16 / 26
社長は秘書を溺愛したい!
しおりを挟む
今日の紗凪も実に可愛かった。
一人、車内で先ほど別れた紗凪のことを思い出すと思わず笑みが溢れてしまう。
家に戻るだけの夜道でも退屈しない。
「本当は家に連れて帰りたいぐらいだったな」
ハンドル片手にふと呟く。
今日はその想いが溢れてしまい、紗凪のマンションの下、車内でキスをしてしまった。
しっかりと紗凪を家まで送り届けて。
『もう着いちゃった』とか、好きな女に残念そうに言われると流石に我慢が出来なかった。
気がつくと紗凪を抱き寄せ、キスをしていたのだ。触れた柔らかな唇に、圧倒的な幸福感を感じた。
刹那にもっと紗凪が欲しいという欲望が顔をもたげる前に、直ぐに唇を離した。
それでも今も俺の唇には紗凪の感触が残っていて。赤信号で車が止まるとつい、自分の唇に触れてみた。
「全くこれじゃ、思春期の子供と変わらないな」
苦笑してぱっと唇から手を離し。赤信号の光を見つめる。
キスをしたせいか、紗凪のことが頭から離れられなくなり。自然と高校生のとき、告白して真っ赤になった紗凪を思い出していた。
あの時の紗凪は今よりもふっくらとしていたが、昔は昔で可愛いと思っている。
もちろん、今の紗凪も可愛いことに変わりない。むしろ昔より過ごす時間が多くなり、愛しさは募るばかり。
そもそも俺は体型のことなど、なんとも思わなかった。当時は触ったら柔らかそう。もちもちしてそう。とか──本人には言えないが、胸の大きさに魅力を感じたこともある。
でもあのとき。実際に俺が触れることが出来たのは手首だけ。その名残り惜しさは苦い思い出に違いない。
しかも他のどうでもいい、外野の言葉に惑わされてしまったこと。
一度は告白を受け入れて貰ったのに次の日には振られてしまったことは、どうしても忘れられなかった。
それでも自分なりに過去を引き摺るのは良くない。他の誰かと付き合ってみたら紗凪のことは忘れるだろうと思って、他の女性と付き合ってみたが、しっくりと来なかった。
それは俺が大人になったから。環境が変わったから。自分の将来は社長だと固定されていて、そのうちお見合い結婚でもするんじゃないのかと。どこか冷めた感情を抱いていて、誰にも本気になれなかった。
などと理由を付けては自分を納得させていた。
けど、あの日。お祖父様が紗凪を社長室に連れて来たとき。一目でそれが青樹紗凪だと分かった。
そして懐かしさや愛しさが一瞬で鮮やかに蘇り。俺はこの人がまだ好きだから、忘れられなかった。だから他の人に本気になれなかったんだと理解した。
「次は二度と離さない。諦めない」
赤信号から青信号に変わり、握ったハンドルに力が入る。
再会し、紗凪が仕事を頑張りたいことや赤井社長の元で理不尽な目に遭ったことも把握した。
紗凪に昔のことを問う前に、当たり前ではあるが社長と言う職務を真面目に取り組むことが、紗凪との距離も詰めれるのではと仕事に励んだ。
その矢先──赤井社長が怪しいサプリで、紗凪を落とし入れようとした。
そして俺は過程や結果はどうあれ、紗凪に触れた。
気持ちは昂ったが、サプリで気持ちを惑わされた彼女を抱く気にはならなかった。
そんなことをすれば、赤井社長だと一緒だと分かっている。
だから紗凪が気を失ったあとは速やかに病院に運んだ。
紗凪の体が心配だった。
その後、経過も良く。俺の心情を紗凪は分かってくれていてホッとした。
「本当に大事に至らずで良かった……」
大通りを抜けると、風景が都会の夜から静かな夜へと変わり。周りを走る車の台数もトラックなどの大型車も減って、走りやすくなってきた。
目にしたコンビニに今日の食事は何しようかと思う。本当は紗凪と一緒に食事がしたかったが明後日、出張に行く先方の資料を家でまとめたかったのだ。
「家にまだ冷凍食品の残りがあったな。それで軽く食べようか」
両親から送られてきたレストランの冷凍食品は、こういうとき重宝する。
多忙な両親を持ち。昔から家庭の味には縁がなくて当時は不満に思ったことがある。
それも今になっては親の気持ちが理解出来るし、何よりも料理上手な紗凪を好きになる切っ掛けにもなったので今は両親に思うことは何もない。
思うことがあるとすれば──俺の関心は紗凪ことだけ。
サプリからの一件以降、俺と紗凪の昔の誤解は解け。互いの気持ちは同じものだと分かった。
しかし紗凪は俺と付き合うにはもう少し時間が欲しいと、悩ましい胸のうちを正直に言ってくれた。
それは紗凪の仕事にかける思い。
社長と付き合う心構えが欲しいと言われた訳である。
もちろん紗凪の意思は尊重したい。
俺も心より先に身体に触れたと言う負い目があったから。今度こそ紗凪の心を大事にしたい。
しかし。
これは紗凪から焦らされているのでは? とかも少し思ってしまう。
「まぁ、どんな事をされても紗凪は本当に可愛い女性だから」
己の惚気に苦笑してしまうが、それも可愛い紗凪の為なら我慢しよう。
焦らされた分だけ紗凪に俺の気持ちを受け止めて貰うだけ。
とは言っても、仕事が終われば俺も自分の気持ちを抑えることなく紗凪に接している。
それは高校時代、何も言えなくて別れてしまったから。好きだと言う気持ちは伝えたいのだ。
この我がままはだけは許して欲しい。
──と、少々考えていたら車は家の近くまで来ていて、あっという間の帰路だった。
この辺りはどこも壁が高い閑静な住宅街。
紗凪のことを考えていると自分の家を通り過ぎてしまいそうだと、また苦笑するのだった。
家に帰ると食事をしてから資料のまとめ。キセイ堂のwebで間も無く公開されるディザーPVをチェック。
キリのいいところで切り上げて、デスクワークで肩が凝ったので軽く筋トレ。
ルーティンワークのようにこなして、風呂に入ろうと思った。
自宅の風呂は一人暮らしにしては広くて大きい。この家はそもそも、両親とお祖父様から社長就任祝いとして貰った家。
ここに未来の俺の家族と住めるようにと作られたらしく、家族が住みやすいように家は設計されていた。
だから風呂やシャワーも最新式のもの。
落ち着いたモスグリーンのバスルームとパウダールームは、ガラスの仕切りで開放感がある。
パウダールームもホテルライクな作りで、横に広く。鏡は大きく、清潔感を引き立てる。
「紗凪とか喜んでくれそうだけどな」
そんな他愛ないことを言いながら、パウダールームで服を脱ぎ風呂に入る。
これもルーティンのようにシャワーでまずは体の汗を流して、体と髪を洗い。湯船に浸かろうとしたとき身体に──下半身に障りがあった。
「……っ」
再びシャワーのコックを捻り。シャワーヘッドの水流モードをミスト状態にして、温度も少し下げた。
サァァと心地よい水流が肌を伝う。
直前、紗凪のことを考えていただろうか。それとも別れ際にキスをして、体がまだ熱を覚えていたと言うのだろうか。
もしくは──最近一人で処理をしていなかったからか。
色々と理由を考えると、触りはどんどん大きくなり。シャワーの水温より熱を持ち始めた。
「これも紗凪のせいだ」
ここに紗凪がいたら、紗凪に鎮めて欲しいが居る訳もなく。
さっさと熱を解放しようと思った。
思うのは紗凪のこと。あのホテルでの続きがあればと、秘めやかな妄想をする。
とろんとした紗凪の色っぽい表情。
俺の首に手を回し『抱いて』と囁く紗凪──。
そう思い描くだけで、急速に熱を持った自身にそっと手を触れたのだった。
一人、車内で先ほど別れた紗凪のことを思い出すと思わず笑みが溢れてしまう。
家に戻るだけの夜道でも退屈しない。
「本当は家に連れて帰りたいぐらいだったな」
ハンドル片手にふと呟く。
今日はその想いが溢れてしまい、紗凪のマンションの下、車内でキスをしてしまった。
しっかりと紗凪を家まで送り届けて。
『もう着いちゃった』とか、好きな女に残念そうに言われると流石に我慢が出来なかった。
気がつくと紗凪を抱き寄せ、キスをしていたのだ。触れた柔らかな唇に、圧倒的な幸福感を感じた。
刹那にもっと紗凪が欲しいという欲望が顔をもたげる前に、直ぐに唇を離した。
それでも今も俺の唇には紗凪の感触が残っていて。赤信号で車が止まるとつい、自分の唇に触れてみた。
「全くこれじゃ、思春期の子供と変わらないな」
苦笑してぱっと唇から手を離し。赤信号の光を見つめる。
キスをしたせいか、紗凪のことが頭から離れられなくなり。自然と高校生のとき、告白して真っ赤になった紗凪を思い出していた。
あの時の紗凪は今よりもふっくらとしていたが、昔は昔で可愛いと思っている。
もちろん、今の紗凪も可愛いことに変わりない。むしろ昔より過ごす時間が多くなり、愛しさは募るばかり。
そもそも俺は体型のことなど、なんとも思わなかった。当時は触ったら柔らかそう。もちもちしてそう。とか──本人には言えないが、胸の大きさに魅力を感じたこともある。
でもあのとき。実際に俺が触れることが出来たのは手首だけ。その名残り惜しさは苦い思い出に違いない。
