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第十四話
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高順が郝昭を拾ってから四年が経過した。拾われた時に五歳だった郝昭は九歳となり、背丈も大きくなっていた。
「っ」
高順は打ち掛かってきた隙を突いて重い一撃を郝昭に与える。郝昭も慣れたもの一撃で悶絶せずに歯を食いしばって耐え、一旦高順から離れる。実戦さながらに訓練をしているので高順は休む暇を与えず、一瞬で距離を詰めると先程よりもさらに重い一撃を郝昭に叩き込む。郝昭もこれを正面から受け止めるのではなく、力を逃すように持っていた木剣で高順の一撃を受け流す。この隙を突いて郝昭が高順に叩き込もうとした一撃を高順は木剣
で斬り払う。そしてその力を利用してそのまま郝昭の頭に木剣を叩きつける。しかし、郝昭もこの四年で高順だけでなく、黒騎兵の面々には当然として、赤騎兵や青騎兵の面々にも鍛えられているために、高順の力任せなだけの一撃は受けない。郝昭は頭上に木剣を持っていくと、高順の一撃を受け流すように木剣を掲げる。
だが、郝昭は受け流すことに失敗した。
それに待っているのはいつも通りの帰結だ。郝昭の持っていた木剣は高順の一撃で圧し折られ、郝昭の頭に落ちていく。
そして高順は木剣を郝昭の目の前で止める。
「ここまでだ」
「あ、ありがとうございます」
高順の言葉に郝昭は振り絞るように答えると、地面に横たわって荒い呼吸を立てる。
「やっているな」
「呂布殿か」
そこにやって来たのは呂布だった。いつものように酒瓶を片手に持って上機嫌に笑っている。それを見て高順は顔を顰めた。
「また呑んでいるのか」
「おうとも。俺から酒をとったら武勇しか残らんぞ」
「武勇が残るなら并州の武人としては本望であろう」
「相変わらず硬い漢だな兄弟」
高順の言葉に呂布は大きく笑い飛ばす。
「あの才能が欠片もなかった郝昭をよくぞここまで育てたものだな、兄弟」
呂布の言葉に高順はいまだに倒れて起き上がれていない郝昭を見る。
呂布の言葉は事実であった。郝昭は高順だけでなく、人の才能を見る眼を持たない呂布から見ても武勇の才能を持っていなかった。高順もそれを見て自分の勘はやはり当てにはならないと思ったが、郝昭をある意味でこれを裏切った。
郝昭は自分に才能がないことを自覚しており、回数でこれを克服して見せたのだ。他の黒騎兵は百で済ます所を千やり、赤騎兵が五十で済ます所を五千やる。この努力によって郝昭は今の強さを手に入れた。
「魏越や成廉が嘆いていたぞ。兄弟が郝昭の才能の無さを嘆いて途中で親父殿に投げると思っていたのが、裏切られたからな。賭けの結果も曹性の一人勝ちだそうだ」
呂布の言葉に高順は不機嫌に鼻を鳴らす。魏越や成廉が短期間で郝昭を投げだすと思ってその期間で賭けをしたのは知っていたし、それに勝ったのが唯一『高順は郝昭を投げ出さない』に賭けていた自分の副官なのも知っていた。何せ自分にいつも通りに不敵な笑みを浮かべながら「隊長のおかげで臨時収入が入りましたよ」と告げて来たのだ。それに高順がいつも以上に顔を顰めたのを曹性は笑っていたのだった。
「秦宜禄が歩兵隊に郝昭をくれと言ったのも断るだけで終わったと聞いたが?」
「正確に言えば違う」
「ほう。それじゃあなんと言って断った。あの粘り強い秦宜禄があっさりと引き下がったんだ。よほどのことを言ったのだろう?」
「寝言は寝て言えと言っただけだ」
高順の言葉に呂布はさらに上機嫌に笑った。
「ははは。それは秦宜禄も引き下がるしかないな。しかし、郝昭のあの辛抱強さは歩兵隊でこそ輝くと思うがな」
「否定はせん。だが、辛抱強さは并州騎馬隊にとっても無益ではあるまい」
「少なくとも俺の赤騎兵では腐るだけだな。兄弟の黒騎兵だからこそだろう」
「張遼の青騎兵でもやっていけると思うがな」
「張遼も兄弟に似て硬い漢だからな。まぁ、酒が呑めるだけ張遼の方が柔らかいかもしれんが」
いつもの高順の酒が呑めないことの揶揄いに、高順は顔を顰める。だが、呂布も慣れているからそれを見ても萎縮するどころか益々上機嫌に笑うだけだ。
「おい、兄弟。いくら自分が呑めないからって郝昭にまでそれを教えるなよ?」
「教えいるのが私だけだったらそれを心配する必要があるかもしれないがな。残念ながら郝昭を鍛えているのは私だけでなく曹性や高雅、張遼も教えているし魏越や成廉も面白がって鍛錬場に引っ張っていく。何より并州軍の酒呑み筆頭も頻繁に鍛錬場に連れていくようだからな」
高順の言葉に呂布は少しだけ顔を赤らめてそっぽを向く。郝昭は拾った張本人である高順は当然として基本的に面倒見の良い高雅、副官の曹性、郝昭を弟分として可愛がっている張遼、行動原理が面白いことを中心の魏越と成廉、果てには面倒見は良いが面倒くさがりな呂布も郝昭を鍛えていた。郝昭の成長の要因にはこれも強かった。何せ国を見渡しても選りすぐりの精鋭達が寄ってたかって子供である郝昭を鍛えているのだ。そして郝昭も泣き言を吐かずに必死になってそれに食らいついていく。それを見て益々并州の武人達は郝昭に武勇を叩き込むのだ。武勇だけでなく、騎兵の用兵は高順。歩兵の用兵は秦宜禄に教わり、秦宜禄は郝昭の性格と歩兵の用兵を見て配下に欲しいと高順に頼み込んだのだ。
「まあ、それはいいさ。それで? 次の戦には郝昭を連れていくのか?」
呂布の言葉に未だに倒れこんでいる郝昭をみる呂布。郝昭は未だに戦場を経験していない。それと言うのも高順には尚早に思えたからだ。だが、今日の訓練で高順も気づいた。既に郝昭は戦場にでることが可能なほど強くなっていたのだ。
「連れていく」
「ほう。それは黒騎兵としてか?」
「黒騎兵の伝騎としてだ」
高順の言葉にさすがの呂布も驚いたように高順を見る。だが、高順はいつも通りの厳しい表情から変わっていない。
伝騎とは部隊と部隊を走り回って各隊に命令や情報を伝える役回りを持つ。その重要性と、場合によっては単騎で敵陣と突破しないといけないことから各隊でも腕利きをこの任務に当てている。高順は未だに十歳にならない子供にこの役回りをやらせると言っているのだ。
呂布も戦場に連れていくのは問題ないと思っていたが、まさか伝騎につけるとは思っていなかっただけに、高順の言葉に驚いたのだ。
だが、今日持ってきたお土産が丁度良かったことに気づいてすぐに上機嫌に笑う。
呂布はようやく座り込むまで回復した郝昭に歩み寄る。呂布に気づいた郝昭はすぐに立ち上がって木剣を持ち上げる。それを見て呂布は呆れたような視線を郝昭に向けた。
「おいおい郝昭。そんなに訓練がしたいのか? 俺は硬い漢を否定しないが、もう少し柔らかい方が女が寄ってくるぞ」
「つい先日訓練中に倒れこんでいる郝昭に笑いながら蹴りを叩き込んだ呂布殿の言葉とは思えないな」
「鍛錬中に隙だらけで倒れこんでいたからついな」
高順の非難を込められた言葉に呂布も悪びれることなく答える。戦場であれだけ隙だらけで倒れているのは骸だけだから、確認の意味も込めて蹴り飛ばしただけである。
「郝昭。お前さんも次の戦から従軍することになったのは兄弟から聞いたか?」
「はい。この鍛錬前に聞いております」
郝昭の言葉に呂布は満足そうに頷くと、持ってきた包みを郝昭に渡す。郝昭も不思議そうにしながらその包みを受け取り、開いた。
中から出てきたのは一振りの剣。未だに戦場を知らない郝昭が見ても業物とわかる剣。
驚愕の表情の郝昭を見て楽しそうに笑う呂布。しかし、そんな呂布をどこか責めた表情で高順が口を開く。
「呂布殿。どこからこんな業物を盗んできた」
「失礼なことを言うな兄弟。俺は親父殿が手配していた武器の中から良さそうなものを借りてきただけだぞ」
「呂布殿が返す考えがあることに私は驚いたな」
「おいおい兄弟。俺が今まで借りたものを返さなかったことがあったか?」
「私が貸した金が返ってきたことがないがな」
「兄弟はどうせ金をほとんど使わないのだからいいだろう」
「そういう問題ではない」
「あ、あの。これを頂いても本当によろしいのでしょうか」
高順と呂布の会話に慌てた様子に郝昭が口を開く。その反応を見て呂布は楽しそうに笑いながら郝昭を頭を撫でる。
「最初からそのつもりで持ってきた。この剣でお前さんは敵兵を斬ればよい」
「は、はいっ。決して呂布殿の期待を裏切りませんっ」
「おう。裏切るなよ」
呂布の言葉に郝昭は笑顔で返事をするのであった。
「っ」
高順は打ち掛かってきた隙を突いて重い一撃を郝昭に与える。郝昭も慣れたもの一撃で悶絶せずに歯を食いしばって耐え、一旦高順から離れる。実戦さながらに訓練をしているので高順は休む暇を与えず、一瞬で距離を詰めると先程よりもさらに重い一撃を郝昭に叩き込む。郝昭もこれを正面から受け止めるのではなく、力を逃すように持っていた木剣で高順の一撃を受け流す。この隙を突いて郝昭が高順に叩き込もうとした一撃を高順は木剣
で斬り払う。そしてその力を利用してそのまま郝昭の頭に木剣を叩きつける。しかし、郝昭もこの四年で高順だけでなく、黒騎兵の面々には当然として、赤騎兵や青騎兵の面々にも鍛えられているために、高順の力任せなだけの一撃は受けない。郝昭は頭上に木剣を持っていくと、高順の一撃を受け流すように木剣を掲げる。
だが、郝昭は受け流すことに失敗した。
それに待っているのはいつも通りの帰結だ。郝昭の持っていた木剣は高順の一撃で圧し折られ、郝昭の頭に落ちていく。
そして高順は木剣を郝昭の目の前で止める。
「ここまでだ」
「あ、ありがとうございます」
高順の言葉に郝昭は振り絞るように答えると、地面に横たわって荒い呼吸を立てる。
「やっているな」
「呂布殿か」
そこにやって来たのは呂布だった。いつものように酒瓶を片手に持って上機嫌に笑っている。それを見て高順は顔を顰めた。
「また呑んでいるのか」
「おうとも。俺から酒をとったら武勇しか残らんぞ」
「武勇が残るなら并州の武人としては本望であろう」
「相変わらず硬い漢だな兄弟」
高順の言葉に呂布は大きく笑い飛ばす。
「あの才能が欠片もなかった郝昭をよくぞここまで育てたものだな、兄弟」
呂布の言葉に高順はいまだに倒れて起き上がれていない郝昭を見る。
呂布の言葉は事実であった。郝昭は高順だけでなく、人の才能を見る眼を持たない呂布から見ても武勇の才能を持っていなかった。高順もそれを見て自分の勘はやはり当てにはならないと思ったが、郝昭をある意味でこれを裏切った。
郝昭は自分に才能がないことを自覚しており、回数でこれを克服して見せたのだ。他の黒騎兵は百で済ます所を千やり、赤騎兵が五十で済ます所を五千やる。この努力によって郝昭は今の強さを手に入れた。
「魏越や成廉が嘆いていたぞ。兄弟が郝昭の才能の無さを嘆いて途中で親父殿に投げると思っていたのが、裏切られたからな。賭けの結果も曹性の一人勝ちだそうだ」
呂布の言葉に高順は不機嫌に鼻を鳴らす。魏越や成廉が短期間で郝昭を投げだすと思ってその期間で賭けをしたのは知っていたし、それに勝ったのが唯一『高順は郝昭を投げ出さない』に賭けていた自分の副官なのも知っていた。何せ自分にいつも通りに不敵な笑みを浮かべながら「隊長のおかげで臨時収入が入りましたよ」と告げて来たのだ。それに高順がいつも以上に顔を顰めたのを曹性は笑っていたのだった。
「秦宜禄が歩兵隊に郝昭をくれと言ったのも断るだけで終わったと聞いたが?」
「正確に言えば違う」
「ほう。それじゃあなんと言って断った。あの粘り強い秦宜禄があっさりと引き下がったんだ。よほどのことを言ったのだろう?」
「寝言は寝て言えと言っただけだ」
高順の言葉に呂布はさらに上機嫌に笑った。
「ははは。それは秦宜禄も引き下がるしかないな。しかし、郝昭のあの辛抱強さは歩兵隊でこそ輝くと思うがな」
「否定はせん。だが、辛抱強さは并州騎馬隊にとっても無益ではあるまい」
「少なくとも俺の赤騎兵では腐るだけだな。兄弟の黒騎兵だからこそだろう」
「張遼の青騎兵でもやっていけると思うがな」
「張遼も兄弟に似て硬い漢だからな。まぁ、酒が呑めるだけ張遼の方が柔らかいかもしれんが」
いつもの高順の酒が呑めないことの揶揄いに、高順は顔を顰める。だが、呂布も慣れているからそれを見ても萎縮するどころか益々上機嫌に笑うだけだ。
「おい、兄弟。いくら自分が呑めないからって郝昭にまでそれを教えるなよ?」
