室だと言うこともあり、居心地がいいとは言えなかった。
「葉!オレもこっちから行く」
駆け足で近づいてきた威に一瞥をくれ、歩くスピードを速める。
「なぁ!なんか怒らせるような事したか!?」
「…いや」
「亜矢子の事か?あいつの事で怒ってるのかよ」
しつこく付きまとわれた上、全く関係ない名前まで出され、イラッとして怒鳴り返す。
「関係ない!もういい加減にしてくれっ!!」
どんっと威を突き飛ばした瞬間、世界が回って暗転した。
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