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豹変
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しおりを挟む「や…」
振り払い、閉じかけたドアを押し戻す。
「たけ……った…」
「バカか!?そんな格好で追い掛けられる訳ねぇだろ?」
怒鳴り付けてくる司郎に首を振り、自分を押さえようとする手を払った。
二度、三度払われた後、司郎はむっとした顔で身を引いた。
「…わかった。行きたきゃ行け。ただし、犯すぞ」
「っ!?」
「俺に背を向けた瞬間、その細っこい腰掴んでヤりまくってまる」
冗談とも、本気とも分からない司郎の表情に気圧されて体の力を抜く。
「…あの……本気…ですか?」
怯えた目を向ける葉人を、司郎はくしゃっと笑って抱き寄せる。
「んなワケねぇだろ。今はもうクタクタだ、あいつが帰ってくるまで大人しくしてろ」
「でも…オレ……」
何か言おうとする葉人をぎゅっと抱き締めてその耳元で囁く。
「昨日のコウロウシャにごほーびくらいくれてもいいんじゃないか?」
「え!?」
「一晩中、お前を慰め続けたのは誰だと思ってんだ?」
色々な液体にまみれ、しっとりと重さを増したシャツをつまみ上げ苦笑する司郎を前に、葉人は項垂れて視線を膝に落とした。
結んだ拳の下で、縄に縛られた痕が見える。
その脇にこびりついた白い残滓が、朧気ながら体と脳に残った出来事を思い起こさせる。
ぶるり…と背筋が震えた。
「…オレ…は…、せん…せは…」
その震えに気づいた司郎がぎゅっと葉人を抱き締める。
「あいつとの事は…忘れろ…」
「せんぱ……知って?」
不安に揺れる目で見上げられ、司郎は気まずそうに唇を引き結び、ややあってからぽつぽつと話始めた。
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