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裏切り
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しおりを挟む「…あ、…そか…」
体中が浮腫んでいるかのような、熱を持っているかのような奇妙な状態だった。
汗をかいていたのか、全身が酷くじっとりとしているように思えた。
「……」
息を詰め、何も音が聞こえない事に気付き、そう言えばおぼろげに千秋達の声が聞こえていたような気がしたのを思い出した。
思い出してしまうと、ほっと全身の力が抜ける。
「…っ……はぁ」
吐き出す息もどこか熱い。
葉人はいまだぼんやりしそうになる頭を軽く振ってから、水を貰うために立ち上がった。
「…たけ……」
名を呼び掛けてはっと口を押える。
もう時計は深夜近い、ただ水を貰うだけに寝ているかもしれない威を起こすのは憚られた。
威の部屋をそっと抜け出してキッチンのある方へと向かう。
「――――」
テレビの声かと思い、葉人は威が起きているのだと思ってリビングに足を進めた。
「…そう」
それがテレビの声ではなく、威が誰かと喋っている声だと気付いたのは真っ黒な液晶画面に自分が映っているのが見えたからだった。
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