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屋上
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しおりを挟む「これで、以前にあいつが送りつけたのと、昨日俺が送った物以外はなくなったわけだ」
その言葉のどこまでを信用していいか分からず、葉人は戸惑いながら司郎を見上げるしかできない。
「俺の携帯も見るか?パソコンは持ってねぇよ」
手渡されたメタリックレッドの携帯をじっと見つめ、開くことなくそのまま司郎へと返す。
「………オレが、約束を反故にしたらどうするんですか?」
「あ?」
「アレが人目に晒されなくなったら、オレにはあんたに抱かれる必要がなくなるって……わかってますか?」
面倒そうに顔をしかめた後、司郎は持っていた煙草を投げ捨て、踏み潰してから言った。
「脅すネタなんかいらねぇだろ」
「………まだ…どこかに持ってるんでしょ!?それでまた…脅すんじゃ…」
司郎の服を掴みながら首を振ると、不機嫌さに更に拍車をかけたかのような声が漏れる。
「しつけぇな…」
「…っ!?だ、だって……っ」
「あんなもんなくても、お前は俺にマタ開くだろ?」
「なんだよ…それ!」
服を掴んだ手に力を込めると、手首を取られてあっと言う間にフェンスへと押さえつけられる。
「いっ…」
「あんな、コッチまでヤバくなるようなもん持っててどうすんだ?脅すなら他にもあるだろ?」
フェンスに縫い付けるように、司郎が体を擦り寄せる。
「羽鳥がどうなってもいいのか…とかな?」
「!?」
「やろうと思えばできるんだ。やらない俺ってヤサシーだろ?」
ペロリと首筋を舐められて身をすくませると、司郎はその反応が楽しくて仕方ないと言わんばかりの笑い声を上げた。
「怯えてるヤツとヤるより、楽しんでるヤツとヤる方が気持ちいいだろ?」
「………オレが、進んで抱かれるって言うんですか?」
喉の奥で笑ったまま、司郎は何度かうなずいて見せる。
葉人はそんな司郎を睨み付けながら、首を振った。
「違う!誰が好き好んで……」
「ホントか?」
煙草の臭いをさせた唇の端が、ゆっくりと持ち上がる。
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