未来の王妃として幸せを紡ぐ

林 業

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まだ未熟な

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水の音に耳を傾ける。
「先生」
「なんでしょう」
「父上たち残して、海に旅行にきていいんですかね?」
「いいでしょう。たまには息抜きも必要ですが今回は泳ぎを覚えるための勉強です」
楽しそうに砂浜で城を作るぞ。と盛り上がっている兄たち。
青い海原で遊ぶことは現在先生に止められてウズウズとしながらも砂で遊んでいる兄たち。


突然、明け方に叩き起こされ、馬車で二時間ほど揺られ、訪れた先は海。
簡易のテントを立てて二、三日過ごすことを告げられた。
初めて見る海に、時期的に丁度いいからと海水浴に来たことで兄弟の興奮は抑えられない。
真夏ではないのかと聞けば、日に焼けすぎたり、毒を持つ生物がいるから駄目だと言われた。
「まずは浮く練習をしましょう」
「川じゃあ駄目だったんですか?」
「せっかくなので見聞を広めに。というわけでまずは足からです」
恐る恐る足を付ける。
一瞬戸惑うが、兄たちがずるいと駆け出し一番乗りと飛び込む。


足だけ浸かっているとちょっとずつ楽しくなってくる。
途中で浅瀬にいる兄たちに飛びついて転がりながら遊ぶ。
「さて、浮かぶ方法について」
浅瀬で先生の泳ぎ方を聞きながら実践する。
「ちなみにせんせー。こういうの座学でやらないのは?」
長兄がこれのほうがいいと次兄が質問したことを睨んでいる。
「水は習うより慣れろって言います。それに怖い思いをしたなら、まず楽しいという思い出も作るべきでしょう。まぁ、お望みなら帰宅中にお話してもいいですが兄二人は必死に左右に首を振る。

「そういえば、先生って泳げたんですね」
長兄が聞き、そういえばとリーマンを見る。
「えぇ。一時、親に入れられた軍で寒中水泳させられてました」
あれは辛かったと遠い目をしている。
「先生って貴族ですよね」
「ただ跡継ぎにもなれない次男坊です。なので兄に何かあったときのスペックらしくのんびりしてたら親に怒られて。今はその時の経験が生きているとだけ言っておきます。人生とは体験したものをどう経験として活かすか。得た知識をどう活用するか。と思いますよね」
しみじみ頷くリーマン。
へぇと頷くイネス。
兄たちは、なら早速と教わったばかりの泳ぎを披露する。
「どうだ」
「あ。そこ深いですよ」
「げっ」
足が付かないと慌てて兄が先程の泳ぎなど忘れてバタバタと水音を立てながら戻ってくる。

「とまぁ、ちゃんと身につけないとこうなりますよ」
「はいぃ」
兄がすいませんでしたと謝りながら泳ぎをマスターしようとしている。
「そういえば先生。先生が帰った後、教わった剣術とか泳ぎとかの技術って領民に教えていいんですか?」

「イネスさんに教わったのは王族関係者のみもあるので駄目ですか、あなた達に教えたのなら問題ありません。ただあまり怪我とかしないようちゃんと見るように」
はい。と大きく兄たち頷く。


「イネス君。楽しいですか?」
問われた言葉に、大きく元気一杯に返事を返す。



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