285 / 349
個室
1
しおりを挟む訳の分からないまま一人取り残された葉人は、酸素を取り込んで動くようになった体を引きずるようにして立ち上がる。
体を貫くような痛みは、一歩動こうとする度にきしりと体を責め苛んだ。
「いっ……」
体に残された光彦の白濁の液がどろりと零れ出すのが分かり、その気持ちの悪さに早く処理をしてしまいたいと唇を噛む。
幸いこの校舎は特別教室ばかりで生徒の姿は見かけない。葉人は最も近いトイレへとゆっくりと、壁を伝いながら歩いた。
腰骨に小さな振動が当たる。
リズムからしてメールを受信したらしい携帯電話をポケットから取り出す。
そこには、何通もの威と司郎からのメールがあり、二人が葉人を探しているのが分かった。
二人に、この事を知られたくなかった。
「…ごめん……」
ふらふらとした足取りで、トイレのドアに手を掛けようとした時、内側から戸が引かれ、たたらを踏む様に立ち止まる。
「う…ぁっ」
バランスを崩して咄嗟に目の前の物に抱きつくと相手も驚いたのか声を上げた。
「わぁっ!!」
きょと…と合った目に、再び互いに驚いた。
0
あなたにおすすめの小説
寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる