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9 そして現在
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気が付くと森の中にいた。
大きな岩――泉のところだわ。
日は昇っている。夜明けは過ぎたのね。
え? 過去に戻ってやり直したと思ったのに……。じゃあ、あれは夢だったの?
立ち上がると、私は白いドレスを着ていた。
「これって、パーティのときに着ていた……? もしかして……。まさか、まさか」
体が勝手に動きだしていた。
これが現実なら、ひょっとして。
違うかもしれない。でももしかしたらという期待に、足が追いつかない。
早く確かめなきゃ。早く。一刻も早く我が家へ。急げ! 急げ!
何度も転びそうになりながら、屋敷に続く大通りを走った。
息を弾ませて、髪を振り乱しながら走る姿を人に見られたら、何て言われるかしら。
でも今は、そんなこと構っていられない。
屋敷が見えた。
庭は――ちゃんと手入れをされている!
……ああ、お願い。どうか。どうか。
恐る恐るドアを開けると、お母様と目が合った。
「まあ、こんな朝早くに、あなたどこへ行っていたの?」
ここは、あの“愚かな私”の世界じゃないわよね。
私の現実の世界に、お母様がいらっしゃるのね。
ああ、どうしよう。また涙が出てきちゃう。
止まれ。止まれ。お母様を驚かせてしまうわ。
駄目だ。止まらない。
「まあ、どうしたの! こっちにいらっしゃい」
お母様が私の肩を抱いて、ソファに座らせてくれた。
「……私。私、嫌な夢を見ていたの。長い間、悲しい夢を見ていた気がするの」
「まあ可哀想に。昨夜、パーティの話をしたせいかもしれないわね。あなたに重圧をかけるつもりはなかったのよ。今のあなたのままで十分なんだから」
「……え? パーティって、もしかしてプレッセント家のパーティのこと?」
「まあ、本当に寝ぼけているのね。うっふっふっ。それは先週の話でしょ。私が言っているのは、来月の話よ。あなたの王子様とのね」
「私の王子様?」
王子と言うからには、アトモントンのことよね。
今日は、プレッセント家のパーティがあった日から一週間ほど経っているのね。
ああそれなら、アトモントンの誕生日がもうすぐだわ。
「今日の午後、一緒に出かける約束をしているでしょう。もう泣き止まないと、目が腫れちゃうわよ」
私まだ泣いていたのね。
でも、どうなっているのかしら。あの兄妹とは関わっていないといいんだけど。
「奥様。その件なのですが、今しがた王宮より使者が参りました。殿下が予定を少し変更なさりたいとのことです。お嬢様と昼食をご一緒にと仰せなのですが」
ケルビンが、私たちの話の腰を折らないよう見計らって、部屋に入ってきた。
「あら。じゃあ、喜んで伺うとお伝えしてちょうだい。あなたもそれでいいわよね?」
「え? ええ」
「承知いたしました」
ケルビンはにっこり微笑んで部屋を出ていく。
ああケルビン! あなたも居てくれたのね。何て心強いの。
――そうだ!
「お母様! コリーンは? コリーンはどこにいるの?」
「まあ。まだ朝食も摂っていないのに、支度には早すぎるでしょ」
「あ、いえ。その。そうじゃなくって」
「お嬢様は、ドレスを選ぶのに時間がかかりますからね」
ケルビンと入れ替わるようにコリーンが部屋に入ってきた。
私は思わずコリーンに抱きついてしまった。そうせずにはいられない。
「お嬢様! 何事です!?」
「ねえ、もし私があなたにこの屋敷を出ていくよう言っても、絶対に言うことをきかないでね」
「まあ、私に何か不服でも? 気に入らないことがあるのでしたら、はっきり仰ってください」
「もう! 相変わらずね! そうじゃなくって。だから、逆よ。逆なの! 大好きって言いたかったの」
「は?」
「いいから、ほら。行きましょう。ドレス選びを手伝って」
コリーンが勧めてくれた薄桃色のドレスを着て、王城にやって来た。
あの日、ヘレナを連れてきて以来だわ。
……いいえ。違うわ。
私、毎日のように来ては、アトモントンと……。
何なのかしら。記憶がごちゃごちゃになって……。変な気分だわ……。
テラスで落ち着きを取り戻していると、アトモントンがやってきた。
「なんだ。こんなところにいたのか。下まで迎えにいくところだったから、ちょうどよかったよ」
アトモントンは上機嫌ね。何がそんなに嬉しいのかしら。
「それにしても早かったね。よっぽどお腹が空いているんだな。じゃなかったら、よっぽど僕に会いたかったんだな」
そんな冗談まで言えるようになったのね。よかった。
ふふふ。元通りのほんわかした雰囲気ね。
私の大切な人たちは、みんな幸せに暮らしていることは分かったわ。
後は……。
「ねえ。ワイセラ・ウラクロっていう名前を――」
「あいつらか。何だって今更、あんな泥棒兄妹の話をするんだ?」
アトモントンが食い気味に反応したのは、何か関わりが――ん?
