1,527 / 1,955
冒険者ギルドとの協力
しおりを挟む「すまんなリク殿、モニカ殿。アマリーラとリネルトを任せる事になってしまった」
「いえ、構いませんよ。それに、味方というか仲間は多い方がいいですから。これからの事を考えれば特に」
「私も気には……していないと言うと嘘になりますけど。二人共、魅力的な女性ですし、リクさんの近くにまた増えると考えると。でも、心強い味方であるともわかっていますから」
アマリーラさんと話すため、部屋を出て行ったリネルトさんを見送った後、頭を下げるシュットラウルさんに、首を振る俺とモニカさん。
途中、モニカさんがモゴモゴと何かを言っていたようだけど……多分、俺の近くに女性がとか、考えているんだろうなぁ。
これまではわからなかった事も、今はなんとなくわかるようになっている。
それは魔力量とかは一切関係なく、モニカさんを俺自身が意識するようになって、表情や仕草から、どう思っているかを俺自身が考えるようになったからだろうと思う。
この場では他の人が多くてさすがに言えないけど、アマリーラさんとリネルトさんは……その耳とか尻尾とかのモフモフは気になるけど、仲間としてであって女性として魅力的だとしても、気持ち的にはモニカさんしか見えていないよ。
と、心の中だけで伝えておいた……当然伝わらないけど。
いつか話す機会を持とう。
「そうだな。リク殿は、クランを作るんだったか。冒険者としての組織だから、私としては少々扱いが難しくなるが……帝国との事を考えると、私としても心強いな」
「はい。まぁ本来は表立ってどちらの国につくか、というのは言わない方がいいんでしょうけど」
「うむ。だが、誰にでも言いふらすとかでなければ問題ないだろう」
一応、冒険者ギルド自体は中立であって、戦争とか国同士のあれこれにはあまり関わらないようだけど。
ただ登録している冒険者がどうするかは自由意思だ。
とはいえ、シュットラウルさんの言っている通り、あまり大っぴらにするものじゃないし、登録してあるパーティ以外の人を誘ったりするのもご法度。
まぁ俺の場合は、クランを作って帝国についていると思われる他の冒険者や、使ってくるであろう魔物に対してだし、マティルデさんからの要請もあるため、グレーゾーンだけど咎められる事はなさそうだ。
あとは、どこかの国の味方をするためとか、戦争に参加するために人を集めるのではなく、クランを作ってその方針として帝国に対するからね。
こちらもグレーゾーンで結構ギリギリだけど、一応名目としては立つみたいだ。
あと、当然ながらクランに参加してくれた人でも、戦争には関わりたくないと言うなら強制する事はできないんだけども。
「センテもヘルサルも、両方のギルドマスターは承知して下さっています。センテでの事や、裏ギルドの事などもあって、リクさんのクランが帝国に対するのは賛成との事です」
「うむ、話は聞いている」
モニカさんの言葉に、シュットラウルさんが頷く。
センテのベリエスさん、ヘルサルのヤンさん、共に冒険者ギルド支部のマスター達だけど、俺がクランを作って冒険者を集め、帝国との戦争に参加する可能性についても伝えてある。
当然こちらも表立って賛成を公言できないので、ここだけの話になるけど。
あと、裏ギルドに関しては俺がレッタさんと話した後に、シュットラウルさん達が聞き出してもいた。
確定ではなくおそらくあるんだろう、という予想ではあったけどレッタさんの証言で、裏ギルドがあるのは確定。
さらに、帝国にある冒険者ギルドのほとんどがそれに関わっており、全てのギルド職員や冒険者がとまでは言わないけど、大半が関係者になるとの事だ。
というより、レッタさんのいた組織……魔力貸与された成功例の人達が所属していた組織の、下部組織みたいになっているんだとか。
完全にズブズブの関係と言えるだろう。
「あと、冒険者の出身というか、どこから流れてきたかですけど……」
「そちらも、マルクスと協力して手配している。まぁ我々だけでは不十分だから、冒険者ギルドにも協力をしてもらう事になっているぞ。センテはまだ外から人が入ってくる事はないから問題ないがな」
裏ギルドと帝国の関係の情報がレッタさんからもたらされた事により、アテトリア王国にいる冒険者も身元を調べる必要性が発生した。
基本的に冒険者は国境を越える時でもない限り、出身国やどの国で活動していたかは重要視されないし調べられない。
街に入るのも、冒険者カードで一応の身分証代わりになるし。
けど、帝国の冒険者ギルドがほぼ裏ギルドとなっている事で、帝国出身の冒険者や、帝国での活動歴のある冒険者を調べて、あぶり出さないといけなくなったわけだね。
センテにいる冒険者……ヒュドラー戦でも逃げ出さずに協力してくれた人達だ。
ここ数日でベリエスさんやマルクスさんが調べていたみたいだけど、その人達の中に、帝国出身などの冒険者は二人だけしかいなかった。
逆に、ヒュドラー戦前に逃げ出した冒険者や、その前のセンテが魔物に囲まれる前後で姿をくらませた冒険者の足取りを追うと、多くが帝国出身だったりこの国に来る前は帝国で活動していたとか。
とくに後者の、魔物にセンテが囲まれる前にいなくなった冒険者は、全員がそうだったとの事だ。
東から来るヒュドラーに対し、逃げ出した冒険者は西のヘルサルに逃げたみたいだけど、そちらはほとんど関係なかったとか。
まぁ、ヒュドラーは伝説的な魔物らしいから逃げ出したくもなるし、その前に皆と協力してセンテを守ってくれていた人達だからね。
ちなみに、すぐに連絡が取れるヘルサルの方では、一部の兵士さんが物資を運ぶワイバーンに乗ってセンテから戻っており、出入りする人を冒険者ギルドと協力して見張ってくれている。
という話をシュットラウルさんとした。
「ヘルサルの冒険者ギルドからは、我が国にある全てのギルド支部に通達を送るとの返答も来ている。冒険者達からは、少々反発があるだろうが……」
「まぁ、誰でも調べられるのは面倒ですからね。今までなかったのに」
「そうだな。だが、今のうちに膿をあぶり出しておかねば今後我々だけでなく、冒険者ギルドも面倒な事になってしまう恐れがある」
「真面目に活動している冒険者も、巻き込まれかねませんからね」
これまでなかった事、特に調べられるというのは疑いを掛けられているのと一緒だ。
だから、反発はあるだろうけどやっておかなきゃいけないんだろう。
シュットラウルさんは膿と言ったけど、いざ帝国と事を構える際、アテトリア王国内から工作でもされたら国だけじゃなく冒険者ギルドとしても、面倒では済まされない問題になりかねないからね。
当然、そのギルドに所属しているなんの罪もない冒険者も、下手をすると立場が危うくなるし。
帝国出身や活動歴のある冒険者が、全て裏ギルドに関わっているわけではないんだろうけども。
そんな風に、シュットラウルさんといくつかの確認の話をしつつ、リネルトさんがアマリーラさんを言い含める……というか、表向きは配下とかではなく仲間、という事に納得させてくれるのを待った――。
0
あなたにおすすめの小説
異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜
沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。
数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。
【完結】竜騎士の私は竜の番になりました!
胡蝶花れん
ファンタジー
ここは、アルス・アーツ大陸。
主に5大国家から成り立つ大陸である。
この世界は、人間、亜人(獣に変身することができる。)、エルフ、ドワーフ、魔獣、魔女、魔人、竜などの、いろんな種族がおり、また魔法が当たり前のように使える世界でもあった。
この物語の舞台はその5大国家の内の一つ、竜騎士発祥の地となるフェリス王国から始まる、王国初の女竜騎士の物語となる。
かくして、竜に番(つがい)認定されてしまった『氷の人形』と呼ばれる初の女竜騎士と竜の恋模様はこれいかに?! 竜の番の意味とは?恋愛要素含むファンタジーモノです。
※毎日更新(平日)しています!(年末年始はお休みです!)
※1話当たり、1200~2000文字前後です。
ガチャと異世界転生 システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!
よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。
獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。
俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。
単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。
ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。
大抵ガチャがあるんだよな。
幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。
だが俺は運がなかった。
ゲームの話ではないぞ?
現実で、だ。
疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。
そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。
そのまま帰らぬ人となったようだ。
で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。
どうやら異世界だ。
魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。
しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。
10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。
そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。
5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。
残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。
そんなある日、変化がやってきた。
疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。
目を覚ますと雑魚キャラになっていたけど、何故か最強なんです・・・
Seabolt
ファンタジー
目を覚ますと雑魚キャラに何の因果か知らないけど、俺は最強の超能力者だった・・・
転生した世界の主流は魔力であって、中にはその魔力で貴族にまでなっている奴もいるという。
そんな世界をこれから冒険するんだけど、俺は何と雑魚キャラ。設定は村人となっている。
<script src="//accaii.com/genta/script.js" async></script><noscript><img src="//accaii.com/genta/script?guid=on"></noscript>
異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?
よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ!
こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ!
これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・
どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。
周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ?
俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ?
それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ!
よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・
え?俺様チート持ちだって?チートって何だ?
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる