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第一一七話 シャルロッタ 一五歳 知恵ある者 〇七
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「それに……こんなガラクタに知識や技術を詰め込んだって人間の努力や勇気には勝てっこないのよ」
わたくしは目の前で憎々しげな表情を浮かべる知恵ある者に向かってそう告げる。
確かにこの七国魔道騎は凄まじい能力を秘めていたのだろう、ゴーレムを動かすだけでなく形状を変化させて様々な能力を持たせたことは特筆に値する。
前世の世界ですらこんな超絶能力を持つ魔法生命体を作り出した魔法使いなどは聞いたことがない……だけど、確かにすごい技術、だけでしかないのだこんなものは。
わたくしは人間が戦うための意志を持ち、努力し悲しみを乗り越えて進んだ先に得た力を持ってすれば、どんなに強力な魔物だろうが神でさえも乗り越えられると信じている。
「貴方はそんなこともわからないのね、ターベンディッシュの腐った脳みそも大したことないわ」
「き、貴様……私が一〇〇〇年をかけて積み重ねた結晶だけでなく、神を冒涜するなど……」
「冒涜したらなんだっていうの?」
「腐死の女王……ッ!」
知恵ある者はほぼ無詠唱で以前わたくしと対峙した際に展開した混沌魔法を顕現させる……地面から真っ白な白髪に、顔が半分溶けかけた腐乱死体がのそりと姿を表していく。
結界内に死の気配を充満させあらゆる生命へと致死の魔力を叩きつけ、次第に命を削り取っていく構造さえわかってりゃなんてことはないセコい魔法である。
わたくしの前に立つ腐死の女王は蛆虫だらけの眼窩をカクカクとした動きでわたくしへと向けようとした瞬間。
「……これは一度見たわ」
わたくしはそう呟くと抜く手も見せずに剣を振るう……その場から動かずに展開されつつある結界ごと空間を切り裂いていく、超光速で繰り出した斬撃は二〇発……一瞬の間を置いて結界は細切れになり、完全顕現する前の腐死の女王はその四肢をバラバラに切断されて地面へボトボト音を立てて崩れ落ちた。
あっけに取られたのか知恵ある者は引き攣った表情のまま固まっている、切り札とも言える混沌魔法を展開前に破壊されりゃそういう顔にもなるか。
「な、あ……私の魔法を切る……? アンスラックスと同じ剣技を……」
「構造は単純、馬鹿みたいにセコい魔法だってのは前回見たわ……同じ手が通用すると思ったら大間違いよ」
足元に転がってきた腐死の女王の頭を踏みつけてからわたくしはニヤリと笑い、こともなげに哀れな不死者を粉砕する。
結界魔法と呼ばれる系統の魔法は展開して安定すれば相手を閉じ込める、外部からの攻撃を防ぐなどの効果は高いのだけど展開前、展開直後などは案外脆いものなのだ。
その弱点を解決するために様々な手法が編み出されていたりするが、まあ一瞬であれだけの斬撃を繰り出される、というのは完全にイレギュラーであったようだ。
「ぐ……これほどの能力、予想はしていたが規格外だな……だがッ!」
知恵ある者がぐにゃり、と歪んだ笑みを見せると彼の背後にあった七国魔道騎の残骸がゴオオオン! という音を立てて中へと浮かび上がる。
あれ? まだ壊れてないのこいつ……このサプライズは予想していなかったため、わたくしの表情が変わったのを見て、知恵ある者は笑みを浮かべたままゴーレムの背へと飛び乗る。
あまりに早い動きに出遅れてしまったが、それでも目の前のゴーレムは半壊している状況なのだから選択肢はそれほどないはずだ。
「そのガラクタで何をしようと……」
「調律……ッ!」
知恵ある者の言葉に合わせて、ブルブルと震えた七国魔道騎がその姿を変化させていく。
まるで巨大な砲塔のような形状へと変化すると、あたりを揺るがす地響きとともに地面へと降り立ち土煙を巻き上げた。
こいつは……巨大な砲塔に当たる部分がゆっくりと動き、その先に防御結界を展開して戦いの様子を見守っているユルとその中にいる「赤竜の息吹」、そしてマーサの姿があった。
何をする気だ……? とわたくしが知恵ある者の顔を見ると、そこには歪みきった笑顔が写っている……そこで初めてわたくしは彼の意図を認識した。
「クハハハッ……お前は勇者なのだろう? 仲間を見捨てるなぞできるはずもないよなあ?」
「……く……後悔しますわよ?」
意図を察したわたくしは全力でユル達の前へと駆け出す……あの七国魔道騎は形状通りになんらかの攻撃を繰り出す砲撃能力を有している。
目標はわたくしではなく、わたくしの愛する仲間そのもの……砲塔に凄まじい量の魔力が集中し真紅の輝きがそれまでで最大レベルに煌々と輝いている。
全ての力を使い切る気になったのか、彼は文字通り正真正銘の切り札をここで切ることにしたのだろう……しかし目的がわかっている以上、わたくしは目に見えた全てのものを守るために行動しなければいけない。
それが元勇者であったとしてもわたくしの中に流れる勇者の矜持がそれを許しはしないのだ……彼らの前へとわたくしは立ち塞がると、七国魔道騎の砲塔に光る魔力を凝視する。
「シャルロッタ様ッ!」
「……すごい魔力……絶対に結界から出てはいけませんわ!」
膨大すぎる魔力の集約は、天候すら大きく変化させていく……それまでなんてことはない晴れた空が巨大な魔力に変質させられ、ドス黒い黒雲が渦巻く不気味な空へと変化していく。
ビリビリと肌を通じて感じる莫大な魔力が周りにある岩を、地面の一部を震わせドッドッドッ! という鼓動に合わせて宙へと舞い上がっていく。
真紅の光は輝きを増し視界を真っ赤に染めていく……歪んだ笑みを浮かべる知恵ある者がわたくしへと叫ぶ。
「貴様をここで葬る……確実に殺し、お前の仲間も息の根を止めてこの世界を混沌の闇へと叩き落としてやるのだ!」
わたくしは不滅を虚空へと戻す……いくら折れない不滅の魔剣とはいえ相手の攻撃は魔法攻撃に近い、そして超攻撃力の範囲攻撃魔法なのだろう、それに対してはこちらも同等の魔法攻撃を繰り出した方が早いからだ。
わたくしは両手で複雑な印を結ぶと、体の奥底から魔力を絞り出していく……ここで繰り出すには普通の魔法だけじゃダメだ。
わたくしが持つ最大級の破壊力を持つ混沌を滅ぼすための究極魔法……神滅魔法でこの馬鹿でかいガラクタを一気に消滅させてやる。
「……命消え失せし最後の吐息、消える灯火の最後の雷……時は止まり終わりを告げる」
「このタイミングで魔法の詠唱だと……? だが構わん、すでに魔力の充填は終わりつつある……辺り一体を全て焼き尽くしてくれるわ!」
「我が呼びかけに従い、全てを消滅させよ……こっちも準備完了よ、どちらが強いのかはっきりと見せてやるわ知恵ある者」
わたくしは彼と七国魔道騎に向かって指を指し示す……わたくしの細い指の先に凄まじい勢いで純白の魔力が電流を伴って球体状に集約していく。
あまりに膨大な魔力の奔流は嵐となって周辺に稲妻のように吹き荒れる……全身が軋むように痛みを発している、この魔法は莫大な魔力を限界まで集約し撃ち放つとてもシンプルな魔法。
だがシンプルゆえにその破壊力は想像を絶するレベルだ……簡単に言えばブチ込んだ場所が局地的に消滅してしまうくらい、私の知識の中にある核攻撃がこれに等しい威力があるだろうか? だがそのくらいでないとあのガラクタは消し飛ばせないだろう。
わたくしと知恵ある者はほぼ同時に攻撃を繰り出す。
「我が叡智の結晶、この砲撃を喰らって生き延びたものはいない……消し飛べ辺境の翡翠姫ッ!」
「神滅魔法……雷皇の一撃ッ!」
七国魔道騎から真紅の光線が大地の一部を、木々を焼き尽くしながらわたくしへと迫るが、その光線へとわたくしの指先から放たれた純白に輝く雷球が突き刺さる。
衝突した赤と白の魔力は地を裂き、宙へと土砂と木々、岩などを巻き上げながら拮抗していく……耳をつんざく轟音と共に双方が押し合うが次第に真紅の光線が押し負けていく。
その様子を見た知恵ある者の表情が恐怖で歪み、驚きからなのか悲鳴のような声が上がる。
「……バ、バカな……こんなこと、こんなことがあるはずがない!」
「言ったでしょ、どっちが強いのかはっきりさせてやるって」
「ふ、ふざけるな……七国魔道騎! 全力だ、全力を出すのだ!」
慌てふためいたように足元の七国魔道騎を蹴りつつ、必死にその能力を最大限まで発揮させようとしているが、もうすでに遅いな。
ジリジリとわたくしの雷皇の一撃が必死に魔力を振り絞るゴーレムへと近づいていく……その様子はまるで抗えない死を前に必死にもがく小動物のようにすら見える。
ゴーレムは悲鳴のような、それでいて物悲しい雄叫びをあげて魔力の限界を迎え崩壊しつつある体を必死に支えながら、光線を吐き出し続ける。
わたくしは残された魔力を一気に絞り出すと放った雷皇の一撃へと一気に流し込んでやる……それまででも凄まじい光を放っていた魔法が一際大きく輝く。
だが、わたくしがそっと彼に語りかけた次の瞬間、限界を迎えたゴーレムの魔力回路が爆発を起こし均衡は一気に崩れ……視界の全てが真っ白な閃光ととてつもない爆発音と共に埋め尽くされた。
「……知恵ある者、あなた少しだけ強かったわ、それだけは誇りに思いなさい? わたくしシャルロッタ・インテリペリが貴方を準魔王級と認めてあげるわ」
わたくしは目の前で憎々しげな表情を浮かべる知恵ある者に向かってそう告げる。
確かにこの七国魔道騎は凄まじい能力を秘めていたのだろう、ゴーレムを動かすだけでなく形状を変化させて様々な能力を持たせたことは特筆に値する。
前世の世界ですらこんな超絶能力を持つ魔法生命体を作り出した魔法使いなどは聞いたことがない……だけど、確かにすごい技術、だけでしかないのだこんなものは。
わたくしは人間が戦うための意志を持ち、努力し悲しみを乗り越えて進んだ先に得た力を持ってすれば、どんなに強力な魔物だろうが神でさえも乗り越えられると信じている。
「貴方はそんなこともわからないのね、ターベンディッシュの腐った脳みそも大したことないわ」
「き、貴様……私が一〇〇〇年をかけて積み重ねた結晶だけでなく、神を冒涜するなど……」
「冒涜したらなんだっていうの?」
「腐死の女王……ッ!」
知恵ある者はほぼ無詠唱で以前わたくしと対峙した際に展開した混沌魔法を顕現させる……地面から真っ白な白髪に、顔が半分溶けかけた腐乱死体がのそりと姿を表していく。
結界内に死の気配を充満させあらゆる生命へと致死の魔力を叩きつけ、次第に命を削り取っていく構造さえわかってりゃなんてことはないセコい魔法である。
わたくしの前に立つ腐死の女王は蛆虫だらけの眼窩をカクカクとした動きでわたくしへと向けようとした瞬間。
「……これは一度見たわ」
わたくしはそう呟くと抜く手も見せずに剣を振るう……その場から動かずに展開されつつある結界ごと空間を切り裂いていく、超光速で繰り出した斬撃は二〇発……一瞬の間を置いて結界は細切れになり、完全顕現する前の腐死の女王はその四肢をバラバラに切断されて地面へボトボト音を立てて崩れ落ちた。
あっけに取られたのか知恵ある者は引き攣った表情のまま固まっている、切り札とも言える混沌魔法を展開前に破壊されりゃそういう顔にもなるか。
「な、あ……私の魔法を切る……? アンスラックスと同じ剣技を……」
「構造は単純、馬鹿みたいにセコい魔法だってのは前回見たわ……同じ手が通用すると思ったら大間違いよ」
足元に転がってきた腐死の女王の頭を踏みつけてからわたくしはニヤリと笑い、こともなげに哀れな不死者を粉砕する。
結界魔法と呼ばれる系統の魔法は展開して安定すれば相手を閉じ込める、外部からの攻撃を防ぐなどの効果は高いのだけど展開前、展開直後などは案外脆いものなのだ。
その弱点を解決するために様々な手法が編み出されていたりするが、まあ一瞬であれだけの斬撃を繰り出される、というのは完全にイレギュラーであったようだ。
「ぐ……これほどの能力、予想はしていたが規格外だな……だがッ!」
知恵ある者がぐにゃり、と歪んだ笑みを見せると彼の背後にあった七国魔道騎の残骸がゴオオオン! という音を立てて中へと浮かび上がる。
あれ? まだ壊れてないのこいつ……このサプライズは予想していなかったため、わたくしの表情が変わったのを見て、知恵ある者は笑みを浮かべたままゴーレムの背へと飛び乗る。
あまりに早い動きに出遅れてしまったが、それでも目の前のゴーレムは半壊している状況なのだから選択肢はそれほどないはずだ。
「そのガラクタで何をしようと……」
「調律……ッ!」
知恵ある者の言葉に合わせて、ブルブルと震えた七国魔道騎がその姿を変化させていく。
まるで巨大な砲塔のような形状へと変化すると、あたりを揺るがす地響きとともに地面へと降り立ち土煙を巻き上げた。
こいつは……巨大な砲塔に当たる部分がゆっくりと動き、その先に防御結界を展開して戦いの様子を見守っているユルとその中にいる「赤竜の息吹」、そしてマーサの姿があった。
何をする気だ……? とわたくしが知恵ある者の顔を見ると、そこには歪みきった笑顔が写っている……そこで初めてわたくしは彼の意図を認識した。
「クハハハッ……お前は勇者なのだろう? 仲間を見捨てるなぞできるはずもないよなあ?」
「……く……後悔しますわよ?」
意図を察したわたくしは全力でユル達の前へと駆け出す……あの七国魔道騎は形状通りになんらかの攻撃を繰り出す砲撃能力を有している。
目標はわたくしではなく、わたくしの愛する仲間そのもの……砲塔に凄まじい量の魔力が集中し真紅の輝きがそれまでで最大レベルに煌々と輝いている。
全ての力を使い切る気になったのか、彼は文字通り正真正銘の切り札をここで切ることにしたのだろう……しかし目的がわかっている以上、わたくしは目に見えた全てのものを守るために行動しなければいけない。
それが元勇者であったとしてもわたくしの中に流れる勇者の矜持がそれを許しはしないのだ……彼らの前へとわたくしは立ち塞がると、七国魔道騎の砲塔に光る魔力を凝視する。
「シャルロッタ様ッ!」
「……すごい魔力……絶対に結界から出てはいけませんわ!」
膨大すぎる魔力の集約は、天候すら大きく変化させていく……それまでなんてことはない晴れた空が巨大な魔力に変質させられ、ドス黒い黒雲が渦巻く不気味な空へと変化していく。
ビリビリと肌を通じて感じる莫大な魔力が周りにある岩を、地面の一部を震わせドッドッドッ! という鼓動に合わせて宙へと舞い上がっていく。
真紅の光は輝きを増し視界を真っ赤に染めていく……歪んだ笑みを浮かべる知恵ある者がわたくしへと叫ぶ。
「貴様をここで葬る……確実に殺し、お前の仲間も息の根を止めてこの世界を混沌の闇へと叩き落としてやるのだ!」
わたくしは不滅を虚空へと戻す……いくら折れない不滅の魔剣とはいえ相手の攻撃は魔法攻撃に近い、そして超攻撃力の範囲攻撃魔法なのだろう、それに対してはこちらも同等の魔法攻撃を繰り出した方が早いからだ。
わたくしは両手で複雑な印を結ぶと、体の奥底から魔力を絞り出していく……ここで繰り出すには普通の魔法だけじゃダメだ。
わたくしが持つ最大級の破壊力を持つ混沌を滅ぼすための究極魔法……神滅魔法でこの馬鹿でかいガラクタを一気に消滅させてやる。
「……命消え失せし最後の吐息、消える灯火の最後の雷……時は止まり終わりを告げる」
「このタイミングで魔法の詠唱だと……? だが構わん、すでに魔力の充填は終わりつつある……辺り一体を全て焼き尽くしてくれるわ!」
「我が呼びかけに従い、全てを消滅させよ……こっちも準備完了よ、どちらが強いのかはっきりと見せてやるわ知恵ある者」
わたくしは彼と七国魔道騎に向かって指を指し示す……わたくしの細い指の先に凄まじい勢いで純白の魔力が電流を伴って球体状に集約していく。
あまりに膨大な魔力の奔流は嵐となって周辺に稲妻のように吹き荒れる……全身が軋むように痛みを発している、この魔法は莫大な魔力を限界まで集約し撃ち放つとてもシンプルな魔法。
だがシンプルゆえにその破壊力は想像を絶するレベルだ……簡単に言えばブチ込んだ場所が局地的に消滅してしまうくらい、私の知識の中にある核攻撃がこれに等しい威力があるだろうか? だがそのくらいでないとあのガラクタは消し飛ばせないだろう。
わたくしと知恵ある者はほぼ同時に攻撃を繰り出す。
「我が叡智の結晶、この砲撃を喰らって生き延びたものはいない……消し飛べ辺境の翡翠姫ッ!」
「神滅魔法……雷皇の一撃ッ!」
七国魔道騎から真紅の光線が大地の一部を、木々を焼き尽くしながらわたくしへと迫るが、その光線へとわたくしの指先から放たれた純白に輝く雷球が突き刺さる。
衝突した赤と白の魔力は地を裂き、宙へと土砂と木々、岩などを巻き上げながら拮抗していく……耳をつんざく轟音と共に双方が押し合うが次第に真紅の光線が押し負けていく。
その様子を見た知恵ある者の表情が恐怖で歪み、驚きからなのか悲鳴のような声が上がる。
「……バ、バカな……こんなこと、こんなことがあるはずがない!」
「言ったでしょ、どっちが強いのかはっきりさせてやるって」
「ふ、ふざけるな……七国魔道騎! 全力だ、全力を出すのだ!」
慌てふためいたように足元の七国魔道騎を蹴りつつ、必死にその能力を最大限まで発揮させようとしているが、もうすでに遅いな。
ジリジリとわたくしの雷皇の一撃が必死に魔力を振り絞るゴーレムへと近づいていく……その様子はまるで抗えない死を前に必死にもがく小動物のようにすら見える。
ゴーレムは悲鳴のような、それでいて物悲しい雄叫びをあげて魔力の限界を迎え崩壊しつつある体を必死に支えながら、光線を吐き出し続ける。
わたくしは残された魔力を一気に絞り出すと放った雷皇の一撃へと一気に流し込んでやる……それまででも凄まじい光を放っていた魔法が一際大きく輝く。
だが、わたくしがそっと彼に語りかけた次の瞬間、限界を迎えたゴーレムの魔力回路が爆発を起こし均衡は一気に崩れ……視界の全てが真っ白な閃光ととてつもない爆発音と共に埋め尽くされた。
「……知恵ある者、あなた少しだけ強かったわ、それだけは誇りに思いなさい? わたくしシャルロッタ・インテリペリが貴方を準魔王級と認めてあげるわ」
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