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第40話
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「―――うん、そう、今診察終えて―――寝てるよ、悠太は。―――うん、わかった」
兄貴に電話をして、悠太のことを伝えたところだった。
店は忙しくないだろうから、急いで帰ってこなくてもいいとのこと。
俺はほっとして電話を切り、病室へ戻ろうとして―――
「あれ―――渉くん?」
ちょうどエレベーターの扉が開いて、中から渉くんが降りてくるのが見えた。
「お、直ちゃん!悠太の部屋は?」
いつも通りのんきなその笑顔に、俺は苦笑した。
「こっち。今、寝てるけど」
「ん。じゃ、悠太の可愛い寝顔見てく」
「ええ?何それ」
思わず笑ってしまう。
なんでこの人はこんなにマイペースでいられるんだろう。
俺なんか、悠太が倒れてるの見てめちゃくちゃ焦ったのに。
なんだか、俺はこの人にだけは敵わないような気がしてきた。
悔しいけれど―――
「やっぱかわいいなあ、悠太」
渉くんが、ベッドで寝ている悠太を見てにやにやしながら言った。
「・・・・そのしまりのない顔、やめた方がいいよ、渉くん」
「なんで?」
「悠太が見たら引くと思うから」
「ええ、マジで?それはやだなあ」
そう言って本気で嫌そうに眉を下げる渉くん。
その表情が、なんだか年上なのにかわいく見えて俺は噴出した。
「渉くん、止めてよその顔。笑っちゃうから」
「ええ、直ちゃん酷くない?」
「だってさ」
「ん・・・・・」
その時、ベッドに寝ていた悠太が身じろぎをした。
「お、悠太。大丈夫か?」
渉くんが悠太の顔を覗き込む。
「え・・・渉くん?もう仕事終わったの?」
悠太が渉くんを見て目を瞬かせる。
「早退してきた。悠太のことが心配で」
「え・・・・ほんとに?大丈夫なのに・・・・・」
「大丈夫じゃないよ。階段から落ちたんでしょ?」
「でも、打ち身だけで済んだし、今は薬が効いて熱も下がったから」
「ま、運動神経のいい悠太だから打ち身だけで済んだんだってお医者さんも言ってたけどね。けど悠太は昔から熱出しやすいんだよ」
俺が言うと、悠太は恥ずかしそうに口を尖らせた。
「子供のころの話じゃん。今はそんなことないよ」
「ふふ、悠太可愛い」
そう言って渉くんがにこにこと笑うから、悠太はますます恥ずかしそうに顔を赤らめた。
「やめてよ、渉くん。なんか俺、すげえ弱い奴みたいじゃん」
「弱いなんて思ってないよ。悠太は見た目はか弱そうに見えるけど、芯の強い子だよね」
「え・・・・」
渉くんの穏やかな視線に、悠太が驚いて目を見開いた。
「仕事にも前向きで真面目で、得意先の人に怒られてもめげないし・・・・そういう芯の強いとこが、好きなんだ」
「渉くん・・・・」
「ちょっと優柔不断で天然だけど、嘘をつかないし素直で・・・・俺はそんな悠太を見てると、ちゃんと仕事しなきゃって思えるんだよ」
渉くんの瞳は穏やかに、まっすぐ悠太を見つめていた・・・・。
兄貴に電話をして、悠太のことを伝えたところだった。
店は忙しくないだろうから、急いで帰ってこなくてもいいとのこと。
俺はほっとして電話を切り、病室へ戻ろうとして―――
「あれ―――渉くん?」
ちょうどエレベーターの扉が開いて、中から渉くんが降りてくるのが見えた。
「お、直ちゃん!悠太の部屋は?」
いつも通りのんきなその笑顔に、俺は苦笑した。
「こっち。今、寝てるけど」
「ん。じゃ、悠太の可愛い寝顔見てく」
「ええ?何それ」
思わず笑ってしまう。
なんでこの人はこんなにマイペースでいられるんだろう。
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なんだか、俺はこの人にだけは敵わないような気がしてきた。
悔しいけれど―――
「やっぱかわいいなあ、悠太」
渉くんが、ベッドで寝ている悠太を見てにやにやしながら言った。
「・・・・そのしまりのない顔、やめた方がいいよ、渉くん」
「なんで?」
「悠太が見たら引くと思うから」
「ええ、マジで?それはやだなあ」
そう言って本気で嫌そうに眉を下げる渉くん。
その表情が、なんだか年上なのにかわいく見えて俺は噴出した。
「渉くん、止めてよその顔。笑っちゃうから」
「ええ、直ちゃん酷くない?」
「だってさ」
「ん・・・・・」
その時、ベッドに寝ていた悠太が身じろぎをした。
「お、悠太。大丈夫か?」
渉くんが悠太の顔を覗き込む。
「え・・・渉くん?もう仕事終わったの?」
悠太が渉くんを見て目を瞬かせる。
「早退してきた。悠太のことが心配で」
「え・・・・ほんとに?大丈夫なのに・・・・・」
「大丈夫じゃないよ。階段から落ちたんでしょ?」
「でも、打ち身だけで済んだし、今は薬が効いて熱も下がったから」
「ま、運動神経のいい悠太だから打ち身だけで済んだんだってお医者さんも言ってたけどね。けど悠太は昔から熱出しやすいんだよ」
俺が言うと、悠太は恥ずかしそうに口を尖らせた。
「子供のころの話じゃん。今はそんなことないよ」
「ふふ、悠太可愛い」
そう言って渉くんがにこにこと笑うから、悠太はますます恥ずかしそうに顔を赤らめた。
「やめてよ、渉くん。なんか俺、すげえ弱い奴みたいじゃん」
「弱いなんて思ってないよ。悠太は見た目はか弱そうに見えるけど、芯の強い子だよね」
「え・・・・」
渉くんの穏やかな視線に、悠太が驚いて目を見開いた。
「仕事にも前向きで真面目で、得意先の人に怒られてもめげないし・・・・そういう芯の強いとこが、好きなんだ」
「渉くん・・・・」
「ちょっと優柔不断で天然だけど、嘘をつかないし素直で・・・・俺はそんな悠太を見てると、ちゃんと仕事しなきゃって思えるんだよ」
渉くんの瞳は穏やかに、まっすぐ悠太を見つめていた・・・・。
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