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第30話
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「あ!やべえ、俺もう行かなきゃ!」
ふとスマホを見ると、時間はもう5時を過ぎていた。
店の開店時間は6時。
平日は5時からだけど、土曜日は1時間遅めの6時、そして日曜日は休みだった。
今日は仕込みは兄貴がやってくれるという話になっていたけれど、開店時間までには戻ると約束していたのだ。
「あ、そっか。間に合う?直くん」
悠太が心配そうに俺を見る。
「急げば大丈夫!じゃあね、今日は楽しかった!またみんなで集まろうね!」
「おう、仕事頑張って」
「また店に寄らせてもらうよ」
「慌てすぎてこけないようにね」
3人が手を振って俺を見送ってくれる。
俺は水族館を出ると駅までの道を走り、ちょうどそこへ滑り込んできた電車に飛び乗ったけれど―――
「あっぶな。乗り遅れるかと思った」
そう言ったのは俺ではなくて―――
「悠太?なんでここにいんの!?」
俺の隣で額の汗を拭いながら笑っていたのは、悠太だった。
「俺も直くんと一緒に帰る」
「なんで?4人でご飯でも食べに行くのかと思ってたのに」
「それはまた今度、5人揃った時でいいよ。直くん昨日の夜も仕事だったから疲れてるでしょ?俺も手伝うから」
「そんなの、気にしなくていいのに。俺、結構タフだよ?昼間友達と草野球して夜は仕事なんていつもやってるから」
「うん、知ってる。でも、俺がそうしたいの」
そう言ってにっこりと笑う悠太。
俺の胸がきゅっと音を立てたような気がした。
別に、悠太にとっては特別じゃないんだ。
こういう気遣い、普通にできちゃうんだよな。
俺だけが仕事で抜けることなんて、他の友達と遊んでてもよくあることで、俺は慣れてる。
でも今日は本当に楽しくて、あのメンバーで遊ぶのなんて初めてなのに初めてっていう気がしなくて、別れるのは名残惜しいとまで思っていた。
ほんのちょっとだけ、寂しいなって。
たぶん、悠太はそんな俺の気持ちを敏感に感じ取ったんだ。
「・・・・ありがと、悠太」
「全然。敬之くんにお土産買ったし、渡すついでだよ」
ほんと、優しいんだよな・・・・。
でも、その優しさは俺にだけじゃないし、悠太が俺に特別な感情を抱いてないってこともわかってる。
そもそも、悠太は俺の気持ちになんて気づいてないし。
昨日、イチとキスしてるとこ見ちゃってすげえショック受けてることにも、悠太は気付いてないんだ・・・・。
「―――草野球って言えば、直くん、俺のことは一度も誘ってくれたことないね」
急に悠太が思い出したように言った。
「え?ああ・・・・そうだっけ」
「そうだよ。イチとはよく草野球やってたんでしょ?俺、全然知らなかったよ」
悠太が頬を膨らませて俺を睨む。
「ご、ごめんごめん、悠太とは高校別だったしさ、同じ学校の友達との付き合いもあると思ったから」
「でも、声かけてくれたってよかったのにさ」
そう言って悠太は口を尖らせた。
悠太は小学生の頃、俺と一緒に地域の野球チームに入っていた。
だからきっと誘えば来たと思うけど・・・・
でも、誘いたくなかったんだ。
だって、誘えばたくさんの俺以外の男と会うことになる。
悠太の高校生の頃は本当にかわいくて、そして美人だった。
そんな悠太を、他の男に会わせたくなかったんだ・・・・。
ふとスマホを見ると、時間はもう5時を過ぎていた。
店の開店時間は6時。
平日は5時からだけど、土曜日は1時間遅めの6時、そして日曜日は休みだった。
今日は仕込みは兄貴がやってくれるという話になっていたけれど、開店時間までには戻ると約束していたのだ。
「あ、そっか。間に合う?直くん」
悠太が心配そうに俺を見る。
「急げば大丈夫!じゃあね、今日は楽しかった!またみんなで集まろうね!」
「おう、仕事頑張って」
「また店に寄らせてもらうよ」
「慌てすぎてこけないようにね」
3人が手を振って俺を見送ってくれる。
俺は水族館を出ると駅までの道を走り、ちょうどそこへ滑り込んできた電車に飛び乗ったけれど―――
「あっぶな。乗り遅れるかと思った」
そう言ったのは俺ではなくて―――
「悠太?なんでここにいんの!?」
俺の隣で額の汗を拭いながら笑っていたのは、悠太だった。
「俺も直くんと一緒に帰る」
「なんで?4人でご飯でも食べに行くのかと思ってたのに」
「それはまた今度、5人揃った時でいいよ。直くん昨日の夜も仕事だったから疲れてるでしょ?俺も手伝うから」
「そんなの、気にしなくていいのに。俺、結構タフだよ?昼間友達と草野球して夜は仕事なんていつもやってるから」
「うん、知ってる。でも、俺がそうしたいの」
そう言ってにっこりと笑う悠太。
俺の胸がきゅっと音を立てたような気がした。
別に、悠太にとっては特別じゃないんだ。
こういう気遣い、普通にできちゃうんだよな。
俺だけが仕事で抜けることなんて、他の友達と遊んでてもよくあることで、俺は慣れてる。
でも今日は本当に楽しくて、あのメンバーで遊ぶのなんて初めてなのに初めてっていう気がしなくて、別れるのは名残惜しいとまで思っていた。
ほんのちょっとだけ、寂しいなって。
たぶん、悠太はそんな俺の気持ちを敏感に感じ取ったんだ。
「・・・・ありがと、悠太」
「全然。敬之くんにお土産買ったし、渡すついでだよ」
ほんと、優しいんだよな・・・・。
でも、その優しさは俺にだけじゃないし、悠太が俺に特別な感情を抱いてないってこともわかってる。
そもそも、悠太は俺の気持ちになんて気づいてないし。
昨日、イチとキスしてるとこ見ちゃってすげえショック受けてることにも、悠太は気付いてないんだ・・・・。
「―――草野球って言えば、直くん、俺のことは一度も誘ってくれたことないね」
急に悠太が思い出したように言った。
「え?ああ・・・・そうだっけ」
「そうだよ。イチとはよく草野球やってたんでしょ?俺、全然知らなかったよ」
悠太が頬を膨らませて俺を睨む。
「ご、ごめんごめん、悠太とは高校別だったしさ、同じ学校の友達との付き合いもあると思ったから」
「でも、声かけてくれたってよかったのにさ」
そう言って悠太は口を尖らせた。
悠太は小学生の頃、俺と一緒に地域の野球チームに入っていた。
だからきっと誘えば来たと思うけど・・・・
でも、誘いたくなかったんだ。
だって、誘えばたくさんの俺以外の男と会うことになる。
悠太の高校生の頃は本当にかわいくて、そして美人だった。
そんな悠太を、他の男に会わせたくなかったんだ・・・・。
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