「え? 泥棒兄妹?」
「忘れたのか? 君も見ていたじゃないか。先週のパーティを台無しにした二人だぞ」
ここは話を合わせた方がよさそうね。
「そ、そうだったわ」
「まさか、あそこまで大勢が被害にあっていたとは驚いたけどね。旧家の名を騙って屋敷に上がり込んでは、金目の物を盗んでいたって言うじゃないか。早々に国外追放すべきだと、あちこちから嘆願が寄せられたからね」
なるほどね。強請られていた貴族たちが、ここぞとばかりに嘆願したのね。
「追放ね」
「ああ。一昨日、鞭打ち十回の後、西の国境から追放したんだ」
「西の……」
「そう、湿地帯が無限に広がる大地だ。そこから先、生きるも死ぬも、彼らの人生は神の手に委ねられた訳さ。君もこの処分には納得していただろ?」
「え? ええ」
そう言えばそうだったような……。
非情な処分とも思えるけど、あの兄妹の余罪の多さを鑑みると妥当な処分だと、アトモントンと一緒に――そう話していたような。
あれ? これは私の経験したことかしら……?
「あのさ。そんなことより、来月のパーティの話なんだけど」
アトモントンがうっすら顔を赤らめて、やたらと瞬きをしている。
「ええそうよね。あなたの誕生日パーティね」
アトモントンがキョトンとして、私の顔を見つめている。
え? 何なの? 私、何かまずいことを言ったの?
「な、なんの冗談だよ。一瞬、本気かと思ったよ」
……本気だったんだけど。
「まあみんな知っているし、今更だけど。やっぱり正式な発表は必要だからね。婚約披露パーティは、王室としても正式な行事だから――」
「婚約っ! ええっ!? どうなってんの!?」
アトモントンは、まるで鈍器で後頭部を殴られたような顔をしている。
「まさか。まさか。心変わりしたとか言うんじゃないよね?」
――ええと。ええ? い、いやあ。だって。初耳なんですけど。
初耳――じゃないわ。確かに私たちは――。
ああ、また記憶がおかしくなっている。何が本当か分からないくらいに入り乱れちゃって。
「僕を試しているのかい? 僕の気持ちが信じられない?」
今にも泣きそうなアトモントンが、プレッセント家の二階の部屋で、おどおどしていた彼と重なった。
あの日から、私をしっかりつかまえていてくれたのね。
「私以上にあなたのことを信じられる人はいないわ。あなた自身よりもね」
ああどうしよう。涙が止まらない。
アトモントンが慌てているけど、あなたのせいじゃないの――ああ、やっぱりあなたのせいかしら。
「あなたは、私が『毎朝、庭園の木の前に立っていて』と頼めば、雨の日も風の日もずっと立ち続ける人だもの」
そう、何が起ころうとも私の願いを叶えてくれる優しい人。
「なんだか間抜けな奴に聞こえるけど。それより、どうして泣いているの?」
熱いものが込み上げてきて、自分でも止められないだけよ。
「ちょっと思い出しちゃって」
「もしかして僕がプロポーズしたときのこと?」
ああ、そう言われれば、あなたからのプロポーズ――私、思い出せるわ。
「君を愛している。泣いていても笑っていても怒っていても、どんなときも、どんな君でもね」
アトモントンはそう言うと、はにかみながら優しいキスをしてくれた。
大きな岩――泉のところだわ。
日は昇っている。夜明けは過ぎたのね。
え? 過去に戻ってやり直したと思ったのに……。じゃあ、あれは夢だったの?
