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裏切り
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しおりを挟むぱさ…と音がして布団が葉人にかけられる。
「俺は……なんか今日の葉人は、葉人じゃない気がするから……」
真っ赤な顔と荒い息の下から続ける。
「…だから、俺はしないよ。悪戯して…ごめん」
ふ…と体の力が抜けた気がして壁に背を預ける。
「ご…ごめん……」
やっと自分の意思で言葉を喋る事が出来た気がした。
「オレの方こそ…ごめん」
そう言うと、そそくさと身なりを整えていた千秋がまだ赤い顔で葉人を見て笑う。
「あ、なんかやっといつもの葉人だ」
「…なんか…変でごめん」
「……悪戯の仕返しだってことにしといてやる」
それに…と続ける。
「葉人に何かシタとかばれたら、威に殺されるし」
「威…に?」
「………知らない?威が葉人に手を出そうとしてた奴をしめた話…」
「…なに?それ…」
「んんー…幼馴染を守ってただけかなぁって思ってたけど、そう……じゃないんだな?」
「え!?…あっ……これは…」
布団から出ていた肌を隠す。
「ま、喧嘩してるよりいいよ」
そう、はは…と笑う千秋をぼんやり見ながら、葉人はふと司郎の身を案じる自分がいる事に気付きそうになって慌てて首を振った。
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