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放課後の教室で…
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しおりを挟む『触っていい?』
は?と思わず眉が寄る。
威とは前後に二つ分、左右に一つ分ずれているから、到底手が届く距離ではない。
葉人は不思議に思って威に振り返ろうとしたが、その前に次のメールが届く。
『今、うなじに触った』
きょとん…と画面を眺める。
「な…に?」
『うなじから、背筋に触った』
『今、肩にキスした』
「!?」
思わず弾かれたように肩を抱いた。
触れた感触があった訳ではない。
ない筈なのに…
『それから、胸も』
「―――!」
飛び上がりそうになったのを堪えると、
『乳首、舐めてる』
その文字を読むだけで、つん…と胸の先端がとがり始めたような気がして、葉人は慌てて首を振った。
『手は、太腿と…』
『葉の好きなトコ、触ってる』
思わず足に置いていた手に力がこもる。
薄い制服の布の下にある肌が急に熱を帯びた気がして…
ふ…と吐いた息に熱が混じる。
『形、ちゃんと覚えてる』
『色も、匂いも』
『温かさも、包み込む感触も』
微かに唇が震え、威を睨む目の縁が赤みを増していく。
もぞりと椅子に座り直し、真っ直ぐに自分を見る威から逃れるように背中を丸めた。
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