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碧はゆっくり目を開けると白い天井が見え、上下左右に眼球を動かすとそこは見たことの無い場所で寝かされていたのだけはわかった。
「碧っ?気づいたのねっ!大丈夫?」
頭を横に動かすと父と母が心配と安堵が入り混じった表情を浮かべていた。碧はまだ理解出来ず起き上がろうとすると母親に制止されてしまった。
「桐野さん、まだ意識はっきりしてないんだから無理して起きちゃ駄目ですよ」
頭上から女性の声が聞こえ、碧は視線を動かすと看護師が忙しそうに動いていた。
「...ここは?」
「気が付いたようだね、ちょうど精密検査の結果が出て脳にも異常が見られないし外傷もないから落ち着いたら帰宅しても大丈夫ですよ、ただ、少し貧血気味とあと睡眠不足のようだから体調の管理は気をつけなきゃ駄目だよ、あともし何か気になる症状が出たら直ぐにでもおいでね」
「先生、ありがとうございました。碧、気分はどう?痛いところとかない?」
父と母は診察したであろう医師に頭を下げ、母は心配そうな表情を向けてきた。
「うん大丈夫、どこも痛くないよ...それより私、どうして病院に?」
「覚えてないの?あなた階段から落っこちたのよ、さっきまで担任の先生もいらしてたんだけど一旦帰ってもらったわ。にしても、学校からの連絡で聞かされた時はお母さん心臓飛び出るかと思ったわよ。でも運よくそこに、」
「入っても大丈夫ですか?」
母親が当時の状況を説明していると碧が寝ている処置室のドア越しに声が聞こえ、看護師が了承すると動かさないよう腕から手の甲まで固定するように包帯を巻かれた貴斗がひょこっと顔を出した。
「えっ?なんで阿部くんが?」
「何言ってんの!阿部くんがあの時助けてくれなかったらあんた今頃どうなってたことか...本当になんとお礼を言っていいか...しかも助ける時、碧を守るように落ちたみたいだから利き腕を骨折させてしまって、本当に謝っても謝りきれないことになって...親御さんは今日ご在宅かしら、いろいろご相談したいと思ってるんだけど連絡はつきそう?」
「いえ、骨折ではなく腕の骨にひびが入っただけですし、さっきレントゲンと念のためMRI撮ってもらったんですが脳にも異常なかったんで気にしないでください。あと僕の両親なんですが、実は今二人とも仕事で留守にしてまして...一応保護者代理は長男になるんですが、今、母と同行で海外に行ってて...あとで父には連絡してみます、確か今日は学会でそのあと親睦会とかで会食が予定されてたと思うんでちゃんと話せるかわからないんですが」
「阿部くんのおうちの方たちはみなさん本当にす、凄いのね...」
碧の父と母は貴斗の話に呆気にとられポカンと立ち尽くしていた。貴斗は微笑みながら碧の傍に歩み寄り痛めていない方の手で頭を撫でた。
「ほんと怪我がなくて良かったよ、君に何かあったら僕は生きていけない」
「ちょっ!」
自分の両親がいる前で惚気るような言動に焦り二人に視線を送ると母はニヤつき、父は気まずそうな表情で視線を逸らしていた。
「と、とにかく私は大丈夫だしもう帰ろう」
「そ、そうだな、そしたら今タクシー呼ぶのに連絡してくるからちょっと待ってなさい」
父はスーツの上着ポケットからスマホを取り出しタクシーを呼ぶのに病院の外へと向かった。
「阿部くん、おうちの方がいらっしゃらないんじゃ今帰っても不便よね...困ったわねー」
「......あの、図々しいの承知で僕も桐野家に伺ってもよろしいですか?ちょっとご相談したいことがありまして」
母が困った表情でいると貴斗からのお願いに母は快く了承し、何故か桐野家+貴斗の四人で碧の家までタクシーで向かうこととなった。
☆☆☆
「どーぞ...手、本当に大丈夫?利き手だから不自由よね」
自宅に着くや否や母は貴斗をリビングに招き入れこれでもかという程、お菓子や飲み物でもてなしていた。
(...あの人、イケメン大好きだからなー)
碧と父は母に呆れダイニングテーブルの椅子に腰かけながらハイテンションの母を生温かい視線で見つめていた。
「それで、相談というのは何だい?」
父が見かねて貴斗が座るソファの対面に座り直し問い質し、貴斗は父母の両方に視線を移しながら姿勢を正した。
「先ほどもお話した通り今両親が不在で家には大学生の次男と家政婦が一人、あとは昔から仕えてくれている運転手しかいません。兄も大学のゼミや研究などで家に帰ってくるのが遅いですし、家政婦も住み込みではないので夕飯の準備が終われば帰宅してもらっていて...なので家に着くころには僕一人になります。父や母も仕事上早く帰宅することは滅多にないですし、正直ひびとはいえ動きに制限があるので何かと不便な点もあって...非常識で無理なことは承知なのですが落ち着くまで碧さんに僕の世話をお願いしたくて...あと怪我のことは気にしないでください、あくまで僕が勝手にやったことなんで」
「はっ?!ちょっと何言ってんのよっ!!なんで私がっ」
碧は勢いよく椅子から立ち上がり貴斗に大声を張り上げ、父と母も貴斗のお願いに困った表情を浮かべ考え込んでいた。
「んー......、阿部くんの気持ちはわかるが、同級生の男の子しかいない家に年頃の娘を行かせて世話をさせるっていうのは...なぁ母さん」
父は困惑し言葉を選びながら母に視線を送った。その父の様子に碧は再び椅子に座り何度も頷いた。
「お世話と言っても学校の課題を手伝ってもらったり身の回りの片付けを手伝ってもらったりで帰りはうちの車で送らせてもらいますし、時間指定があればそれまでにおうちにお届けするので心配はありません、もちろんこういった以外で彼女に触れることは一切ありません......他の同性の友人などに頼めばいい話なんですが、実は今通っている高校で僕の家のことは一部の教職員しか知りません。母の仕事はメディアにも関係しているので芸能関係者とも交流があります。なので、他の生徒たちに詮索されたくなくてそういったことは一切話してないんです......碧さんだけは僕の内情も知っていますしお願いできるのは彼女しかいません...どうか、腕がある程度使えるようになるまでお願いできませんでしょうか」
貴斗は真剣な表情でソファから立ち上がり深々と頭を下げた。母は父の方へ視線を向けると腕を組み唸るような表情で考え込んでいた。
「......時間は遅くても19時半までには帰宅させること、学生の身分にあるまじき行動行為は一切しないこと、もしそれが守られなかった時点でこの話はなかったことにするから、いいね?」
「ちょっとお父さんっ!勝手に「ありがとうございます、もちろんご両親を裏切らない節度ある行動をさせてもらいます」
碧の言葉を遮るように貴斗はホッとした表情を浮かべ再び頭を下げた。
「はっ?親父何考えてんだよっ」
その時、リビングのドアが勢いよく開けられ学校から帰って来た虹志が怒鳴るようにリビングに入って来た。
「こらっ!行儀が悪い、お客さんが来てるのよ!」
「二人とも何考えてんだよ!いくら色気なくて性別“女”ってだけだとしても流石におかしいだろ?!」
(おいっ!)
虹志の言葉に腹立たしくも一応こちら側ということもあり碧はかなりの我慢と葛藤しながら言葉を慎んだ。
「まぁ、虹志の言ってることは全部正論だと思うわよ...でも」
(母よ......正論て)
碧は生温い表情で目を細め、その視線に気にも留めず母親は虹志を宥めていた。一息吐いた父は碧のいる方へと視線を促した。
「碧はどうしたい?まぁお父さんとしては状況も状況ということでそう言ったが、当の本人の許可なく決めてしまうのもおかしな話だったね」
「私は......」
碧はなかなか答えが見つからず言葉を探していると貴斗は碧の傍まで歩み膝立ちで碧を見上げた。
「急にこんなこと言われたら誰だって困るよね、碧にも負担をかけることになるし......でも僕には君が必要なんだ。完治までじゃなくてもいい...一週間試しにやってみて無理なら断ってもらっても構わない、またその時どうするか考える...それでも駄目かな?」
「......わかった」
しばし沈黙が続き、碧は小さく頷くと貴斗は言い表すことのできない笑みを浮かべていた。
「碧っ!お前な!.......ったく、好きにしろっ!」
虹志は納得いかない表情で大きな足音を立てながら部屋を出て行ってしまった。
「虹志は何にあんな腹を立ててるんだ?」
「お姉ちゃん離れができないのよ、阿部くん気にしなくていいからね」
