706 / 1,191
第二十八章 エマさんとオリビアさんの結婚
九百二話 炊き出しで起きた事件
しおりを挟む
二週間ほどは特に問題も起きず、その代わりに四人は集中的に冒険者活動や勉強を受けていた。
連日ヘロヘロになっていたけど効果は絶大で、今は監視しているという名目で辺境伯様の仕事を手伝って統治とは何かを勉強をする程になった。
もちろん、毎日の基礎勉強はかかしません。
なぜか毎回ドラちゃんが巻き込まれていたけど、野良猫と一緒にお昼寝ばっかりだから良いのではという結果だった。
しかし、遂に事件が起きてしまった。
「はいどーぞ」
「熱いので、気を付けて下さいね」
それは、いつもたまに行っている王都スラム街での炊き出しでした。
この日も炊き出しと無料治療をしつつ、周辺の状況を集めていました。
因みに、王族は全員お勉強になっていて、特にルカちゃんとエドちゃんは相当ショボーンとしていました。
エレノアも礼儀作法の勉強をする事になり、今日は不参加です。
といっても他のちびっこ軍団は普通にいるし、ポニさんたちもいます。
「すげー! ドラゴンだ!」
「カッコいい!」
「グルル」
そして、大興奮の子どもたちに囲まれて得意げなドラちゃんもいます。
戦力としてはバッチリで、お昼前まではいつも通り不審者を捕まえつつ改善情報や不審な情報を集めていました。
ところが、ここでとある情報が入りました。
「うーん、複数の不審な情報が集まったわね。近くの建物に怪しい人物が出入りしているらしいわ」
「もしかしたら、捕まえた連中の中にその不審者が含まれているかもしれないわね」
今日も当然の如く炊き出し班から外れて巡回班に回ったレイナさんとカミラさんの情報に、僕とジンさんは顔を見合わせてしまった。
取り急ぎ捕まえた者の尋問を急いでもらうことにして、ポッキーを呼び寄せてマジカルラット部隊に周辺の捜索をお願いした。
閣僚にも通信用魔導具で情報を送信したら、軍を派遣して貰える事になった。
こうして、万が一に備えて準備をしつつ、無事に炊き出しは終わりました。
「「「じゃーねー」」」
「グルル!」
ミカエルを始めとするちびっこ軍団とドラちゃんを屋敷に送り、早速打ち合わせを行うことになりました。
というのも、あまり良くない結果が判明したからです。
「捕まえた奴の聴取結果から、この近くに犯罪組織のアジトがあるのは間違いない」
「ポッキーの調査でも、ある二階建ての建物の中に犯罪者の溜まり場があったのを見つけました」
「キュッ」
ジンさんと僕の調査報告を聞いて、全員が頷きました。
既に軍が建物の監視をしていて、いつでも突入できるようにスタンバイしています。
しかもポッキーが現場に一回行っているので、転移魔法を使って奇襲も仕掛けられます。
護送、周囲の警戒、住民への警備も終えたので、一気に奇襲を仕掛けることになりました。
「じゃあ、ポッキー頼んだぞ」
「キュッ!」
ジンさんの命令に、ポッキーが敬礼ポーズをします。
先発隊として、マジカルラット部隊とスラちゃんとプリンが向かいます。
不審者が百人いても、余裕で対応できますね。
ところが、ここで予想外の事になりました。
シュッ。
「あー! ブッチーも行っちゃったよ」
何と、周囲の警戒のために残っていたポニさんたちもポッキーに近づいて転移魔法で現場に行ってしまいました。
うーん、先発隊が完全に過剰戦力となっていまった。
思わぬ事態に、僕とジンさんは顔を見合わせて苦笑するしかありません。
「な、なんだコイツら?」
「急に現れたぞ?」
ドタバタ、ドカンドカン、バリバリバリ。
「「「ギャー!」」」
近くの建物から不審者の叫び声が聞こえて来たけど、きっと先発隊は大暴れしているんだろうな。
そして、ドタバタが静まり返って少ししたら、僕たちの前にポッキーが現れました。
シュッ。
「キュッ!」
「うん、僕にも分かります。制圧完了ですね」
「じゃあ、護送を始めよう」
ジンさんは、思わず苦笑しながら兵に指示を出しました。
そして、建物の中から次々と先発隊に倒された不審者が運び出されました。
うん、全員歩くことすらできないほどにボコボコにされていますね。
「じゃあ、ここからはお宝探しだね!」
そして、現場検証を兼ねながらリズたちは張り切って不審なものを探し始めました。
僕とジンさんも建物の中に入るけど、中を見てびっくり仰天です。
「ジンさん、すごい武器の数ですよ」
「どう考えても普通じゃないな。何に使おうとしたんだ?」
建物の一室には、木箱に入った大量の武器が見つかりました。
統一されたものではなくて中古品を集めたのだと思うけど、それでも凄い数です。
これはちょっと異常事態だと思い、再び閣僚に連絡をしました。
連日ヘロヘロになっていたけど効果は絶大で、今は監視しているという名目で辺境伯様の仕事を手伝って統治とは何かを勉強をする程になった。
