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第2話 16歳の悪役令息は恋心を暴走させる
01-5.
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……嫌だな。
ルシアンはセシルが好きだと言ったのだ。その言葉だけを信じていたい。
セシルはルシアンに視線を送る。
それにルシアンが答えることはなかった。
「ありえません」
ラリアは否定する。
「物語のシナリオを変えるなんて。あなたは神様にでもなったつもりですか?」
ラリアの言葉にルシアンの顔色が曇った。
……言われたくない言葉だったんだろうな。
ラリアの発言の半分以上は理解できない言葉だ。
それでも、それがラリアとルシアンの共通点だということはわかっている。
二人だけの世界を作られ、寂しく思う。
「……違うよ」
ルシアンは俯きながら答えた。
「僕は父上の意向に従うだけだよ。それ以外に理由なんてないから」
「では、セシルのことはなんとも思っていないということですね」
「そういうわけじゃないよ。セシルのことは好きだし、セシルだって僕を好きでいてくれているからね」
ルシアンは自信なさそうに答えた。
それが正しいことだとは思っていないのだ。
「それがおかしいと言っているのです」
ラリアは引かなかった。
「ケンカップルが見れなくなるなんておかしいです。私の楽しみを返しなさい、ハヴィランド」
ラリアは聖女として正そうとしているわけではない。
己の欲に従い、正しいカップルを成立させようとしているのだ。
「聖女様の楽しみなんて知らないよ」
ルシアンは答えた。
それから、ようやく、セシルを見た。
「僕はセシルが好きなんだ」
ルシアンの言葉にセシルは顔を赤くする。
そのままの勢いでルシアンに抱き着こうとして、エドワードに再び羽交い絞めにされた。今度は抵抗しない。
「物語に生きているんじゃないよ。ここは現実だ。僕たちは現実を生きているんだよ」
ルシアンは堂々と言い切った。
ルシアンはセシルが好きだと言ったのだ。その言葉だけを信じていたい。
セシルはルシアンに視線を送る。
それにルシアンが答えることはなかった。
「ありえません」
ラリアは否定する。
「物語のシナリオを変えるなんて。あなたは神様にでもなったつもりですか?」
ラリアの言葉にルシアンの顔色が曇った。
……言われたくない言葉だったんだろうな。
ラリアの発言の半分以上は理解できない言葉だ。
それでも、それがラリアとルシアンの共通点だということはわかっている。
二人だけの世界を作られ、寂しく思う。
「……違うよ」
ルシアンは俯きながら答えた。
「僕は父上の意向に従うだけだよ。それ以外に理由なんてないから」
「では、セシルのことはなんとも思っていないということですね」
「そういうわけじゃないよ。セシルのことは好きだし、セシルだって僕を好きでいてくれているからね」
ルシアンは自信なさそうに答えた。
それが正しいことだとは思っていないのだ。
「それがおかしいと言っているのです」
ラリアは引かなかった。
「ケンカップルが見れなくなるなんておかしいです。私の楽しみを返しなさい、ハヴィランド」
ラリアは聖女として正そうとしているわけではない。
己の欲に従い、正しいカップルを成立させようとしているのだ。
「聖女様の楽しみなんて知らないよ」
ルシアンは答えた。
それから、ようやく、セシルを見た。
「僕はセシルが好きなんだ」
ルシアンの言葉にセシルは顔を赤くする。
そのままの勢いでルシアンに抱き着こうとして、エドワードに再び羽交い絞めにされた。今度は抵抗しない。
「物語に生きているんじゃないよ。ここは現実だ。僕たちは現実を生きているんだよ」
ルシアンは堂々と言い切った。
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佐倉海斗