転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

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第三十一章 五歳の祝い

千四十話 僕は時間を潰すのが下手?

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 時間になったので、五歳児と保護者の面々はスラちゃんのゲートで辺境伯家の屋敷から教会に向かいました。
 イザベラ様も辺境伯家のものとして教会に向かい、辺境伯家の指揮は辺境伯様とジェイド様が行います。
 孫と息子のためにと、いつもにも増して張り切っていますね。
 念の為に近衛騎士とスラちゃんに加えてプリンとポッキーもついて行ったから、戦力的にも全然大丈夫ですね。

「「「ヒヒーン!」」」
「グルル」

 更に辺境伯家のパーティー会場には、ポニさんたちとドラちゃんもいます。
 クモさんの方がドラちゃんよりも遥かに強いけど、レイカちゃんたちと一緒についていきました。
 なにはともあれ、僕たちはパーティー会場の準備のお手伝いをします。

「えっと、お皿はこっちに並べて……」
「こっちにもお料理並べるの」

 ワゴンに乗せられた料理を、リズとエレノアが器用に運んでいました。
 サンディとイヨも、楽しそうに料理を運んでいますね。

「ずずー」
「エリちゃん、美味しい?」
「おいちー!」

 ミカエルはというと、残った小さな子たちと一緒にエリちゃんたち三人の年少組のお世話をしていました。
 エリちゃんは、ジュースを飲んでとってもご機嫌ですね。
 子どもたちのところにはルシアさんとアレクサさんもいるし、お世話はバッチリです。
 うん、僕のやることが殆どない。
 正確には、プリン作りを終えているのでやり切っていると言えましょう。
 何だけど、こういう時に限って変なお仕事がやってきました。

「あっ、通信用魔導具に連絡だ。なになに? 『王都での五歳の祝い用に追加プリンを。帝国へのお土産とする予定』えーっと、この後またまたプリン作りしないといけないのか……」

 予定個数は五十個なんだけど、僕は思わずガクリとしちゃいました。
 でも、流石に今直ぐに動く訳にはいかないので、辺境伯領の五歳の祝いが終わったら作らないと。
 念の為に、チセさんと侍従のお姉さんには話をしておきました。

「王城から材料は届いておりますのでご安心くださいませ」
「お昼すぎには五歳の祝いも終わりますし、午後から作業を始めましょう」
「他の使用人には、片付けに専念するように伝えておきます」

 うん、何故か既に材料が届いているそうです。
 さっきネコちゃんと一緒にいるマジカルラットが屋敷に顔を出して、アイテムボックスからプリン作りの材料を出していたそうです。
 ついでだからといって、まさかこういうことをするとは思わなかったです。

「プリン作りは、リズにお任せだよ!」
「エレノアも頑張るの」

 リズたちにプリン作りのことを話すと、喜んで手伝うと言ってくれました。
 特に前回参加できなかったエレノアは、弟たちのためにも頑張りたいそうです。
 サンディとイヨも手伝ってくれるみたいだけど、他の子どもたちはお昼寝の時間だから難しいですね。
 こんな感じで、みんなで準備を進めていきます。

「じゅーす!」
「エリちゃん、お代わりだね」
「うん!」

 やることがない僕はちびっ子の座っているテーブルに移動したけど、ここでもやる気満々のミカエルによって仕事が無くなっていきました。
 辺境伯様とジェイド様のところに行ったら、普段忙しいのだからゆっくりしていてと言われちゃいました。
 お料理の準備も終わってしまい、本当にやることが無くなりました。

「グカー」

 うん、いつも通り野良猫と一緒にお昼寝をしているドラちゃんがちょっと羨ましいと思っちゃいました。
 僕って、時間を潰すのが下手な気がします。
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