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学校
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しおりを挟む「そりゃ…嫌……だよな」
苦笑なのか自嘲なのか、威は小さく笑って項垂れた。
「ごめんな」
手が優しく葉人の髪を梳く。
それに頭を預けながらまた緩く首を振ってみせた。
角を曲がろうとした瞬間、出会い頭に人とぶつかった。
どんっと言う衝撃に、ぼんやりとしていたせいだと思った葉人はすぐに頭を下げる。
「ご、ごめんっ」
「――っ」
小さな呻きを漏らした相手を見れば、幸せそうにかつては笑っていた顔に隈を作った亜矢子がこちらを見て立ちすくんでいた。
よろけた拍子に背中が威に触れる。
「っ……何?………わざわざ見せつけて…何がしたいの?」
絞り出される言葉に胃が縮まる思いがし、亜矢子が言った事を否定しようとするタイミングを失った。
噛み締めたために血の気を失った唇がわなわなと震え出す。
「行くぞ」
それを見ても威は顔色を変えない。
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