放課後教室

Kokonuca.

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戒め2

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 しゃくりを上げながら、視界を奪い続ける目隠しを外し、パタパタと落ちる涙を拭った。 

「…う…ぅっ…」 

 自分の体に、赤いラインが見える。 

 ほっそりとした体に、PPテープの光沢のあるラインが亀甲状に食い込んでいた。 

 起立したままイク事も許されず、根元と袋を縛り上げられたモノには蝶々結びがされていた。 
 腰の奥に留まり続ける射精感に、そのテープをほどこうと手を伸ばした瞬間、授業終了を告げるチャイムが鳴り響いて、思わず飛び上がる。 

「……」 

 蝶々結びの端を掴んだ手を離し、唇を噛む。 

 ほどくと、あの男は…フェネクスは気づくかもしれない… 

 服を着ようと便座から立つとナカに入れられた何かがごろりと動き、腸壁を刺激して快感を脳へと伝えた。 

「…やっ…っっ!」 

 ジリジリとした痛みがきつく縛られたモノを責め苛む。 

 よたよたと壁に手をつき、その苦しさに上がった息を整える。 


 …ぴ…ぴぴ… 

 あの呼び出し音だった。 
 慌てて服の中から携帯を出し、確認すると 

 『長谷二、ソコニ 
  イルッテ 
  教エテ上ゲタヨ』 

「────っ!」 

 メールを読み終わったのと、トイレの軋む音がしたのは同時だった。 

「葉?ここにいるのか?」 
 威の声に、どきりと胸が脈打つ。 

 かしゃん… 

「あっ」 

 震えた手から滑り落ちた携帯が音を立て、威にここに葉がいると教えた。 

「ここか?…腹の具合そんなに悪いのか?」 

 足音は個室の前まで来ていた。 

「大丈夫か?」 

 優しい声がそう尋ねかけてくる。 
 自分を本気で心配してくれている威の声と、卑猥な形に縛られた自身の体の不釣り合いさに悲しくなってうつむく。 

「………もう…大丈夫…」 

 言葉が震えないようにそれだけをなんとか絞り出した。


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