素材採取家の異世界旅行記

木乃子増緒

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295 / 298
18巻

11

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「美味い」

呆然とするショペンの手には、半口だけかじられたマドレーヌ。
完全回復薬をベースに、滋養強壮、体力回復、栄養補助、疲労箇所快癒、欠損箇所復元――という、これも完全回復薬を飲んだ時と同じ効能じゃないの? という焼き菓子が出来てしまったのだ。

いやいや、俺がイメージしていたのは激務に負われるベルミナントやグランツ卿が片手間で食べられるような、そんなおやつ感覚に食べられて肩こりも取れたらラッキー、くらいなものを想像していたんだ。

完全回復薬は万能薬ではあるが、魔素に過敏な人、若しくは魔力が少ない人にはあまりお勧めできない劇薬でもある。なんせ完全回復薬は魔素水に近い魔素含有量だからな。魔力欠乏症の人には魔力を補いつつ怪我を治す優れもの。
ショペンはクレイとの再会に喜び、感動し、涙し、そして毒を盛られ後遺症で歩くことができなくなった己を恥じていた。

帝国の元竜騎士団団長だ。体力には自信があったのだろう。
盛られた毒が強すぎたんだな。

ショペンの身体の状態を軽く調査先生に聞いてみれば、『赤雫茸(あかしずくたけ)』と呼ばれる猛毒の毒キノコを食事に混入されたようだ。
赤雫茸は王国ではクリムゾン・エヴァルと呼ばれる猛毒。毒であるがしかし、錬金術や魔道具、などにも使われる魔力が豊富に含まれるキノコなのだ。魔素が濃い森の奥で採取可能。冒険者ランクはCより上の技術が必要になる。俺もベルカイムの薬師に頼まれて採取したことがある。

薄暗い森の巨木の下に雨上がりの時にだけ生まれるキノコ。真っ赤でまんまるで、ぷっくりとした見た目から赤雫茸と呼ばれている。根っこの土ごと採取しなければしぼんでしまうので、採取が面倒なんだよ。しぼんだら効能はなくなるし、含んでいる魔素も霧散する。
そんなわけで、俺が密かに開発していた『全力マドレーヌ』を食べてもらったわけだ。
先にクレイが一口で食べてしまうと、続いて家令のヘームスケルクが「失礼」と言いながら食べた。毒味だろう。

「この焼き菓子はこれなるタケルが開発したもの。一つ口にすれば身体の不調をたちどころに正す効能がある」

クレイが少しだけ誇らしげに説明すると、執事のクノクローフもマドレーヌを口にした。

「クレイストン、貴殿の言いしことを疑ったわけではないのだが……どういうわけか、俺の胃痛が消えた」
「俺はしばらく続いた頭の痛みが晴れやかになったぞ」

ヘームスケルクとクノクローフが信じられないと己の身体をぺたぺたと触って確かめていた。
胃痛、頭痛、わかるよ。主人であるショペン公爵が毒殺されそうだったんだからな。おまけに安らげるはずの屋敷内部でも厳戒態勢。きっと眠る時すら緊張していたのだろう。
魔道具について子供のように目を輝かせてアレコレ聞いてくる主人を持つ部下というのは、気苦労が絶えないはずだ。いろんな意味で。

「こちらの焼き菓子は王国でもごくごく一部ものにしか知られていない特注品です。閣下はもともとの魔力が高うございましたので、こちらの『全力マドネーヌ』で身体の悪しきところを治癒することができました」

俺がツラツラと話すと、ショペンは目を輝かせながらマドレーヌを更に一口。
ショペンの掌の五分の一くらいしかない大きさのマドレーヌだというのに、ちみりちみりと食べる姿はなんとも言えない。
全力マドレーヌは一人一つまでと決まっている。それ以上食べてしまうと、大量の魔力に苦しめられることになる。主に胃もたれ、下痢。

「味も素晴らしい。砂糖の塊かと言うほど甘い菓子は好かんが、これはなんとも芳醇な香りと奥深き甘みを感じる。うむうむ、美味い」

ショペンはマドレーヌの美味しさに感動しているが、感動してほしいところはそこではない。
顔色が悪かったショペンの肌は、みるみると赤みがさした健康的な色へと変化していった。
痩せ衰えた身体をマッチョに戻す効能はないが、少なくとも気だるさや食欲不振、なんともいえない調子の悪さは全て消え去ったはず。