「教えいるのが私だけだったらそれを心配する必要があるかもしれないがな。残念ながら郝昭を鍛えているのは私だけでなく曹性や高雅、張遼も教えているし魏越や成廉も面白がって鍛錬場に引っ張っていく。何より并州軍の酒呑み筆頭も頻繁に鍛錬場に連れていくようだからな」
高順の言葉に呂布は少しだけ顔を赤らめてそっぽを向く。郝昭は拾った張本人である高順は当然として基本的に面倒見の良い高雅、副官の曹性、郝昭を弟分として可愛がっている張遼、行動原理が面白いことを中心の魏越と成廉、果てには面倒見は良いが面倒くさがりな呂布も郝昭を鍛えていた。郝昭の成長の要因にはこれも強かった。何せ国を見渡しても選りすぐりの精鋭達が寄ってたかって子供である郝昭を鍛えているのだ。そして郝昭も泣き言を吐かずに必死になってそれに食らいついていく。それを見て益々并州の武人達は郝昭に武勇を叩き込むのだ。武勇だけでなく、騎兵の用兵は高順。歩兵の用兵は秦宜禄に教わり、秦宜禄は郝昭の性格と歩兵の用兵を見て配下に欲しいと高順に頼み込んだのだ。
「まあ、それはいいさ。それで? 次の戦には郝昭を連れていくのか?」
呂布の言葉に未だに倒れこんでいる郝昭をみる呂布。郝昭は未だに戦場を経験していない。それと言うのも高順には尚早に思えたからだ。だが、今日の訓練で高順も気づいた。既に郝昭は戦場にでることが可能なほど強くなっていたのだ。
「連れていく」
「ほう。それは黒騎兵としてか?」
「黒騎兵の伝騎としてだ」
高順の言葉にさすがの呂布も驚いたように高順を見る。だが、高順はいつも通りの厳しい表情から変わっていない。
伝騎とは部隊と部隊を走り回って各隊に命令や情報を伝える役回りを持つ。その重要性と、場合によっては単騎で敵陣と突破しないといけないことから各隊でも腕利きをこの任務に当てている。高順は未だに十歳にならない子供にこの役回りをやらせると言っているのだ。
呂布も戦場に連れていくのは問題ないと思っていたが、まさか伝騎につけるとは思っていなかっただけに、高順の言葉に驚いたのだ。
だが、今日持ってきたお土産が丁度良かったことに気づいてすぐに上機嫌に笑う。
呂布はようやく座り込むまで回復した郝昭に歩み寄る。呂布に気づいた郝昭はすぐに立ち上がって木剣を持ち上げる。それを見て呂布は呆れたような視線を郝昭に向けた。
「おいおい郝昭。そんなに訓練がしたいのか? 俺は硬い漢を否定しないが、もう少し柔らかい方が女が寄ってくるぞ」
「つい先日訓練中に倒れこんでいる郝昭に笑いながら蹴りを叩き込んだ呂布殿の言葉とは思えないな」
「鍛錬中に隙だらけで倒れこんでいたからついな」
高順の非難を込められた言葉に呂布も悪びれることなく答える。戦場であれだけ隙だらけで倒れているのは骸だけだから、確認の意味も込めて蹴り飛ばしただけである。
「郝昭。お前さんも次の戦から従軍することになったのは兄弟から聞いたか?」
「はい。この鍛錬前に聞いております」
郝昭の言葉に呂布は満足そうに頷くと、持ってきた包みを郝昭に渡す。郝昭も不思議そうにしながらその包みを受け取り、開いた。
中から出てきたのは一振りの剣。未だに戦場を知らない郝昭が見ても業物とわかる剣。
驚愕の表情の郝昭を見て楽しそうに笑う呂布。しかし、そんな呂布をどこか責めた表情で高順が口を開く。
「呂布殿。どこからこんな業物を盗んできた」
「失礼なことを言うな兄弟。俺は親父殿が手配していた武器の中から良さそうなものを借りてきただけだぞ」
「呂布殿が返す考えがあることに私は驚いたな」
「おいおい兄弟。俺が今まで借りたものを返さなかったことがあったか?」
「私が貸した金が返ってきたことがないがな」
「兄弟はどうせ金をほとんど使わないのだからいいだろう」
「そういう問題ではない」
「あ、あの。これを頂いても本当によろしいのでしょうか」
高順と呂布の会話に慌てた様子に郝昭が口を開く。その反応を見て呂布は楽しそうに笑いながら郝昭を頭を撫でる。
「最初からそのつもりで持ってきた。この剣でお前さんは敵兵を斬ればよい」
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