父が不思議そうに話すとクスクス笑いながら母はそう答えていた。
こうして、碧はしばらくの間、貴斗の世話をすることとなり期待は全くない不安だらけの思いで早くもどっと疲れが出ていた。
「碧っ?気づいたのねっ!大丈夫?」
頭を横に動かすと父と母が心配と安堵が入り混じった表情を浮かべていた。碧はまだ理解出来ず起き上がろうとすると母親に制止されてしまった。
「桐野さん、まだ意識はっきりしてないんだから無理して起きちゃ駄目ですよ」
頭上から女性の声が聞こえ、碧は視線を動かすと看護師が忙しそうに動いていた。
「...ここは?」
「気が付いたようだね、ちょうど精密検査の結果が出て脳にも異常が見られないし外傷もないから落ち着いたら帰宅しても大丈夫ですよ、ただ、少し貧血気味とあと睡眠不足のようだから体調の管理は気をつけなきゃ駄目だよ、あともし何か気になる症状が出たら直ぐにでもおいでね」
「先生、ありがとうございました。碧、気分はどう?痛いところとかない?」
父と母は診察したであろう医師に頭を下げ、母は心配そうな表情を向けてきた。
「うん大丈夫、どこも痛くないよ...それより私、どうして病院に?」
「覚えてないの?あなた階段から落っこちたのよ、さっきまで担任の先生もいらしてたんだけど一旦帰ってもらったわ。にしても、学校からの連絡で聞かされた時はお母さん心臓飛び出るかと思ったわよ。でも運よくそこに、」
「入っても大丈夫ですか?」
母親が当時の状況を説明していると碧が寝ている処置室のドア越しに声が聞こえ、看護師が了承すると動かさないよう腕から手の甲まで固定するように包帯を巻かれた貴斗がひょこっと顔を出した。
「えっ?なんで阿部くんが?」
「何言ってんの!阿部くんがあの時助けてくれなかったらあんた今頃どうなってたことか...本当になんとお礼を言っていいか...しかも助ける時、碧を守るように落ちたみたいだから利き腕を骨折させてしまって、本当に謝っても謝りきれないことになって...親御さんは今日ご在宅かしら、いろいろご相談したいと思ってるんだけど連絡はつきそう?」
「いえ、骨折ではなく腕の骨にひびが入っただけですし、さっきレントゲンと念のためMRI撮ってもらったんですが脳にも異常なかったんで気にしないでください。あと僕の両親なんですが、実は今二人とも仕事で留守にしてまして...一応保護者代理は長男になるんですが、今、母と同行で海外に行ってて...あとで父には連絡してみます、確か今日は学会でそのあと親睦会とかで会食が予定されてたと思うんでちゃんと話せるかわからないんですが」
「阿部くんのおうちの方たちはみなさん本当にす、凄いのね...」
碧の父と母は貴斗の話に呆気にとられポカンと立ち尽くしていた。貴斗は微笑みながら碧の傍に歩み寄り痛めていない方の手で頭を撫でた。
「ほんと怪我がなくて良かったよ、君に何かあったら僕は生きていけない」
「ちょっ!」
自分の両親がいる前で惚気るような言動に焦り二人に視線を送ると母はニヤつき、父は気まずそうな表情で視線を逸らしていた。
「と、とにかく私は大丈夫だしもう帰ろう」
「そ、そうだな、そしたら今タクシー呼ぶのに連絡してくるからちょっと待ってなさい」
父はスーツの上着ポケットからスマホを取り出しタクシーを呼ぶのに病院の外へと向かった。
「阿部くん、おうちの方がいらっしゃらないんじゃ今帰っても不便よね...困ったわねー」
「......あの、図々しいの承知で僕も桐野家に伺ってもよろしいですか?ちょっとご相談したいことがありまして」
母が困った表情でいると貴斗からのお願いに母は快く了承し、何故か桐野家+貴斗の四人で碧の家までタクシーで向かうこととなった。
☆☆☆
「どーぞ...手、本当に大丈夫?利き手だから不自由よね」
自宅に着くや否や母は貴斗をリビングに招き入れこれでもかという程、お菓子や飲み物でもてなしていた。
(...あの人、イケメン大好きだからなー)
碧と父は母に呆れダイニングテーブルの椅子に腰かけながらハイテンションの母を生温かい視線で見つめていた。
「それで、相談というのは何だい?」
父が見かねて貴斗が座るソファの対面に座り直し問い質し、貴斗は父母の両方に視線を移しながら姿勢を正した。
