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第二十八章 エマさんとオリビアさんの結婚
九百三話 デンバー男爵家への家宅捜索
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武器も次々と押収されていく中、今度はお宝探しをしていたリズたちが二階から来てと声をかけてきた。
そして、一枚の書類を見てビックリしてしまった。
「これ、例のデンバー男爵の兄弟とのやりとりを示している書類です」
「名前を変えつつ、実際には一つの組織が四人とやりとりしていたのか。悪党にしては中々頭が回るな」
他にも貴族との繋がりを示す書類が見つかり、これはかなり根深い問題だということが分かった。
この辺りは、軍が資料を押収分析してどう対応するかを決めてもらわないと。
そんな時、リズが更にビックリする書類を僕に見せてきた。
「これ、凄いことが書いてあるよ!」
「どれどれ? えっ、四人が捕まえた組織に父親の毒殺に使う物を依頼しています」
「ちょっと、これはまずいぞ。急いで現場に向かわないと」
父親は病気で長くないのは分かっていたけど、まさか毒殺して自分が後継者だと主張しているとは。
もしかしたら、他の兄弟を毒殺しようとしていたのかもしれない。
まだリズたちの宝探しは続いているので、レイナさんたちと軍の護衛を残しつつ僕たちは王城に向かいました。
「直ぐに四人の逮捕状を出すように。軍務卿も同行して、屋敷を制圧するのだ」
「「「はっ」」」
臨時の会議が開かれ、陛下の指示でデンバー男爵の屋敷に乗り込むことが決定しました。
内務卿が直ぐに逮捕状を発行し、僕とジンさんは軍務卿と共にデンバー男爵家に向かいました。
辺境伯様に通信用魔導具で連絡し、いま何が起こっているかを伝えています。
ブライトさん、ショックを受けなければいいけど。
そして、僕たちが屋敷に着くと、阿鼻叫喚とはこういうことを示している状況だった。
「お前が親父を殺したんだ!」
「お前だろうが!」
「いや、お前だろう!」
「俺じゃない、お前だ!」
なんと、四人の兄弟が胸ぐらを掴みながら罵り合い、殴りあっていました。
髪色はブライトさんにそっくりだけど、まだ若いのに酷く太っていた。
しかも、騒いでいるのは場所はデンバー男爵の寝室で、肝心のデンバー男爵は顔色がどす黒くなってベッドに寝かされていました。
あまりの光景に、僕とジンさん、そして軍務卿は固まってしまいました。
自分の犯した罪を、他の兄弟になすりつけているんだ。
兄弟は大騒ぎをして僕たちに全く気が付かないけど、ここで軍務卿が大きな声で一喝しました。
「お前ら、いい加減にしろ!」
「「「「ひっ……」」」」
ここで、兄弟は初めて僕たちの存在に気が付きました。
軍務卿のあまりの迫力に、兄弟は胸ぐらを掴んだまま固まっていました。
その間に、兵がデンバー男爵を確認します。
「駄目です、既に亡くなられております。しかも、毒殺された特徴があります」
「よし、丁重に搬送して検死を行うように」
「はっ」
デンバー男爵は白いシーツに包まれて、担架に乗せられました。
既に毒殺されている可能性が高かったので、デンバー男爵家に向かう際に準備は済ませていました。
そして、怒った軍務卿が兄弟にゆっくりと歩み寄りました。
「お前ら、人の事を棚に上げて大騒ぎをするとはいい度胸だな。全員が犯罪組織に繋がり、当主や兄弟の毒殺を依頼するとはな」
「「「「はっ?」」」」
兄弟は、ビックリした表情のまま他の兄弟を見ていました。
自分と同じ事を他の兄弟がしていたなんて、完全に予想外だったみたいです。
そして、軍務卿は兵に命令しました。
「お前らは、貴族以前に人として失格だ。捕縛命令が出ている。拘束しろ!」
「「「はっ」」」
「「「「なっ、くそ!」」」」
兄弟は激しく抵抗したけど、屈強な兵によりあっという間に拘束されました。
何だろう、何もしていないのにもの凄く疲れちゃった。
「はあ、久々に見る馬鹿な貴族だな」
「そうだな、本当に馬鹿でしかない。しかし、これで必然的に次期当主は決まったな」
ジンさんと軍務卿が溜息をつきながら誰もいなくなった寝室を見回していたけど、僕もあそこまで酷い貴族は久々に見たよ。
そう思うと、ブライトさんは亡くなった側室にキチンとした教育を受けていたんだ。
すると、僕たちのところにドスドスと大きな足音をたてながら、とっても横に大きいご婦人が寝室に入ってきた。
うん、もの凄く化粧と香水臭い。
思わず、鼻をつまみたくなったよ。
「なんなんザマスか! 息子ちゃんを、兵が連れて行ったザマスよ!」
ザマスおばさんの登場に、再び僕たちは固まってしまいました。
間違いなくあの兄弟の母親で、デンバー男爵の正妻でしょう。
心底嫌な表情をしながら、軍務卿が一歩前に出た。
「あー、デンバー男爵夫人にも拘束命令が出ている。拘束して聴取を行うように」
「「「はっ」」」
「な、なんなんザマスか! これはなんザマスか!」
ザマスおばさんは、兄弟以上に大暴れしながらも兵に拘束された。
というか、兵も香水の臭いで顔をしかめています。
