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学校
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しおりを挟む「でも…」
ぐっと腕を引かれて引きずられるように歩き出す。
「プライドの高い奴だから、変に話すとどんどん恨まれるぞ」
「っ!」
腕を振り払い、
「なんでそんな事言うんだよ!?彼女だったんだろ!?」
「ああ。…誤魔化すためにな」
「誤魔化す?」
つい…と威の手が葉人の頬を撫でる。
「お前と俺との噂が流れそうになったから…」
「え?」
ひやりとした表情に、背筋が凍る。
「そんなの…否定すれば良いだけじゃないか…」
「耳にしたら傷つくだろ?葉を守れるなら、なんだってする」
手が頬から離れ、制服のポケットにしまった。
自嘲気味に笑って肩を竦める。
「他に誰が傷ついたって……かまわない」
その呟きの様な声は、葉人の身を凍らせて掻き消えた。
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