転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

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第二十四章 お兄ちゃんの官僚としての忙しい日々

六百四十四話 過労で倒れていたネイバー伯爵夫人

 ガヤガヤガヤ。

「うーん、何だか何時もの街って感じだね」
「そうね。特におかしい所はないわね」

 僕達を乗せた馬車はネイバー伯爵領の領都に着いたけど、街の人が混乱しているところは見受けられない。
 ティナおばあさまも同じ感想だったらしく、リズに至ってはスラちゃんとプリンと共に市場に並んでいる食べ物の方に目がいっていた。
 リズとスラちゃんがここまで警戒していないという事は、危険が側にはないといえそうだ。
 防壁の守備兵もキチンといるので、軍の兵が色々と話を聞く事になった。
 僕達は、ネイバー伯爵家の屋敷を目指します。

「この屋敷も、見た目はおかしい所はありませんね」
「調度品が豪華な物になっているけど、この程度なら問題ないわ」

 屋敷の庭には沢山の像が並んでいたけど、おかしい所は余りありません。
 既にジンさんの馬車が玄関に横付けされているので、僕達も屋敷の中に入りました。

「あっ、アレク君も屋敷に着いたのね」
「レイナさん、何か変わっている所はありますか?」
「屋敷の中は大丈夫よ。執務室とかは、ジン達が調べているわ。それよりも、治療して欲しい人がいるのよ」

 玄関で出迎えてくれたレイナさんの後をついていくと、寝室っぽい部屋の前に着きました。
 部屋に入ると若い女性が具合悪そうにベッドに横たわっていて、小さな男の子が心配そうに女性を見つめていました。

「ネイバー伯爵夫人と跡取りです。どうやらネイバー伯爵夫人が領内の政治を全て受け持っていて、その為に過労も重なって倒れてしまった様です」

 レイナさんが難しい顔をしながら答えてくれたけど、先ずは目の前で辛そうにしているネイバー伯爵夫人の治療が優先だね。

「リズ、頼める?」
「任せて!」

 合体魔法まで使わなくても良さそうだけど、念の為にリズがネイバー伯爵夫人を治療する事になりました。

 ぴかー!

「ふう、これで大丈夫だよ」
「あの、おかーさまだいじょうぶ?」
「ご飯をいっぱい食べれば、直ぐに元気になるよ」

 小さな男の子が涙目でリズに質問していたけど、リズは明るい表情で男の子の頭を撫でて涙を拭いてやっていました。
 リズも、優しいお姉ちゃんになったね。

「とういう事は、ネイバー伯爵は領内の政治をせずに何かをしていたという事ですね」
「何をしていたかは、これからキッチリと尋問して喋らせないと」

 ティナおばあさまは、通信用の魔導具で王城に追加報告をしていました。
 捕まえた者の証言も大切だけど、物的証拠も押さえないといけないので、リズとスラちゃんとプリンはまた宝探しと称してネイバー伯爵の執務室に向かっていきました。
 僕達もネイバー伯爵夫人を起こしちゃ駄目なので、レイナさんに任せて部屋を出ました。
 そして、侍従から話を聞いていたレイクランド辺境伯様と応接室で話を聞く事にしました。

「軽く話を聞いたが、どうもネイバー伯爵家は二重の政治をしていたみたいだ。だから、ネイバー伯爵や多くの者が捕まっても最低限の治安は維持できているという。単に、ネイバー伯爵夫人が有能だったってのもあるがな」

 でも、無理をして体を壊しちゃったら、元も子もないよね。
 しかもネイバー伯爵は、さっさと変装して逃げているし。

「ともあれ、ネイバー伯爵夫人の体調回復次第だが、当面の領内統治はネイバー伯爵夫人のままで良いだろう。我が辺境伯領からも、助っ人を出す」
「財務状況を調べるのに、恐らく王城から役人も来るでしょう。なにはともあれ、住民にだめーが無くて良かったわ」

 恐らくネイバー伯爵夫人の統治の功績は、ある程度認められるでしょう。
 後は、主犯のネイバー伯爵の執務室からどんな物が見つかるかだね。
 僕達は、ネイバー伯爵の執務室に向かいました。

「えっと、これもそうだね」
「執事の机も怪しいよ」
「ここにもお金があったよ」
「絵の裏にも、何かあった」

 ネイバー伯爵の執務室には、いつの間にかエレノアとサンディとイヨがいて、リズ達に混じって宝探しという名の捜索をしていました。
 間違いなくスラちゃんが呼び寄せたのだと思うけど、せめて一言言って欲しかったなあ。
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