295 / 349
フェネクス
5
しおりを挟む「………先輩に…本命がいるって、本当ですか?」
「は?」
思わず裏返った声に、葉人は思わずクスリと笑う。
「フェネクスが…そうだから……庇ってるんですか?」
「いやっちょ…それはないっ!」
そう言い、はっと自分の口も押えて辺りを見渡す。
先程から大声を上げているせいかちらちらと視線が二人に向いているのが分かり、司郎は葉人の手を引いた。
「出るぞ」
「っ……まだ…調べ切れてないからっ出るなら一人で出て下さい!今日はありがとうございましたっ」
拒絶の言葉と、引かれた手を振り払う。
自分で振り払ったはずなのに、温もりが消えた事に葉人の胸につきりと悲鳴が上がった。
「~~~っ………たくっ!…泣きそうな顔で何言ってんだ」
ぐいっと司郎の手が葉人の頭を抱え込む。
「俺の本命はお前だ」
「だ…て……」
ちらりとこちらを見る視線に気付き、葉人は離れようとしたが司郎はそれを許さずにぎゅっと力を込めた。
「ちょ…っ他の人が見てますっ!」
「気にすんな」
「気になります!」
「他の奴にお前の泣き顔見られる方が気になる」
「っ…先輩って、時々恥ずかしい事言いますよね」
かぁっと顔が赤らむのが分かり、葉人は恥ずかしさに身を捩った。
0
あなたにおすすめの小説
寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる