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嘘1
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しおりを挟む「…あんた達やっぱりデキてたんでしょ」
にっこりとした亜矢子の顔しか見たことのない葉人は、その表情が恐ろしくて目を伏せた。
「…ちが……オレ達、男同士…だよ?そんなこと…」
「信じるわけないでしょっ!…っ前からもしかしたらって思ってたのよっ、いっつもいっつも葉人葉人って!」
「本当に…違っ……いっ…!!」
亜矢子は逃げようとする葉人の手から携帯をむしり取り、
「この中だって威とのメールばっかりなんでしょっ!バカにしてっ!!」
そう金切り声を上げて校舎の壁へと、携帯を投げつける。
「あっ!!」
壁に当たってパキッと音を立てた携帯を拾おうとした瞬間、ひゅっと耳の傍を何かが掠めていく。
──パァンッ!!
「っ!」
頬にじんわりと広がる痛みに、亜矢子に頬を叩かれたのだと理解した瞬間には、返す手で反対側も叩かれていた。
──パァンッ!!
「ぅっ!」
「許さないからっ!」
胸ぐらを掴まれ、校舎へと叩きつけられて低く呻く。
「私から威を盗ったこと、絶対に許さないからっ!!」
「ぅ…っ……」 振り払うこともできず、葉人は呻きながら首を振った。
「…ちが……オレ、と…た…けるは…っちがう!」
「嘘ばっかり!!」
締め上げられる苦しさに、朦朧となりかけたとき、亜矢子の悲鳴が聞こえた。
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