「旦那様、お身体の不調は如何でございましょう」

ヘームスケルクが腰を降ろし、ショペンの身体を気遣う。
ショペンはマドレーヌを全て食べてしまうと、しばらく目を閉じた。
沈黙が続く中、俺は何の効能も持たない量産型マドレーヌを応接用の長机の上に出した。

「……あ? 腹の臓腑が焼け付くようだった痛みが消えたが……肩と腰の痛みも……まさか!」
「旦那様!」
「旦那様!」

クノクローフとヘームスケルクの声が重なる。
ショペンが目をガッと見開いて突然勢いよく立ち上がったのだ。

「痛く、ないぞ。痛くない。どこも、辛くも、苦しくもない……!」

見てみろとばかりにショペンは仁王立ちしてみるが、いくら完全マドレーヌで身体の不調は改善されたとはいえ失った体力と血液はそのままなので。

「おうふ!」
「旦那様!」
「旦那様!」

そりゃ急に動いたら貧血にもなるよね。
ショペンはぐらりと眩暈を起こすと、そのまま車椅子へどすんと腰を落とした。家令・執事コンビが「無理をするな」とショペンを静かに睨むと、ショペンは肩を落として反省のポーズ。仲良しだね。

「閣下は血を失っておりますので、こちらの造血剤をお飲みください」

俺が鞄から造血剤・リンゴ味の入った小ビンを取り出すと、クレイが手を伸ばして先に毒味をしようとした。だがしかし、それをショペンが制する。

「貴殿が信を置く仲間なのであろう?」

ショペンはニヤリと笑うと、俺から小ビンを受け取った。
コルク栓を外し、家令・執事コンビが制止する前に造血剤を飲み干す。
こちらの造血剤、アルツェリオ王国内の冒険者ギルドで取り扱い中。リンゴ味にしたのは、従来の造血剤が泥臭く飲めたものではなく、飲みたくないがために出血多量で亡くなった冒険者が多数いるという哀しい過去があるゆえ味を改良した。
薬師や錬金術師らに無料で調合法を開放しているので、造血剤リンゴ味はあっという間に王国内に広まった。
造血剤を全て嚥下したショペンは、開口一番に叫んだ。

「美味ぁ!」
「それは良かったです」
「造血剤? 本当に、この果実水のようなものが造血剤なのか?」
「はい。効果は折り紙付きです。お子様にも大人気。ですが、無理は禁物です」
「うむっ……」

俺が微笑みを添えてチクリと告げると、ショペンの視線が気まずそうに中空へと逸れる。

「閣下のお身体は休養が必要です。ごゆるりとお身体を休ませて、先ずはストレッチ……そうですね、寝台の上でお身体をほぐすところから始めてください。明日の朝から屋敷の外周を走るだとか」
「うぐっ」
「剣を振るだとか」
「ぬうっ」
「やたら重たいものを持って身体にめちゃくちゃ負荷をかけての腹筋などは、何が何でも禁止です」
「なんとっ」

いや驚くなよ。
俺がショペンに各種運動の禁止令を言うと、執事・家令コンビは深く深く頷いていた。

「再度申します。閣下のお身体には休養が必要なのです。こちらの防音・結界・対魔法結界魔道具は全て閣下に献上いたしますので、今夜からは安心してお休みください」

せめて屋敷の一部分だけでも安心安全に暮らせるのなら、身体も心も休めるのではないのだろうか。
そしてついでとばかりに俺がスッスに目配せをすると、スッスは腰に下げた巾着袋から様々な色の石がついた首かざりを数十個取り出した。

「こちらの首かざりは全て結界魔道具となっております。首から下げ、石に触れながら『起動』と詠唱してください。どんな刃もどんな攻撃魔法も、悪意のあるものは全て防ぐことができる個人使用の魔道具となっております」

ショペンに献上するものは目録にして魔紙に記してある。この目録にはバイリー商会の身元保証人である、アルツェリオ王国大公閣下であらせられるグラディリスミュール大公閣下の印判付き。

「結界魔道具は帝国にもあるが……悪意のあるものを防ぐ、とな?」

目がきらきらと輝くショペンに、俺は説明を続ける。

「もしも何の事情も知らぬ者が故意ではなくとも閣下に毒を盛ろうとしたらば、毒自体が魔道具所有者の身体を脅かすと判断し、毒を跳ねのけます」
「そのような識別が可能なのか!」
「あと、転んでも怪我しません」
「なんと!」
「毒霧攻撃も効きません」

Bランクのモンスターの攻撃も恐れる必要はなくなる。
この個人用結界魔道具は王国の騎士団をはじめ、警備兵団、冒険者ギルド、各種ギルドにランク別に販売している。購入できるのはより危険な場所に赴くランクCの冒険者から。ひとつ五十万レイブと高額なので、安易に手は出せない設定。

誰でも結界魔道具で安心安全になってしまうと警戒心を怠ってしまうようになる。もし結界魔道具が起動しなかった場合も想定できないようであれば、身に着ける資格はない。
貴族向けの豪奢な飾りになると値段は跳ね上がり、完全オーダーメイド。最低価格は五百万レイブなのだが、これはグランツ卿の審査が入るのでお金を出せば買える代物ではない。

「こちらの首かざりは家令殿をはじめ、閣下が御守りしたいと願う方に差し上げてください。そして、こちらの胸飾りが閣下専用の結界魔道具になります」

スッスは姿勢正しく小箱に入った胸飾りを執事に渡すと、執事が小箱を開き確認してからショペンへと渡した。小箱を開いた瞬間、執事の顔が少しだけ引きつった。
ショペンは小箱に入った胸飾り型魔道具を見て目を開き、感嘆の声を漏らす。

「おおお……なんと美しい飾りなのだ。クローフが驚くのも無理はない。これは……白銀ではないな。もしや、ミスリルか?」
「はい。土台にミスリル、イルドライト、黄金、純白砂。アルツェリオ王国の名工鍛冶職人のグルサスの手によって鍛造されたものになります」
「ドワーフの名工であるな。我も聞き及んでおる」
「魔石は純度の高いミスリル魔鉱石。加工は主に手先が器用なエルフ族に任せました」
「ミスッ……? このような大粒の魔鉱石は帝国内でも滅多に見られない。そのうえ、エルフ族がこの細工を施したのか? なんとも美しい芸術作品ではあるが、このような品は皇帝陛下に献上するべき品なのではないか?」

ぶっちゃけてしまうと、クレイの友人であるショペンのためならばとグルサス親方たちが気合を入れて造ってくれたのだ。見ず知らずのお隣(となり)帝国の皇帝陛下よりも、クレイの友人の命の方が大切なのだ。

「皇帝陛下にはこちらの品をご用意いたしました」

俺が言うと、スッスは再び巾着袋に手を入れショペンに渡した箱よりも大きな箱を取り出した。
スッスがショペンたちに見えるよう箱を開くと、そこには豪華絢爛な首かざりが純白の絹に包まれて輝きを放っていた。

「おおお……なんと美しい。帝国の宝となるべきにふさわしい品であるな」

ショペンは褒めてくれるが、ぶっちゃけるとショペンに渡した胸飾りのほうが価値は高い。
皇帝陛下に渡す予定のこの首かざりは、純銀と純金を混ぜた青金と呼ばれる土台で造られている。濃紺色の宝石は魔石ではなく、価値はあるが何の魔力も持たないただのカフル・ゴルデと呼ばれる貴族に人気の宝石。グルサス親方の一番弟子が土台を造り、宝石のカットはコポルタ族。細工はエルフ族で仕上げはアルナブ族。

うずらの卵より大きな宝石はベルミナントが用意してくれた。宝石だけでも五千万レイブという驚きの価格なのだが、『ドワーフの手が入った青金』が宝石の数倍の価値があり、そこへ希少種族らの手伝いもあるとなれば付加価値が付く。ドワーフは武器鍛冶が命であり、装飾品に携わることは殆どないからな。

無論、宝石のカットも細工も仕上げも飾り職人から学んだ者たちが精魂込めて作っている。
宝石を用意してくれたベルミナントにお礼をと言ったのだが、ベルミナントは宝石なんぞ金を出せば買えるものならばいくらでも渡すと宣言。蒼黒の団には世話になっているから何も要らないと言われてしまった。そこまで言うのならばと、俺はベルミナントに一口完全マドレーヌを保管箱に入れて三ダース渡しておいた。何故か呆れられたが返品不可。
――この輝きと大きさならば帝国の皇帝陛下も喜ぶだろう。いや、これを見て欲しいと願わぬ権力者などおらぬはずだ。
と、グランツ卿のお墨付き。ついでに王都商業ギルドの一級鑑定士が記した鑑定書もついている。

「この宝石は何という名前なのだ?」

ショペンに問われ、俺は宝石に名前なんてあるの? と逆に聞きそうになった。
その思いを込めてクレイに視線を移すと、クレイは瞬時に眉根をぎゅんっと寄せ、視線をブロライトに移す。ブロライトはとんでもないとスッスを険しい顔をして見下ろした。ビーはスッスの言葉を期待しながら待機。
スッスは困惑しながらも必死に言葉をひねり出した。

「……大海(たいかい)の貴婦人?」

濃紺の宝石はなるほど深い海の色を連想する。
咄嗟のこととはいえ、首かざりにふさわしい名づけをしてくれたスッスに拍手。

「ピュピュ」
「そうだ。大きな海の色に似ているからだな。豪華だけども気品を感じさせるから、貴婦人」

ビーに名づけの意味を問われ説明する。スッスが最近覚えた言葉が「貴婦人」であることは黙っておこう。グランツ卿の奥方のような品のある女性のことを貴婦人と言うのだと、何故かエルフの執政官であるアーさんに教えてもらっていた。
帝国に入れば貴族との謁見が増えるだろうということで、蒼黒の団は全員マナー講座というか、ここらへん弁えておけば失礼になりませんよ、という行儀や礼儀は学んできたのだ。
貴族特有の遠回しな言い方などは未だ理解しにくいけども。

「大海の貴婦人。うむ。とても素晴らしい品だ。海王イドゥボルクの貢ぎ物にしても良いほどの品だ」
「こちらの品は王国のルセウヴァッハ領が領主、ルセウヴァッハ伯爵様より託された品でございますれば」
「うむ。献上の際には必ずそのことも伝えよう。出来るのならば聖竜卿が陛下へと献上されるのが良いのだが」

ショペンが爽やかな笑顔でクレイに言うが、クレイは顔を左右に振って否と応えた。

「今の陛下は信用に値せぬ」

言葉にしてしまうと不敬なのだが、クレイの本音がそこにあった。
クレイの言葉を咎めないということは、ショペンも同じ気持ちがあるのだろう。
昔は忠誠を誓っていた相手だとしても、今の皇帝陛下は信用に値しない。
サテル殿下の現状を思えば、クレイの気持ちは痛いほどわかる。
そしてクレイは無表情のまま、声を潜めて一言。

「サテル殿下の御身は無事だ」
「なっ!」
「理由は決して聞くな。ただ、今は安全な場所にて健やかに過ごされておる、とだけ」

まさか人様の領地の森で勝手に診療所を造って療養中ですよ、とは言えまい。サテル殿下が移動できるようになったら、バイリー商会の店舗でも安全な場所に移動すれば良いのだ。
クレイの言葉にショペンは驚くが、即座に居住まいを正して軽く頷いた。

「後々、理由を話しては貰えるのだな?」
「全てを。だがしかし、話す前にこの屋敷を取り巻く有象無象を払わねばなるまい」

クレイが視線だけを天井の隅へと移すと、ショペンは執事クノクローフと家令ヘームスケルクに命じた。

「冷えた茶を淹れなおせ」

よほどクレイを信用しているのか、ショペンは無理やり問いただす力を行使しなかった。
もしもショペンがクレイではなく、俺に一言命じれば俺は全てを話さなければならなかった。だがしかし、その選択を選ばなかった。
お人好しだとは聞いていたが、初対面の俺たちだけでも警戒心は持って欲しいなあ、なんて。
俺は眠たそうに目を擦るビーの腹を撫でながら、ショペンの懐の広さに感心してしまった。




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