447 / 1,191
第二十四章 お兄ちゃんの官僚としての忙しい日々
六百四十三話 逃走しようとしたネイバー伯爵
しおりを挟む
「ふう、やっと一息ついたね」
「うん、もう大丈夫だね」
戦闘終了から三十分もすると、運び込まれる怪我人も殆どいなくなりました。
後は後方支援部隊だけで対応出来るそうなので、僕とリズはティナおばあさまの所に向かいました。
ティナおばあさまの所には、ジンさん達とスラちゃんとプリンも集まっていました。
「ティナおばあさま、戻りました」
「アレク君、リズちゃん、お疲れ様」
「おばあちゃんも、お疲れ様!」
本当だったら一息つく所だったけど、どうも僕達は直ぐにネイバー伯爵領の領都に向かわないといけないようだ。
「捕縛した者を尋問したら、どうもネイバー伯爵は逃げようとしているらしいの」
「悪い人は捕まえないと!」
「そうね。だから、悪いけど直ぐに出発するわ」
馬車も用意してあるとの事だけと、ちょっと気になる事が。
「軍務卿、捕まえた兵はどうしますか?」
「駐屯地に連れて行くぞ。追加の兵も来るし、これも一種の訓練だ」
軍務卿は何も問題ないと言っているし、そもそもスラちゃんとプリンの広範囲エリアスタンで痺れている兵が多いから、きっと大丈夫だよね。
僕達は、兵と共に馬車に乗ってネイバー伯爵領の領都に向かいました。
ガラガラガラ。
馬車が早足で駆け抜けていくと、一台の幌馬車とすれ違いました。
何だかやけにボロボロな馬車なのに、馬はピカピカだね。
シュッ。
「あっ、スラちゃんとプリンが行っちゃったよ?」
「きっと、あの幌馬車に何か感じだったんだ」
バリバリバリ!
僕とリズが馬車から顔を出して幌馬車の方を向いたら、強烈なエリアスタンが幌馬車を包みました。
かなりの威力のエリアスタンだったけど、それだけ逃がしちゃいけない人が幌馬車の中にいたんだ。
馬車も止まって、幌馬車の中を確認する事になりました。
「あばばばば……」
「あっ、ネイバー伯爵! 変装して逃げようとしたな?」
馬車の中には髪の毛がちりちりになった街の人の服を着た小太りの男性がいたけど、レイクランド辺境伯様が直ぐに誰か分かったそうです。
念の為に、僕も鑑定を行なおう。
「このちりちりになった人が、ネイバー伯爵で間違いないです」
「スラちゃんの鑑定でも間違いないって」
「ふむ、この馬車の中には夫人らしき人物は見当たらないな。数名は、急いで屋敷に向かう様に」
「俺達も先に行こう」
レイクランド辺境伯様の言う通りネイバー伯爵夫人らしき人はいないので、ジンさん達が一部の兵と共に先行して行きました。
僕は、ビリビリに痺れているネイバー伯爵とその一味を王城に連れて行くためにゲートを繋いで馬車ごと運びました。
「ほほ、これはこれはキツい攻撃を受けたみたいだのう」
「あばばばば……」
未だに痺れが止まらないネイバー伯爵を見て、宰相は面白い物を見たと顎をシャクっていました。
既に軍務卿やティナおばあさまから連絡が行っていたので、直ぐに兵によってぐるぐるに縛られていきました。
「しかし、領主が逃げ出したとなると、治安や領民の事が心配ですね」
「領境に大量に兵を送り込んだ事を考えても、こやつがマトモな治世をしていたとは思えぬな」
僕の疑問を、宰相もかなり心配していました。
とにかく領都に行って現状を確認しないと。
僕達は王城から街道に戻って、再び領都へ向かいました。
「うん、もう大丈夫だね」
戦闘終了から三十分もすると、運び込まれる怪我人も殆どいなくなりました。
後は後方支援部隊だけで対応出来るそうなので、僕とリズはティナおばあさまの所に向かいました。
ティナおばあさまの所には、ジンさん達とスラちゃんとプリンも集まっていました。
「ティナおばあさま、戻りました」
「アレク君、リズちゃん、お疲れ様」
「おばあちゃんも、お疲れ様!」
本当だったら一息つく所だったけど、どうも僕達は直ぐにネイバー伯爵領の領都に向かわないといけないようだ。
「捕縛した者を尋問したら、どうもネイバー伯爵は逃げようとしているらしいの」
「悪い人は捕まえないと!」
「そうね。だから、悪いけど直ぐに出発するわ」
馬車も用意してあるとの事だけと、ちょっと気になる事が。
「軍務卿、捕まえた兵はどうしますか?」
「駐屯地に連れて行くぞ。追加の兵も来るし、これも一種の訓練だ」
軍務卿は何も問題ないと言っているし、そもそもスラちゃんとプリンの広範囲エリアスタンで痺れている兵が多いから、きっと大丈夫だよね。
僕達は、兵と共に馬車に乗ってネイバー伯爵領の領都に向かいました。
ガラガラガラ。
馬車が早足で駆け抜けていくと、一台の幌馬車とすれ違いました。
何だかやけにボロボロな馬車なのに、馬はピカピカだね。
シュッ。
「あっ、スラちゃんとプリンが行っちゃったよ?」
「きっと、あの幌馬車に何か感じだったんだ」
バリバリバリ!
僕とリズが馬車から顔を出して幌馬車の方を向いたら、強烈なエリアスタンが幌馬車を包みました。
かなりの威力のエリアスタンだったけど、それだけ逃がしちゃいけない人が幌馬車の中にいたんだ。
馬車も止まって、幌馬車の中を確認する事になりました。
「あばばばば……」
「あっ、ネイバー伯爵! 変装して逃げようとしたな?」
馬車の中には髪の毛がちりちりになった街の人の服を着た小太りの男性がいたけど、レイクランド辺境伯様が直ぐに誰か分かったそうです。
念の為に、僕も鑑定を行なおう。
「このちりちりになった人が、ネイバー伯爵で間違いないです」
「スラちゃんの鑑定でも間違いないって」
「ふむ、この馬車の中には夫人らしき人物は見当たらないな。数名は、急いで屋敷に向かう様に」
「俺達も先に行こう」
レイクランド辺境伯様の言う通りネイバー伯爵夫人らしき人はいないので、ジンさん達が一部の兵と共に先行して行きました。
僕は、ビリビリに痺れているネイバー伯爵とその一味を王城に連れて行くためにゲートを繋いで馬車ごと運びました。
「ほほ、これはこれはキツい攻撃を受けたみたいだのう」
「あばばばば……」
未だに痺れが止まらないネイバー伯爵を見て、宰相は面白い物を見たと顎をシャクっていました。
既に軍務卿やティナおばあさまから連絡が行っていたので、直ぐに兵によってぐるぐるに縛られていきました。
「しかし、領主が逃げ出したとなると、治安や領民の事が心配ですね」
「領境に大量に兵を送り込んだ事を考えても、こやつがマトモな治世をしていたとは思えぬな」
僕の疑問を、宰相もかなり心配していました。
とにかく領都に行って現状を確認しないと。
僕達は王城から街道に戻って、再び領都へ向かいました。
404
あなたにおすすめの小説
「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。
桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」
この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。
※短編です。11/21に完結いたします。
※1回の投稿文字数は少な目です。
※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。
表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年10月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
1ページの文字数は少な目です。
約4800文字程度の番外編です。
バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`)
ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑)
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけど何もしなかったらヒロインがイジメを自演し始めたのでお望み通りにしてあげました。魔法で(°∀°)
ラララキヲ
ファンタジー
乙女ゲームのラスボスになって死ぬ悪役令嬢に転生したけれど、中身が転生者な時点で既に乙女ゲームは破綻していると思うの。だからわたくしはわたくしのままに生きるわ。
……それなのにヒロインさんがイジメを自演し始めた。ゲームのストーリーを展開したいと言う事はヒロインさんはわたくしが死ぬ事をお望みね?なら、わたくしも戦いますわ。
でも、わたくしも暇じゃないので魔法でね。
ヒロイン「私はホラー映画の主人公か?!」
『見えない何か』に襲われるヒロインは────
※作中『イジメ』という表現が出てきますがこの作品はイジメを肯定するものではありません※
※作中、『イジメ』は、していません。生死をかけた戦いです※
◇テンプレ乙女ゲーム舞台転生。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げてます。
解雇されたけど実は優秀だったという、よくあるお話。
シグマ
ファンタジー
突如、所属している冒険者パーティー[ゴバスト]を解雇されたサポーターのマルコ。しかし普通のサポート職以上の働きをしていたマルコが離脱した後のパーティーは凋落の一途を辿る。そしてその影響はギルドにまでおよび……
いわゆる追放物の短編作品です。
起承転結にまとめることを意識しましたが、上手く『ざまぁ』出来たか分かりません。どちらかと言えば、『覆水盆に返らず』の方がしっくりくるかも……
サクッと読んで頂ければ幸いです。
※思っていた以上の方に読んで頂けたので、感謝を込めて当初の予定を越える文量で後日談を追記しました。ただ大団円で終わってますので、『ざまぁ』を求めている人は見ない方が良いかもしれません。
突然伯爵令嬢になってお姉様が出来ました!え、家の義父もお姉様の婚約者もクズしかいなくない??
シャチ
ファンタジー
母の再婚で伯爵令嬢になってしまったアリアは、とっても素敵なお姉様が出来たのに、実の母も含めて、家族がクズ過ぎるし、素敵なお姉様の婚約者すらとんでもない人物。
何とかお姉様を救わなくては!
日曜学校で文字書き計算を習っていたアリアは、お仕事を手伝いながらお姉様を何とか手助けする!
小説家になろうで日間総合1位を取れました~
転載防止のためにこちらでも投稿します。
悪役令嬢と言われ冤罪で追放されたけど、実力でざまぁしてしまった。
三谷朱花
恋愛
レナ・フルサールは元公爵令嬢。何もしていないはずなのに、気が付けば悪役令嬢と呼ばれ、公爵家を追放されるはめに。それまで高スペックと魔力の強さから王太子妃として望まれたはずなのに、スペックも低い魔力もほとんどないマリアンヌ・ゴッセ男爵令嬢が、王太子妃になることに。
何度も断罪を回避しようとしたのに!
では、こんな国など出ていきます!
治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
婚約破棄されたので四大精霊と国を出ます
今川幸乃
ファンタジー
公爵令嬢である私シルア・アリュシオンはアドラント王国第一王子クリストフと政略婚約していたが、私だけが精霊と会話をすることが出来るのを、あろうことか悪魔と話しているという言いがかりをつけられて婚約破棄される。
しかもクリストフはアイリスという女にデレデレしている。
王宮を追い出された私だったが、地水火風を司る四大精霊も私についてきてくれたので、精霊の力を借りた私は強力な魔法を使えるようになった。
そして隣国マナライト王国の王子アルツリヒトの招待を受けた。
一方、精霊の加護を失った王国には次々と災厄が訪れるのだった。
※「小説家になろう」「カクヨム」から転載
※3/8~ 改稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。