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空白
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しおりを挟む「せんぱ…何言って…」
親指が、葉人の唇を優しくなぞった。
「そう思え。お前を脅したのも、お仕置きって言ってレイプさせたのも、全部俺だ」
「違う!先輩じゃないっ!」
「俺だ」
口付けされた後、ぎゅっと抱きすくめられる。
「違うっ!嘘が聞きたいんじゃないんですっ」
「…あいつを甘やかして、あんな風にしたのは俺だ。憎いと思うなら俺を憎め。勝手なことを言うが…あいつのことは忘れてくれ」
「先輩はあいつじゃない!」
苦悩を表すように、司郎の眉が寄る。
「お前をレイプして、脅して体の関係を迫って。…やってることはかわんねぇだろ!?だから…憎むなら俺を憎んでくれ」
「っ…わけわからないっ!!」
自分を抱きしめている腕を振り払って睨みつける。
「あんたがそこまで庇う意味がわかんないっ」
「……すまなかった」
両手をつくと、司郎はその身を屈めて頭を下げた。
「…な…何やってるんですか!土下座なんて…」
「俺を、憎んでくれ」
言葉を搾り出す司郎の顔を上げさせようと手を伸ばすが、振り払われる。
「…っ」
「頼む」
「……や…いやです!先輩を憎んだって、あいつが消えたわけじゃない!またいつ襲われるか…びくびくしなきゃならないっ!」
「…」
「そんなのは嫌だっ」
何とか上げさせた司郎の顔は、情けなく歪んでいた。
「あんたのことだって…許してるわけじゃないっ!あんた達にあんなことされなきゃ、威の傍にいれたんだ!フェネクスも…あんたも…人の人生なんだと思ってんだよ…」
苦しげに言い放ち、その胸に拳を振り下ろす。
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