「先ほどもお話した通り今両親が不在で家には大学生の次男と家政婦が一人、あとは昔から仕えてくれている運転手しかいません。兄も大学のゼミや研究などで家に帰ってくるのが遅いですし、家政婦も住み込みではないので夕飯の準備が終われば帰宅してもらっていて...なので家に着くころには僕一人になります。父や母も仕事上早く帰宅することは滅多にないですし、正直ひびとはいえ動きに制限があるので何かと不便な点もあって...非常識で無理なことは承知なのですが落ち着くまで碧さんに僕の世話をお願いしたくて...あと怪我のことは気にしないでください、あくまで僕が勝手にやったことなんで」
「はっ?!ちょっと何言ってんのよっ!!なんで私がっ」
碧は勢いよく椅子から立ち上がり貴斗に大声を張り上げ、父と母も貴斗のお願いに困った表情を浮かべ考え込んでいた。
「んー......、阿部くんの気持ちはわかるが、同級生の男の子しかいない家に年頃の娘を行かせて世話をさせるっていうのは...なぁ母さん」
父は困惑し言葉を選びながら母に視線を送った。その父の様子に碧は再び椅子に座り何度も頷いた。
「お世話と言っても学校の課題を手伝ってもらったり身の回りの片付けを手伝ってもらったりで帰りはうちの車で送らせてもらいますし、時間指定があればそれまでにおうちにお届けするので心配はありません、もちろんこういった以外で彼女に触れることは一切ありません......他の同性の友人などに頼めばいい話なんですが、実は今通っている高校で僕の家のことは一部の教職員しか知りません。母の仕事はメディアにも関係しているので芸能関係者とも交流があります。なので、他の生徒たちに詮索されたくなくてそういったことは一切話してないんです......碧さんだけは僕の内情も知っていますしお願いできるのは彼女しかいません...どうか、腕がある程度使えるようになるまでお願いできませんでしょうか」
貴斗は真剣な表情でソファから立ち上がり深々と頭を下げた。母は父の方へ視線を向けると腕を組み唸るような表情で考え込んでいた。
「......時間は遅くても19時半までには帰宅させること、学生の身分にあるまじき行動行為は一切しないこと、もしそれが守られなかった時点でこの話はなかったことにするから、いいね?」
「ちょっとお父さんっ!勝手に「ありがとうございます、もちろんご両親を裏切らない節度ある行動をさせてもらいます」
碧の言葉を遮るように貴斗はホッとした表情を浮かべ再び頭を下げた。
「はっ?親父何考えてんだよっ」
その時、リビングのドアが勢いよく開けられ学校から帰って来た虹志が怒鳴るようにリビングに入って来た。
「こらっ!行儀が悪い、お客さんが来てるのよ!」
「二人とも何考えてんだよ!いくら色気なくて性別“女”ってだけだとしても流石におかしいだろ?!」
(おいっ!)
虹志の言葉に腹立たしくも一応こちら側ということもあり碧はかなりの我慢と葛藤しながら言葉を慎んだ。
「まぁ、虹志の言ってることは全部正論だと思うわよ...でも」
(母よ......正論て)
碧は生温い表情で目を細め、その視線に気にも留めず母親は虹志を宥めていた。一息吐いた父は碧のいる方へと視線を促した。
「碧はどうしたい?まぁお父さんとしては状況も状況ということでそう言ったが、当の本人の許可なく決めてしまうのもおかしな話だったね」
「私は......」
碧はなかなか答えが見つからず言葉を探していると貴斗は碧の傍まで歩み膝立ちで碧を見上げた。
「急にこんなこと言われたら誰だって困るよね、碧にも負担をかけることになるし......でも僕には君が必要なんだ。完治までじゃなくてもいい...一週間試しにやってみて無理なら断ってもらっても構わない、またその時どうするか考える...それでも駄目かな?」
「......わかった」
しばし沈黙が続き、碧は小さく頷くと貴斗は言い表すことのできない笑みを浮かべていた。
「碧っ!お前な!.......ったく、好きにしろっ!」
虹志は納得いかない表情で大きな足音を立てながら部屋を出て行ってしまった。
「虹志は何にあんな腹を立ててるんだ?」
「お姉ちゃん離れができないのよ、阿部くん気にしなくていいからね」
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