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学校
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しおりを挟む「飲むなよっ!!」
「いっ…痛いって!だって…」
続けようとした言葉を出す前に威にぎゅっと抱きしめられた。
肺の空気が一気に出て行くような抱擁に苦しさを感じて身じろいだ。
「ちょ…苦しいっ」
はぁー…と深く息を吐き、威は「何で飲むかなぁ…」と呻いた。
「…その方が嬉しいかなって…」
「いや…そうじゃなくて……」
真っ赤な顔をした威がぐったりと床に座り込む。
「俺達、話し合いしてたんだけど…」
情けない、捨てられた子犬の様な表情でこちらを見上げ、がっくりと肩を落とす。
葉人ははだけた前を掻き寄せながら床に降りると、ぎゅっと威の袖を握った。
「威…ごめんね」
「…それは…」
威の顔が微妙な戸惑いを含んでしかめられる。
「…それは、俺とは恋愛できないって事のごめんなさいか?」
「え!?」
慌てて首を振り、葉人は違うと続ける。
「威に無理させて…威に…辛い思いさせて……あと…勝手に飛び出して」
威の袖を掴んでいた手に更に力を込める。
「ごめん…でも…」
「でも、俺も悪かったから」
力を込めすぎて、カタカタと震え出した葉人の手をそっと握り、緩く首を振った。
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