放課後教室

Kokonuca.

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 パソコンの画面に、荒い画像が映る。 
 逆光の中、椅子に座る男の前に跪く影。 
 微かに漏れ聞こえてくる水音と喘ぎ声。 


 それを見た途端、胃袋がぎゅっと縮み上がり、先程飲まされた物が苦くせり上がってくる。 

「ぁ…っ……な…なんで…」 
「雰囲気あって、いいよね。これ」 

 どこか他人事のように言う光彦の横顔が、恐ろしくて目が離せない。 

「…っく………」 

 じわり…と、喉の乾きを感じて唾を飲み下す。 

「他も見てみるかい?」 

 そう言ってマウスに手を伸ばした。 

「や…っやめっ……」 
「君は俺のだよ」 

 ひんやりとした銀縁の眼鏡の奥で光彦の瞳が鈍い光を放つ。 

「離さないから」 

 温かい手に触れられた筈なのに、氷が当たったかのような悪寒を感じて飛び上がる。 
 ふふ…と小さく笑い、光彦が手首をつかんで葉人を押し倒した。 

「ほら…これはー……君が初めて来た時のかな?」 

 顎を捕まれてそちらに無理矢理向かされると、今自分が繋がれているベッドに眠る自身がみえた。 

 かちり…ぱたん…と音がして人影が画面の端に現れる。 
 やがてその人物は、寝入る葉人の体に手を伸ばして触り始めた。最初はおずおずと躊躇いがちだったけれど、次第に服の中へと手を入れるようになっていく。 
 けれど、そこまでされても、画面の中の葉人はぐっすりと眠り込んでいた。 

「どうして…?」 

 疑問の言葉しか出てこない葉人の唇を光彦が塞ぐ。 

「あの媚薬も、この睡眠薬も、どうしても苦味だ出てしまうのが難点なんだ…君が気にしないでくれて助かったよ」 

 まるで服の趣味を問うかのように言われ、葉人はぶるりと大きく体を震わせる。 

「…オレ、先生の事……信じて…」 
「うん?…うん、それはすごく有り難かったよ。あんなことがあったからかな?君は酷く不安定で、俺の事をすぐに受け入れてくれた。志方達が何をやらかすか、見守っていて正解だったよ」 



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