しかも他のどうでもいい、外野の言葉に惑わされてしまったこと。
一度は告白を受け入れて貰ったのに次の日には振られてしまったことは、どうしても忘れられなかった。
それでも自分なりに過去を引き摺るのは良くない。他の誰かと付き合ってみたら紗凪のことは忘れるだろうと思って、他の女性と付き合ってみたが、しっくりと来なかった。
それは俺が大人になったから。環境が変わったから。自分の将来は社長だと固定されていて、そのうちお見合い結婚でもするんじゃないのかと。どこか冷めた感情を抱いていて、誰にも本気になれなかった。
などと理由を付けては自分を納得させていた。
けど、あの日。お祖父様が紗凪を社長室に連れて来たとき。一目でそれが青樹紗凪だと分かった。
そして懐かしさや愛しさが一瞬で鮮やかに蘇り。俺はこの人がまだ好きだから、忘れられなかった。だから他の人に本気になれなかったんだと理解した。
「次は二度と離さない。諦めない」
赤信号から青信号に変わり、握ったハンドルに力が入る。
再会し、紗凪が仕事を頑張りたいことや赤井社長の元で理不尽な目に遭ったことも把握した。
紗凪に昔のことを問う前に、当たり前ではあるが社長と言う職務を真面目に取り組むことが、紗凪との距離も詰めれるのではと仕事に励んだ。
その矢先──赤井社長が怪しいサプリで、紗凪を落とし入れようとした。
そして俺は過程や結果はどうあれ、紗凪に触れた。
気持ちは昂ったが、サプリで気持ちを惑わされた彼女を抱く気にはならなかった。
そんなことをすれば、赤井社長だと一緒だと分かっている。
だから紗凪が気を失ったあとは速やかに病院に運んだ。
紗凪の体が心配だった。
その後、経過も良く。俺の心情を紗凪は分かってくれていてホッとした。
「本当に大事に至らずで良かった……」
大通りを抜けると、風景が都会の夜から静かな夜へと変わり。周りを走る車の台数もトラックなどの大型車も減って、走りやすくなってきた。
目にしたコンビニに今日の食事は何しようかと思う。本当は紗凪と一緒に食事がしたかったが明後日、出張に行く先方の資料を家でまとめたかったのだ。
「家にまだ冷凍食品の残りがあったな。それで軽く食べようか」
両親から送られてきたレストランの冷凍食品は、こういうとき重宝する。
多忙な両親を持ち。昔から家庭の味には縁がなくて当時は不満に思ったことがある。
それも今になっては親の気持ちが理解出来るし、何よりも料理上手な紗凪を好きになる切っ掛けにもなったので今は両親に思うことは何もない。
思うことがあるとすれば──俺の関心は紗凪ことだけ。
サプリからの一件以降、俺と紗凪の昔の誤解は解け。互いの気持ちは同じものだと分かった。
しかし紗凪は俺と付き合うにはもう少し時間が欲しいと、悩ましい胸のうちを正直に言ってくれた。
それは紗凪の仕事にかける思い。
社長と付き合う心構えが欲しいと言われた訳である。
もちろん紗凪の意思は尊重したい。
俺も心より先に身体に触れたと言う負い目があったから。今度こそ紗凪の心を大事にしたい。
しかし。
これは紗凪から焦らされているのでは? とかも少し思ってしまう。
「まぁ、どんな事をされても紗凪は本当に可愛い女性だから」
己の惚気に苦笑してしまうが、それも可愛い紗凪の為なら我慢しよう。
焦らされた分だけ紗凪に俺の気持ちを受け止めて貰うだけ。
とは言っても、仕事が終われば俺も自分の気持ちを抑えることなく紗凪に接している。
それは高校時代、何も言えなくて別れてしまったから。好きだと言う気持ちは伝えたいのだ。
この我がままはだけは許して欲しい。
──と、少々考えていたら車は家の近くまで来ていて、あっという間の帰路だった。
この辺りはどこも壁が高い閑静な住宅街。
紗凪のことを考えていると自分の家を通り過ぎてしまいそうだと、また苦笑するのだった。
家に帰ると食事をしてから資料のまとめ。キセイ堂のwebで間も無く公開されるディザーPVをチェック。
キリのいいところで切り上げて、デスクワークで肩が凝ったので軽く筋トレ。
ルーティンワークのようにこなして、風呂に入ろうと思った。
自宅の風呂は一人暮らしにしては広くて大きい。この家はそもそも、両親とお祖父様から社長就任祝いとして貰った家。
ここに未来の俺の家族と住めるようにと作られたらしく、家族が住みやすいように家は設計されていた。
だから風呂やシャワーも最新式のもの。
落ち着いたモスグリーンのバスルームとパウダールームは、ガラスの仕切りで開放感がある。
パウダールームもホテルライクな作りで、横に広く。鏡は大きく、清潔感を引き立てる。
「紗凪とか喜んでくれそうだけどな」
そんな他愛ないことを言いながら、パウダールームで服を脱ぎ風呂に入る。
これもルーティンのようにシャワーでまずは体の汗を流して、体と髪を洗い。湯船に浸かろうとしたとき身体に──下半身に障りがあった。
「……っ」
再びシャワーのコックを捻り。シャワーヘッドの水流モードをミスト状態にして、温度も少し下げた。
サァァと心地よい水流が肌を伝う。
直前、紗凪のことを考えていただろうか。それとも別れ際にキスをして、体がまだ熱を覚えていたと言うのだろうか。
もしくは──最近一人で処理をしていなかったからか。
色々と理由を考えると、触りはどんどん大きくなり。シャワーの水温より熱を持ち始めた。
「これも紗凪のせいだ」
ここに紗凪がいたら、紗凪に鎮めて欲しいが居る訳もなく。
さっさと熱を解放しようと思った。
思うのは紗凪のこと。あのホテルでの続きがあればと、秘めやかな妄想をする。
とろんとした紗凪の色っぽい表情。
俺の首に手を回し『抱いて』と囁く紗凪──。
そう思い描くだけで、急速に熱を持った自身にそっと手を触れたのだった。
1
あなたにおすすめの小説
腹黒外科医に唆された件~恋人(仮)のはずが迫られています~
有木珠乃
恋愛
両親を亡くし、二人だけの姉妹になった一ノ瀬栞と琴美。
ある日、栞は轢き逃げ事故に遭い、姉の琴美が務める病院に入院することになる。
そこで初めて知る、琴美の婚約者の存在。
彼らの逢引きを確保するために利用される栞と外科医の岡。
「二人で自由にならないか?」を囁かれて……。
【完結】あなた専属になります―借金OLは副社長の「専属」にされた―
七転び八起き
恋愛
『借金を返済する為に働いていたラウンジに現れたのは、勤務先の副社長だった。
彼から出された取引、それは『専属』になる事だった。』
実家の借金返済のため、昼は会社員、夜はラウンジ嬢として働く優美。
ある夜、一人でグラスを傾ける謎めいた男性客に指名される。
口数は少ないけれど、なぜか心に残る人だった。
「また来る」
そう言い残して去った彼。
しかし翌日、会社に現れたのは、なんと店に来た彼で、勤務先の副社長の河内だった。
「俺専属の嬢になって欲しい」
ラウンジで働いている事を秘密にする代わりに出された取引。
突然の取引提案に戸惑う優美。
しかし借金に追われる現状では、断る選択肢はなかった。
恋愛経験ゼロの優美と、完璧に見えて不器用な副社長。
立場も境遇も違う二人が紡ぐラブストーリー。
美しき造船王は愛の海に彼女を誘う
花里 美佐
恋愛
★神崎 蓮 32歳 神崎造船副社長
『玲瓏皇子』の異名を持つ美しき御曹司。
ノースサイド出身のセレブリティ
×
☆清水 さくら 23歳 名取フラワーズ社員
名取フラワーズの社員だが、理由があって
伯父の花屋『ブラッサムフラワー』で今は働いている。
恋愛に不器用な仕事人間のセレブ男性が
花屋の女性の夢を応援し始めた。
最初は喧嘩をしながら、ふたりはお互いを認め合って惹かれていく。
【完結】俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜
椿かもめ
恋愛
「こはる、俺の妻になれ」その日、大女優を母に持つ2世女優の花宮こはるは自分の所属していた劇団の解散に絶望していた。そんなこはるに救いの手を差し伸べたのは年上の幼馴染で大企業の御曹司、月ノ島玲二だった。けれど代わりに妻になることを強要してきて──。花嫁となったこはるに対し、俺様な玲二は独占欲を露わにし始める。
【幼馴染の俺様御曹司×大物女優を母に持つ2世女優】
☆☆☆ベリーズカフェで日間4位いただきました☆☆☆
※ベリーズカフェでも掲載中
※推敲、校正前のものです。ご注意下さい
一目惚れ婚~美人すぎる御曹司に溺愛されてます~
椿蛍
恋愛
念願のデザイナーとして働き始めた私に、『家のためにお見合いしろ』と言い出した父と継母。
断りたかったけれど、病弱な妹を守るため、好きでもない相手と結婚することになってしまった……。
夢だったデザイナーの仕事を諦められない私――そんな私の前に現れたのは、有名な美女モデル、【リセ】だった。
パリで出会ったその美人モデル。
女性だと思っていたら――まさかの男!?
