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空白
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しおりを挟むザァっと音がして冷水が降り注ぐ、葉人は心臓を止めんばかりの衝撃に思わず仰け反って壁へとぶつかった。
後頭部の鈍い音と痛みにうずくまり、涙目になりながらぐっしょりと濡れた自分を見下ろす。
「…はぁ?」
ザァザァと降り注ぐシャワーはお湯へと変わり始めている。
辺りを見回し、葉人は自分の家の風呂場だと言うことに安堵した。
それと同時に、どうしてもわからないことを口に出す。
「なんで…風呂場に…?」
寝ぼけたのかと思ったが、それにしても服のままシャワーを浴びるなんて考えられなかった。
水を含んでぐっしょりと重さを持つ服は、楽な部屋着ではない。
自身のことだと言うのに、自分の記憶にある服装と今の服装が違う理由が分からず、葉人は頭を振った。
「…なんで?…」
呟くが、やはり状況がよく分からず、とりあえず濡れてしまった服を脱ぐべく立ち上がろうとした。
鈍い腰痛に襲われて腕をつく。
「え?」
とろ…
秘部から流れ落ちるその馴染んだ感触に、葉人は慌ててベルトを外して下着ごとズボンを下ろす。
糸を引いて、ナカから赤い血の混じった白濁液が伝い落ちてくる。
「っ!?なんで!?」
それが何かはすぐにわかる。
けれど誰のモノか分からず、茫然としながら太ももを伝うそれをすくいとる。
湯に当たり、不透明な白になりながら流れていくそれを見てながら、葉人はその場に長い間座り込んでいた。
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