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告白
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しおりを挟む背筋を駆け上がる悪寒にも似た気持ちよさに、よろめいてドアノブを握りしめる。
縛られ充血した先端が、布地に擦れて痛みを訴える。
「…っ!」
息を整え、トイレのドアノブを握り直して外へ出ると、ぼんやりと外を眺める威がこちらを向いて心配そうな顔になった。
「具合は?薬もらってこようか?」
「…大丈夫」
そう言ってなんとか笑って見せたが、上手く笑えている自信がなかった。
案の定、威は首を振る。
「顔色良くないな。下痢そんなにひどいのか?」
手を振ろうとしたが、その振動でモノが擦れて小さく呻く。
「葉!?」
血相を変えた威が駆け寄り、肩に手を置かれて動揺する。
少し手がズレれば、体に食い込むテープに触れる位置だった。
…いやだ
顔を覗き込まれ、視界が涙で滲む。
いやだ!
「ほっといてくれっ!」
「葉!?」
威を突き飛ばし、立ち去ろうとしたがそれができずにしゃがみ込む。
「…ごめんな」
困ったように立ち尽くしていた威が、そう呟くや否やさっと葉人の体に腕を回して軽々と抱き上げた。
「た…たけ…」
「ごめん…やっぱり保健室行こう……それで……」
寂しそうな、少し傷ついたかのような顔で葉人を見る。
「…調子が落ち着いたら、嫌だった事教えてくれる?」
「え?」
「なんか…怒らせてるみたいだから…」
威にお姫様の様に抱き上げられながら、葉は小さく何度も首を振る。
「…ちが……ごめん…」
背中に回された手が、いつ紐に気づくかと心配しながら、それでも自分をしっかりと抱き上げる威の胸に頭をすり付ける。
「どうした?」
「…うぅん……ごめん…」
階段を降りる振動に小さく呻くと、威はおろおろと困ったような顔をして葉人を覗き込む。
色素の薄い葉人の瞳と違うその黒い目に、自分はどう写ってるのかと言う考えが過り、つぅ…と一筋涙が零れる。
「葉!?もうすぐ保健室だからな」
零れ落ちる涙に血相を変えて、威は保健室へ行くスピードを上げる。
「…うっ…ぁ」
「ごめんな、すぐだからな」
ナカに入られたモノが振動で動き、腸壁を擦り上げて前立腺を刺激する。
そこから生まれる射精感に、葉人は威にしがみついて小さな悲鳴を上げた。
「…葉…?」
ゆっくりと歩調を緩め、威は葉人の背中に回した手を、何かを確認するかのように動かす。
「…や…っ下ろして!」
その手の動きが、確実に体に食い込んだPPテープを追っているのに気づき、葉人はさぁっと血の気が引くのを感じた。
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