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後輩
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しおりを挟む髪についている水滴の玉を払い落とし、校舎の中へと入る。
「結構濡れたな」
雨が滲んで薄く透けたシャツを持ち上げ、自嘲気味に笑う。
葉人が階段を降りようとした時、下からガヤガヤと声が聞こえてくる。
「?」
4、5人の団体が階段の踊り場に姿を見せた。
首から1年生を表す緑のネクタイが下がっているのが見える。
「違うだろ?…だって…」
「…でさー」
「あっ」
一人がこちらに気がつき、声を上げた途端、その集団の会話が止んだ。
一応2年生である自分が顔を見せたせいだろうな…と考えながら声を駆ける。
「屋上?」
「は、はい」
「雨降ってるよ」
濡れた制服を見せながらそう言うと、1年生の団体は顔を見合わせ、
「じゃあ止めとくかぁ」
「ありがとうございまーす」
など、様々なことを言いながら階段を降り始めた。
団体の一人が立ち止まり、やけに丁寧に頭を下げる。
「?」
「…失礼します」
知った顔ではない。
友達に置いていかれてまで頭を下げられる理由が分からず、葉人は首をかしげた。
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