なんというか、僕を含めた三人とも精神的にかなり疲れてしまいました。
「本当に、ブライトが真面目で良かったよ……」
ジンさんがポツリと漏らした意見に、僕は激しく同意しました。
でも、どうやってブライトさんに事件の顛末を伝えようか。
そして、一枚の書類を見てビックリしてしまった。
「これ、例のデンバー男爵の兄弟とのやりとりを示している書類です」
「名前を変えつつ、実際には一つの組織が四人とやりとりしていたのか。悪党にしては中々頭が回るな」
他にも貴族との繋がりを示す書類が見つかり、これはかなり根深い問題だということが分かった。
この辺りは、軍が資料を押収分析してどう対応するかを決めてもらわないと。
そんな時、リズが更にビックリする書類を僕に見せてきた。
「これ、凄いことが書いてあるよ!」
「どれどれ? えっ、四人が捕まえた組織に父親の毒殺に使う物を依頼しています」
「ちょっと、これはまずいぞ。急いで現場に向かわないと」
父親は病気で長くないのは分かっていたけど、まさか毒殺して自分が後継者だと主張しているとは。
もしかしたら、他の兄弟を毒殺しようとしていたのかもしれない。
まだリズたちの宝探しは続いているので、レイナさんたちと軍の護衛を残しつつ僕たちは王城に向かいました。
「直ぐに四人の逮捕状を出すように。軍務卿も同行して、屋敷を制圧するのだ」
「「「はっ」」」
臨時の会議が開かれ、陛下の指示でデンバー男爵の屋敷に乗り込むことが決定しました。
内務卿が直ぐに逮捕状を発行し、僕とジンさんは軍務卿と共にデンバー男爵家に向かいました。
辺境伯様に通信用魔導具で連絡し、いま何が起こっているかを伝えています。
ブライトさん、ショックを受けなければいいけど。
そして、僕たちが屋敷に着くと、阿鼻叫喚とはこういうことを示している状況だった。
「お前が親父を殺したんだ!」
「お前だろうが!」
「いや、お前だろう!」
「俺じゃない、お前だ!」
なんと、四人の兄弟が胸ぐらを掴みながら罵り合い、殴りあっていました。
髪色はブライトさんにそっくりだけど、まだ若いのに酷く太っていた。
しかも、騒いでいるのは場所はデンバー男爵の寝室で、肝心のデンバー男爵は顔色がどす黒くなってベッドに寝かされていました。
あまりの光景に、僕とジンさん、そして軍務卿は固まってしまいました。
自分の犯した罪を、他の兄弟になすりつけているんだ。
兄弟は大騒ぎをして僕たちに全く気が付かないけど、ここで軍務卿が大きな声で一喝しました。
「お前ら、いい加減にしろ!」
「「「「ひっ……」」」」
ここで、兄弟は初めて僕たちの存在に気が付きました。
軍務卿のあまりの迫力に、兄弟は胸ぐらを掴んだまま固まっていました。
その間に、兵がデンバー男爵を確認します。
「駄目です、既に亡くなられております。しかも、毒殺された特徴があります」
「よし、丁重に搬送して検死を行うように」
「はっ」
デンバー男爵は白いシーツに包まれて、担架に乗せられました。
既に毒殺されている可能性が高かったので、デンバー男爵家に向かう際に準備は済ませていました。
そして、怒った軍務卿が兄弟にゆっくりと歩み寄りました。
「お前ら、人の事を棚に上げて大騒ぎをするとはいい度胸だな。全員が犯罪組織に繋がり、当主や兄弟の毒殺を依頼するとはな」
「「「「はっ?」」」」
兄弟は、ビックリした表情のまま他の兄弟を見ていました。
自分と同じ事を他の兄弟がしていたなんて、完全に予想外だったみたいです。
そして、軍務卿は兵に命令しました。
「お前らは、貴族以前に人として失格だ。捕縛命令が出ている。拘束しろ!」
「「「はっ」」」
「「「「なっ、くそ!」」」」
兄弟は激しく抵抗したけど、屈強な兵によりあっという間に拘束されました。
何だろう、何もしていないのにもの凄く疲れちゃった。
「はあ、久々に見る馬鹿な貴族だな」
「そうだな、本当に馬鹿でしかない。しかし、これで必然的に次期当主は決まったな」
ジンさんと軍務卿が溜息をつきながら誰もいなくなった寝室を見回していたけど、僕もあそこまで酷い貴族は久々に見たよ。
そう思うと、ブライトさんは亡くなった側室にキチンとした教育を受けていたんだ。
すると、僕たちのところにドスドスと大きな足音をたてながら、とっても横に大きいご婦人が寝室に入ってきた。
うん、もの凄く化粧と香水臭い。
思わず、鼻をつまみたくなったよ。
「なんなんザマスか! 息子ちゃんを、兵が連れて行ったザマスよ!」
ザマスおばさんの登場に、再び僕たちは固まってしまいました。
間違いなくあの兄弟の母親で、デンバー男爵の正妻でしょう。
心底嫌な表情をしながら、軍務卿が一歩前に出た。
「あー、デンバー男爵夫人にも拘束命令が出ている。拘束して聴取を行うように」
「「「はっ」」」
「な、なんなんザマスか! これはなんザマスか!」
ザマスおばさんは、兄弟以上に大暴れしながらも兵に拘束された。
というか、兵も香水の臭いで顔をしかめています。
なんというか、僕を含めた三人とも精神的にかなり疲れてしまいました。
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