破滅回避のため、悪役ではなく騎士になりました

佐倉海斗

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02-6.

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「アクロイド家は王太子派でしたか?」

「陛下に恩があるからな。陛下が王太子と決めた人を支持するだけだ。第二王子が王太子になれば、第二王子派になる。今はどちらにもつかずの中立だけどな」

「そうですか」

 レイドはアクロイド公爵家の複雑な事情は知らない。

 しかし、公爵が領地に引きこもり、政治を取り仕切っているのは珍しいことだ。多くの貴族は社交界のために首都で暮らし、領地は代理人に任せている。

「今は王太子妃殿下に尽くしてくれ。それでわかったことがあれば、共有してほしい」

「わかりました。ですが、護衛騎士として尽くすだけです。世話係などという不名誉な勘違いはやめてくださいね」

「違うのか? 世話係でもしてるんだと思っていた」

 アレクシスは意外そうに言った。

 王太子妃の世話係としての噂を聞いていたのだろう。

「元平民の世話係なんて屈辱ですよ」

 レイドは本音を口にした。

 平民に対して見下すのは貴族として当然のことだ。

「それはそううだ」

 アレクシスも同意をした。

 現在は王太子妃になっているものの、婚約者のいる相手に色仕掛けをして寝取ったという事実は消えない。婚約破棄の騒動は学院でも社交界でも大きな騒ぎになり、第二王子派が生まれるきっかけになってしまった。

 王太子の立場を悪くしたのは、王太子妃の言動にもある。

 貴族出身ではない王太子妃には、貴族の常識が通用しない。貴族の傀儡になってはいけないと王太子に吹き込み、王太子がやりたい放題になるという由々しき問題が起きている。それは宰相を務めるガーネット公爵家の悩みの種でもあった。

「ついた。ここが大広間だ」

 アレクシスに案内され、大広間に到着する。

 既に食事の手配はされており、大広間にある机の上には食事が何種類も並べられている。レイドの好みがわからなかったからだろう。

「ここに座れ」

「向かい合う席に用意されているように見えますが」

「遠いだろ」

 アレクシスが指定した席はアレクシスの右側の席だった。

 アレクシスはレイドを強引に座らせると、執事を手招きする。

「今後の席の配置はここだ。気をつけろ」

 アレクシスは執事にそういうと、すぐに下がらせた。
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