もちろん、毎日の基礎勉強はかかしません。
なぜか毎回ドラちゃんが巻き込まれていたけど、野良猫と一緒にお昼寝ばっかりだから良いのではという結果だった。
しかし、遂に事件が起きてしまった。
「はいどーぞ」
「熱いので、気を付けて下さいね」
それは、いつもたまに行っている王都スラム街での炊き出しでした。
この日も炊き出しと無料治療をしつつ、周辺の状況を集めていました。
因みに、王族は全員お勉強になっていて、特にルカちゃんとエドちゃんは相当ショボーンとしていました。
エレノアも礼儀作法の勉強をする事になり、今日は不参加です。
といっても他のちびっこ軍団は普通にいるし、ポニさんたちもいます。
「すげー! ドラゴンだ!」
「カッコいい!」
「グルル」
そして、大興奮の子どもたちに囲まれて得意げなドラちゃんもいます。
戦力としてはバッチリで、お昼前まではいつも通り不審者を捕まえつつ改善情報や不審な情報を集めていました。
ところが、ここでとある情報が入りました。
「うーん、複数の不審な情報が集まったわね。近くの建物に怪しい人物が出入りしているらしいわ」
「もしかしたら、捕まえた連中の中にその不審者が含まれているかもしれないわね」
今日も当然の如く炊き出し班から外れて巡回班に回ったレイナさんとカミラさんの情報に、僕とジンさんは顔を見合わせてしまった。
取り急ぎ捕まえた者の尋問を急いでもらうことにして、ポッキーを呼び寄せてマジカルラット部隊に周辺の捜索をお願いした。
閣僚にも通信用魔導具で情報を送信したら、軍を派遣して貰える事になった。
こうして、万が一に備えて準備をしつつ、無事に炊き出しは終わりました。
「「「じゃーねー」」」
「グルル!」
ミカエルを始めとするちびっこ軍団とドラちゃんを屋敷に送り、早速打ち合わせを行うことになりました。
というのも、あまり良くない結果が判明したからです。
「捕まえた奴の聴取結果から、この近くに犯罪組織のアジトがあるのは間違いない」
「ポッキーの調査でも、ある二階建ての建物の中に犯罪者の溜まり場があったのを見つけました」
「キュッ」
ジンさんと僕の調査報告を聞いて、全員が頷きました。
既に軍が建物の監視をしていて、いつでも突入できるようにスタンバイしています。
しかもポッキーが現場に一回行っているので、転移魔法を使って奇襲も仕掛けられます。
護送、周囲の警戒、住民への警備も終えたので、一気に奇襲を仕掛けることになりました。
「じゃあ、ポッキー頼んだぞ」
「キュッ!」
ジンさんの命令に、ポッキーが敬礼ポーズをします。
先発隊として、マジカルラット部隊とスラちゃんとプリンが向かいます。
不審者が百人いても、余裕で対応できますね。
ところが、ここで予想外の事になりました。
シュッ。
「あー! ブッチーも行っちゃったよ」
何と、周囲の警戒のために残っていたポニさんたちもポッキーに近づいて転移魔法で現場に行ってしまいました。
うーん、先発隊が完全に過剰戦力となっていまった。
思わぬ事態に、僕とジンさんは顔を見合わせて苦笑するしかありません。
「な、なんだコイツら?」
「急に現れたぞ?」
ドタバタ、ドカンドカン、バリバリバリ。
「「「ギャー!」」」
近くの建物から不審者の叫び声が聞こえて来たけど、きっと先発隊は大暴れしているんだろうな。
そして、ドタバタが静まり返って少ししたら、僕たちの前にポッキーが現れました。
シュッ。
「キュッ!」
「うん、僕にも分かります。制圧完了ですね」
「じゃあ、護送を始めよう」
ジンさんは、思わず苦笑しながら兵に指示を出しました。
そして、建物の中から次々と先発隊に倒された不審者が運び出されました。
うん、全員歩くことすらできないほどにボコボコにされていますね。
「じゃあ、ここからはお宝探しだね!」
そして、現場検証を兼ねながらリズたちは張り切って不審なものを探し始めました。
僕とジンさんも建物の中に入るけど、中を見てびっくり仰天です。
「ジンさん、すごい武器の数ですよ」
「どう考えても普通じゃないな。何に使おうとしたんだ?」
建物の一室には、木箱に入った大量の武器が見つかりました。
統一されたものではなくて中古品を集めたのだと思うけど、それでも凄い数です。
これはちょっと異常事態だと思い、再び閣僚に連絡をしました。
836
あなたにおすすめの小説
「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。
桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」
この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。
※短編です。11/21に完結いたします。
※1回の投稿文字数は少な目です。
※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。
表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年10月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
1ページの文字数は少な目です。
約4800文字程度の番外編です。
バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`)
ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑)
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけど何もしなかったらヒロインがイジメを自演し始めたのでお望み通りにしてあげました。魔法で(°∀°)
ラララキヲ
ファンタジー
乙女ゲームのラスボスになって死ぬ悪役令嬢に転生したけれど、中身が転生者な時点で既に乙女ゲームは破綻していると思うの。だからわたくしはわたくしのままに生きるわ。
……それなのにヒロインさんがイジメを自演し始めた。ゲームのストーリーを展開したいと言う事はヒロインさんはわたくしが死ぬ事をお望みね?なら、わたくしも戦いますわ。
でも、わたくしも暇じゃないので魔法でね。
ヒロイン「私はホラー映画の主人公か?!」
『見えない何か』に襲われるヒロインは────
※作中『イジメ』という表現が出てきますがこの作品はイジメを肯定するものではありません※
※作中、『イジメ』は、していません。生死をかけた戦いです※
◇テンプレ乙女ゲーム舞台転生。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げてます。
解雇されたけど実は優秀だったという、よくあるお話。
シグマ
ファンタジー
突如、所属している冒険者パーティー[ゴバスト]を解雇されたサポーターのマルコ。しかし普通のサポート職以上の働きをしていたマルコが離脱した後のパーティーは凋落の一途を辿る。そしてその影響はギルドにまでおよび……
いわゆる追放物の短編作品です。
起承転結にまとめることを意識しましたが、上手く『ざまぁ』出来たか分かりません。どちらかと言えば、『覆水盆に返らず』の方がしっくりくるかも……
サクッと読んで頂ければ幸いです。
※思っていた以上の方に読んで頂けたので、感謝を込めて当初の予定を越える文量で後日談を追記しました。ただ大団円で終わってますので、『ざまぁ』を求めている人は見ない方が良いかもしれません。
突然伯爵令嬢になってお姉様が出来ました!え、家の義父もお姉様の婚約者もクズしかいなくない??
シャチ
ファンタジー
母の再婚で伯爵令嬢になってしまったアリアは、とっても素敵なお姉様が出来たのに、実の母も含めて、家族がクズ過ぎるし、素敵なお姉様の婚約者すらとんでもない人物。
何とかお姉様を救わなくては!
日曜学校で文字書き計算を習っていたアリアは、お仕事を手伝いながらお姉様を何とか手助けする!
小説家になろうで日間総合1位を取れました~
転載防止のためにこちらでも投稿します。
悪役令嬢と言われ冤罪で追放されたけど、実力でざまぁしてしまった。
三谷朱花
恋愛
レナ・フルサールは元公爵令嬢。何もしていないはずなのに、気が付けば悪役令嬢と呼ばれ、公爵家を追放されるはめに。それまで高スペックと魔力の強さから王太子妃として望まれたはずなのに、スペックも低い魔力もほとんどないマリアンヌ・ゴッセ男爵令嬢が、王太子妃になることに。
何度も断罪を回避しようとしたのに!
では、こんな国など出ていきます!
治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
婚約破棄されたので四大精霊と国を出ます
今川幸乃
ファンタジー
公爵令嬢である私シルア・アリュシオンはアドラント王国第一王子クリストフと政略婚約していたが、私だけが精霊と会話をすることが出来るのを、あろうことか悪魔と話しているという言いがかりをつけられて婚約破棄される。
しかもクリストフはアイリスという女にデレデレしている。
王宮を追い出された私だったが、地水火風を司る四大精霊も私についてきてくれたので、精霊の力を借りた私は強力な魔法を使えるようになった。
そして隣国マナライト王国の王子アルツリヒトの招待を受けた。
一方、精霊の加護を失った王国には次々と災厄が訪れるのだった。
※「小説家になろう」「カクヨム」から転載
※3/8~ 改稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。