酔った勢いで一夜を共にしてしまう……。
けれど、彼の本当の姿はモデルではなく――
(モデル)御曹司×駆け出しデザイナー
【サクセスシンデレラストーリー!】
清中琉永(きよなかるな)新人デザイナー
麻王理世(あさおりせ)麻王グループ御曹司(モデル)
初出2021.11.26
改稿2023.10
恋愛禁止条項の火消し屋は、子会社社長を守る側に立つ
swingout777
恋愛
本社人事の“火消し屋”として働く私は、統合プロジェクトの責任者として子会社へ常駐するよう命じられた。スローガンは「雇用を守るための統合」。――けれど赴任初日、私が見つけたのは“片道三時間・期限二週間”の勤務地強制テンプレ。家庭持ちを狙い撃ちにして辞めさせる、実質退職の設計書だった。
現場では、共働きの夫婦が「私が辞める」と言い出し、夫が初めて怒って泣いていた。私は火消し屋だ。誰かを守るために、誰かを切る仕事もしてきた。だからこそ言った。「辞めないで済む道は作る。でも、あなた達にも戦ってほしい。声を上げないと、都合のいい数字にされるから」
そんな夜、子会社社長の不倫疑惑が週刊誌に出た。ホテル密会写真。火消しのため社長に張り付く私を、現場叩き上げの彼は冷たく突き放す。「本社の犬か?」――だが写真の裏にあったのは、不倫ではなく“保護”だった。社長が匿っていたのは、会社の闇を握る男性告発者。潰されかけ、経歴ごと消される寸前の人間を、彼は自分が汚れる覚悟で救っていた。
本社は告発者にパワハラの濡れ衣を着せ、部下の新人に「守秘義務違反で潰す」と脅して証言させる。匿名通報が量産され、「新人は告発者とつながっている」という空気が社内を支配する。さらには社内チャットが切り貼りされ、私まで“共犯”に仕立て上げられた――「あなたも同じ側ですよね」。孤立した私の前に届いた、切り貼りではない全文。「あなたも同じ側ですよね。――守る側に立つなら、これを見てください」添付されていたのは、あの勤務地強制テンプレだった。
恋愛禁止条項を運用してきた私が、守るためにルールを破る側へ回る。社員を守ろうとする社長と、ルールを武器に人を切る本社人事部長。雇用を守る顔をした統合の裏で、恋は噂になり、噂は刃になる。それでも私は決める。守る側に立つ。――守りながら恋をするために。
15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜 【完結】
日下奈緒
恋愛
雨の日の交差点。
車に轢かれそうになったスーツ姿の男性を、とっさに庇った大学生のひより。
そのまま病院へ運ばれ、しばらくの入院生活に。
目を覚ました彼女のもとに毎日現れたのは、助けたあの男性――そして、大手企業の御曹司・一ノ瀬玲央だった。
「俺にできることがあるなら、なんでもする」
花や差し入れを持って通い詰める彼に、戸惑いながらも心が惹かれていくひより。
けれど、退院の日に告げられたのは、彼のひとことだった。
「君、大学生だったんだ。……困ったな」
15歳という年の差、立場の違い、過去の恋。
簡単に踏み出せない距離があるのに、気づけばお互いを想う気持ちは止められなくなっていた――
「それでも俺は、君が欲しい」
助けたはずの御曹司から、溺れるほどに甘やかされる毎日が始まる。
これは、15歳差から始まる、不器用でまっすぐな恋の物語。
『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』
鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、
仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。
厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議――
最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。
だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、
結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。
そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、
次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。
同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。
数々の試練が二人を襲うが――
蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、
結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。
そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、
秘書と社長の関係を静かに越えていく。
「これからの人生も、そばで支えてほしい。」
それは、彼が初めて見せた弱さであり、
結衣だけに向けた真剣な想いだった。
秘書として。
一人の女性として。
結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。
仕事も恋も全力で駆け抜ける、
“冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる