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第39話 晩御飯は久しぶりのトンカツ
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あーよく寝た。
目を覚まして、広い部屋の大きなベッドにいることに驚いてしまった。
そうだった。高級ホテルに来ていたんだった。
サイドテーブルにある時計は、シックなデザインのアナログだ。
針は七時半をさしている。
――どっち? 朝? 夜?
キュウは? シモーネさんは?
ベッドから降りると、ズンと足にこたえた。うわあ。筋肉痛がくる予感がする。
とりあえずリビングへ行こうとドアを開けたけど、本当に遠い。
もういっそのこと、キックボードとかで移動したいくらい。
「よしつねー」
俺に気づいたキュウがソファの上で弾んでいる。
姿が見えないと思っていたシモーネさんは、ソファに横になっていたようで、ムクっと起こした体のてっぺんだけが、かろうじて見えた。
つむじのあたりの柔らかそうな金髪がモジャってなっている。
やっぱりちっちゃいな。そしてシルエットや後ろ姿だけは可愛いんだよね。
「ええと。今って――」
「いつまで寝ておったんじゃ! 晩飯はどうする気じゃったんじゃ!」
いや、シモーネさんもソファの上で寝ていたでしょ?
ああでも、晩飯ってことは夜か。そんなには寝てなかったんだ。
「じゃあ、晩ご飯にしましょうか。シモーネさんは何か食べたいものあります?」
「肉じゃ! 肉を山盛り出してくれ!」
うわあ。その体型と顔で言うセリフじゃないよ。やっぱ老婆の方がしっくりくるな。
バシン!
「よからぬことを考えたじゃろうが! 早く飯を出さんか!」
もーっ!
「分かりましたから。いい加減、その枝をぶん回すのやめてくださいね!」
「ふん」
とりあえずご飯だ。俺もお腹が空いている。
「ステータスオープン」
うーん。肉かあ。肉って言われてもなー。牛丼も肉だし、ハンバーグも肉だよな。まあ、分かりやすいのはステーキか。
いや、メンチカツとかも肉が入ってるし、入っているっていえばカレーだってそうだ。
「何を出し惜しみしとるんじゃ。はよせんか!」
「はいはい」
まあ洋食系から選べばいいか。あ! 忘れてた! これだ! まさに肉!
ふっふー。
テーブルの上でポチッとすると、ドスンといい具合に落ちてきた。
「ほお。なんじゃ。なんじゃ」
「ジャジャーン。とんかつです!」
「なじゃそれは? なんでもいいから出せ」
はいはい。
テーブルの上にとんかつを出して、シモーヌさんの分までソースをかけてやった。
「さ。食べてみてください」
「お、おう」
シモーヌさんは、匂いで美味しいと判断らしい。ためらうことなく口に放り込んで咀嚼した。
「ふぉ! なんじゃこれは!」
お気に召しましたか? うまいでしょう? じゃ、俺も。
あー。久しぶり! んまいっ。
「足りんぞ!」
え? もう食べちゃた?
もうちょっと味わってほしいな。ちゃんと噛んでます?
「……お主」
「うわっ。す、すぐにっ。はい。すぐ注文します!」
やっば。叩かれるところだった。
シモーネさんは、とんかつ二枚と大量のキャベツの千切りと白飯も二杯完食して、満足気にソファにもたれかかった。
「キュウも食べたいでしゅ」
ええっ? あ。肉じゃなくて――「鉄」をだよね。
キュウはいじけて、小さく弾んでいる。
俺たちのがっつきっぷりを見て寂しくなったのかな。
「ええとね。そうだね、うん。次の街でたっぷり買ってあげるからね。鉄でも銅でも好きなものを買ってあげるから、それまでちょっとだけ待っててね」
「本当でしゅか?」
「もちろん! お腹いっぱい食べさせてやるとも!」
「楽しみでしゅー! キュウ!」
キュウ。ごめんね。今度からはちゃんとコピペして増やせるように買いだめしておくからね。
目を覚まして、広い部屋の大きなベッドにいることに驚いてしまった。
そうだった。高級ホテルに来ていたんだった。
サイドテーブルにある時計は、シックなデザインのアナログだ。
針は七時半をさしている。
――どっち? 朝? 夜?
キュウは? シモーネさんは?
ベッドから降りると、ズンと足にこたえた。うわあ。筋肉痛がくる予感がする。
とりあえずリビングへ行こうとドアを開けたけど、本当に遠い。
もういっそのこと、キックボードとかで移動したいくらい。
「よしつねー」
俺に気づいたキュウがソファの上で弾んでいる。
姿が見えないと思っていたシモーネさんは、ソファに横になっていたようで、ムクっと起こした体のてっぺんだけが、かろうじて見えた。
つむじのあたりの柔らかそうな金髪がモジャってなっている。
やっぱりちっちゃいな。そしてシルエットや後ろ姿だけは可愛いんだよね。
「ええと。今って――」
「いつまで寝ておったんじゃ! 晩飯はどうする気じゃったんじゃ!」
いや、シモーネさんもソファの上で寝ていたでしょ?
ああでも、晩飯ってことは夜か。そんなには寝てなかったんだ。
「じゃあ、晩ご飯にしましょうか。シモーネさんは何か食べたいものあります?」
「肉じゃ! 肉を山盛り出してくれ!」
うわあ。その体型と顔で言うセリフじゃないよ。やっぱ老婆の方がしっくりくるな。
バシン!
「よからぬことを考えたじゃろうが! 早く飯を出さんか!」
もーっ!
「分かりましたから。いい加減、その枝をぶん回すのやめてくださいね!」
「ふん」
とりあえずご飯だ。俺もお腹が空いている。
「ステータスオープン」
うーん。肉かあ。肉って言われてもなー。牛丼も肉だし、ハンバーグも肉だよな。まあ、分かりやすいのはステーキか。
いや、メンチカツとかも肉が入ってるし、入っているっていえばカレーだってそうだ。
「何を出し惜しみしとるんじゃ。はよせんか!」
「はいはい」
まあ洋食系から選べばいいか。あ! 忘れてた! これだ! まさに肉!
ふっふー。
テーブルの上でポチッとすると、ドスンといい具合に落ちてきた。
「ほお。なんじゃ。なんじゃ」
「ジャジャーン。とんかつです!」
「なじゃそれは? なんでもいいから出せ」
はいはい。
テーブルの上にとんかつを出して、シモーヌさんの分までソースをかけてやった。
「さ。食べてみてください」
「お、おう」
シモーヌさんは、匂いで美味しいと判断らしい。ためらうことなく口に放り込んで咀嚼した。
「ふぉ! なんじゃこれは!」
お気に召しましたか? うまいでしょう? じゃ、俺も。
あー。久しぶり! んまいっ。
「足りんぞ!」
え? もう食べちゃた?
もうちょっと味わってほしいな。ちゃんと噛んでます?
「……お主」
「うわっ。す、すぐにっ。はい。すぐ注文します!」
やっば。叩かれるところだった。
シモーネさんは、とんかつ二枚と大量のキャベツの千切りと白飯も二杯完食して、満足気にソファにもたれかかった。
「キュウも食べたいでしゅ」
ええっ? あ。肉じゃなくて――「鉄」をだよね。
キュウはいじけて、小さく弾んでいる。
俺たちのがっつきっぷりを見て寂しくなったのかな。
「ええとね。そうだね、うん。次の街でたっぷり買ってあげるからね。鉄でも銅でも好きなものを買ってあげるから、それまでちょっとだけ待っててね」
「本当でしゅか?」
「もちろん! お腹いっぱい食べさせてやるとも!」
「楽しみでしゅー! キュウ!」
キュウ。ごめんね。今度からはちゃんとコピペして増やせるように買いだめしておくからね。
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