立ち上がると、私は白いドレスを着ていた。
「これって、パーティのときに着ていた……? もしかして……。まさか、まさか」
体が勝手に動きだしていた。
これが現実なら、ひょっとして。
違うかもしれない。でももしかしたらという期待に、足が追いつかない。
早く確かめなきゃ。早く。一刻も早く我が家へ。急げ! 急げ!
何度も転びそうになりながら、屋敷に続く大通りを走った。
息を弾ませて、髪を振り乱しながら走る姿を人に見られたら、何て言われるかしら。
でも今は、そんなこと構っていられない。
屋敷が見えた。
庭は――ちゃんと手入れをされている!
……ああ、お願い。どうか。どうか。
恐る恐るドアを開けると、お母様と目が合った。
「まあ、こんな朝早くに、あなたどこへ行っていたの?」
ここは、あの“愚かな私”の世界じゃないわよね。
私の現実の世界に、お母様がいらっしゃるのね。
ああ、どうしよう。また涙が出てきちゃう。
止まれ。止まれ。お母様を驚かせてしまうわ。
駄目だ。止まらない。
「まあ、どうしたの! こっちにいらっしゃい」
お母様が私の肩を抱いて、ソファに座らせてくれた。
「……私。私、嫌な夢を見ていたの。長い間、悲しい夢を見ていた気がするの」
「まあ可哀想に。昨夜、パーティの話をしたせいかもしれないわね。あなたに重圧をかけるつもりはなかったのよ。今のあなたのままで十分なんだから」
「……え? パーティって、もしかしてプレッセント家のパーティのこと?」
「まあ、本当に寝ぼけているのね。うっふっふっ。それは先週の話でしょ。私が言っているのは、来月の話よ。あなたの王子様とのね」
「私の王子様?」
王子と言うからには、アトモントンのことよね。
今日は、プレッセント家のパーティがあった日から一週間ほど経っているのね。
ああそれなら、アトモントンの誕生日がもうすぐだわ。
「今日の午後、一緒に出かける約束をしているでしょう。もう泣き止まないと、目が腫れちゃうわよ」
私まだ泣いていたのね。
でも、どうなっているのかしら。あの兄妹とは関わっていないといいんだけど。
「奥様。その件なのですが、今しがた王宮より使者が参りました。殿下が予定を少し変更なさりたいとのことです。お嬢様と昼食をご一緒にと仰せなのですが」
ケルビンが、私たちの話の腰を折らないよう見計らって、部屋に入ってきた。
「あら。じゃあ、喜んで伺うとお伝えしてちょうだい。あなたもそれでいいわよね?」
「え? ええ」
「承知いたしました」
ケルビンはにっこり微笑んで部屋を出ていく。
ああケルビン! あなたも居てくれたのね。何て心強いの。
――そうだ!
「お母様! コリーンは? コリーンはどこにいるの?」
「まあ。まだ朝食も摂っていないのに、支度には早すぎるでしょ」
「あ、いえ。その。そうじゃなくって」
「お嬢様は、ドレスを選ぶのに時間がかかりますからね」
ケルビンと入れ替わるようにコリーンが部屋に入ってきた。
私は思わずコリーンに抱きついてしまった。そうせずにはいられない。
「お嬢様! 何事です!?」
「ねえ、もし私があなたにこの屋敷を出ていくよう言っても、絶対に言うことをきかないでね」
「まあ、私に何か不服でも? 気に入らないことがあるのでしたら、はっきり仰ってください」
「もう! 相変わらずね! そうじゃなくって。だから、逆よ。逆なの! 大好きって言いたかったの」
「は?」
「いいから、ほら。行きましょう。ドレス選びを手伝って」
コリーンが勧めてくれた薄桃色のドレスを着て、王城にやって来た。
あの日、ヘレナを連れてきて以来だわ。
……いいえ。違うわ。
私、毎日のように来ては、アトモントンと……。
何なのかしら。記憶がごちゃごちゃになって……。変な気分だわ……。
テラスで落ち着きを取り戻していると、アトモントンがやってきた。
「なんだ。こんなところにいたのか。下まで迎えにいくところだったから、ちょうどよかったよ」
アトモントンは上機嫌ね。何がそんなに嬉しいのかしら。
「それにしても早かったね。よっぽどお腹が空いているんだな。じゃなかったら、よっぽど僕に会いたかったんだな」
そんな冗談まで言えるようになったのね。よかった。
ふふふ。元通りのほんわかした雰囲気ね。
私の大切な人たちは、みんな幸せに暮らしていることは分かったわ。
後は……。
「ねえ。ワイセラ・ウラクロっていう名前を――」
「あいつらか。何だって今更、あんな泥棒兄妹の話をするんだ?」
アトモントンが食い気味に反応したのは、何か関わりが――ん?
「え? 泥棒兄妹?」
「忘れたのか? 君も見ていたじゃないか。先週のパーティを台無しにした二人だぞ」
ここは話を合わせた方がよさそうね。
「そ、そうだったわ」
「まさか、あそこまで大勢が被害にあっていたとは驚いたけどね。旧家の名を騙って屋敷に上がり込んでは、金目の物を盗んでいたって言うじゃないか。早々に国外追放すべきだと、あちこちから嘆願が寄せられたからね」
なるほどね。強請られていた貴族たちが、ここぞとばかりに嘆願したのね。
「追放ね」
「ああ。一昨日、鞭打ち十回の後、西の国境から追放したんだ」
「西の……」
「そう、湿地帯が無限に広がる大地だ。そこから先、生きるも死ぬも、彼らの人生は神の手に委ねられた訳さ。君もこの処分には納得していただろ?」
「え? ええ」
そう言えばそうだったような……。
非情な処分とも思えるけど、あの兄妹の余罪の多さを鑑みると妥当な処分だと、アトモントンと一緒に――そう話していたような。
あれ? これは私の経験したことかしら……?
「あのさ。そんなことより、来月のパーティの話なんだけど」
アトモントンがうっすら顔を赤らめて、やたらと瞬きをしている。
「ええそうよね。あなたの誕生日パーティね」
アトモントンがキョトンとして、私の顔を見つめている。
え? 何なの? 私、何かまずいことを言ったの?
「な、なんの冗談だよ。一瞬、本気かと思ったよ」
……本気だったんだけど。
「まあみんな知っているし、今更だけど。やっぱり正式な発表は必要だからね。婚約披露パーティは、王室としても正式な行事だから――」
「婚約っ! ええっ!? どうなってんの!?」
アトモントンは、まるで鈍器で後頭部を殴られたような顔をしている。
「まさか。まさか。心変わりしたとか言うんじゃないよね?」
――ええと。ええ? い、いやあ。だって。初耳なんですけど。
初耳――じゃないわ。確かに私たちは――。
ああ、また記憶がおかしくなっている。何が本当か分からないくらいに入り乱れちゃって。
「僕を試しているのかい? 僕の気持ちが信じられない?」
今にも泣きそうなアトモントンが、プレッセント家の二階の部屋で、おどおどしていた彼と重なった。
あの日から、私をしっかりつかまえていてくれたのね。
「私以上にあなたのことを信じられる人はいないわ。あなた自身よりもね」
ああどうしよう。涙が止まらない。
アトモントンが慌てているけど、あなたのせいじゃないの――ああ、やっぱりあなたのせいかしら。
「あなたは、私が『毎朝、庭園の木の前に立っていて』と頼めば、雨の日も風の日もずっと立ち続ける人だもの」
そう、何が起ころうとも私の願いを叶えてくれる優しい人。
「なんだか間抜けな奴に聞こえるけど。それより、どうして泣いているの?」
熱いものが込み上げてきて、自分でも止められないだけよ。
「ちょっと思い出しちゃって」
「もしかして僕がプロポーズしたときのこと?」
ああ、そう言われれば、あなたからのプロポーズ――私、思い出せるわ。
「君を愛している。泣いていても笑っていても怒っていても、どんなときも、どんな君でもね」
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