292 / 349
フェネクス
2
しおりを挟む「……」
指先で通話ボタンに軽く触れる。
押してはいなかったので表示されている番号にかかる事はない。
この状態で軽く十五分は過ぎていた。
司郎の本命。
その言葉がぐるぐると頭の中を巡り、葉人は自室の机に突っ伏した。
「…なんだ…それ」
司郎は自分に対して惚れたと…好きだと言っていた筈なのに、なぜそんな言葉が出てくるのか?
威の冷たい目を思い出してぶるりと震える。
分からない。
「オレ…どうしたいんだ」
威に嫌われたくない。
けれど、司郎が自分以外に気を掛けるのも嫌だった。
司郎は知り合う前からも経験は多そうで…そう言う関係を持った相手も多そうだ。
その事を思うとじり…と胸が焦がれる。
自分の気持ちが何処にあるのかが分からず、葉人は携帯電話を乱暴に閉じて目を瞑った。
0
あなたにおすすめの小説
寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる