転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

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第三十一章 五歳の祝い

千六十六話 学園で色々話し合い

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 リズたちが特別調査班として動いている中、今日は僕も学園へ向かいます。
 議題は、卒園式と入園式の件です。

「ルーカスお兄様の卒園式はともかくとして、自分の入園式の打ち合わせをするなんて……」
「あはは……」

 思わず僕がガックリとし、一緒に付いてきたローリーさんも思わず苦笑いです。
 ともあれ、話し合いを進めないといけません。
 担当の先生と一緒に、詳細を詰めます。

「既に、警備の手配は済ませております。何事もないようにと、できるだけのことをする予定です」
「ご配慮頂き感謝申し上げます。私たちも、無事に卒園式を行えるように全力を尽くします」

 入園式はリズやサンディもいるから最悪どうにでもなるけど、王太子殿下でもあるルーカスお兄様とその婚約者であるアイビー様の卒園式を無事に終える必要がある。
 ジンさんたちに加えて、従魔も総出で対応に当たる予定です。
 軍の手配も済ませているし、たとえゴブリンが一万体押し寄せたとしても大丈夫です。

「入園式はアリア様だけですが、卒園式は陛下と王妃様も来られる予定です」
「陛下が来られるのは、学園にとっても名誉なことです。特に安全に配慮するように、万全を期します」

 息子と婚約者の卒園に花を添えるために、なんと王妃様だけでなく陛下も来ることになりました。
 なので、誰が護衛につくかという人選も行われています。
 これだけ警備が厳重になるのは、過去に例がないそうです。

「それに比べて、僕の入園式はそこまで厳重ではないですね」
「それでも、例年と比べれば厳重です。なにせ、エレノア王女様がおりますので」

 自分が当事者ってのもあるので、入園式は気楽に思っちゃいます。
 規模的には、ルーシーお姉様が入園した時のレベルになるそうです。

「入園式の代表挨拶は、予定通りエレノア王女様に行って頂きます」

 これも、既に決まっていることですね。
 試験の成績も加味されるけど、基本的には最上位の爵位のものが挨拶をするのが通例です。
 なんと言っても王家のものがいるので、今年は自動的に決定です。
 僕も、挨拶をしなくてよくてホッとしています。
 毎回、色々なところで挨拶をしていたもんなあ。

「なお、卒園式と入園式ともに学園長が挨拶をすると張り切っておられました」
「えっ……」

 無事に公務に復帰したあの学園長なのだから、きっとものすごい挨拶になりそうだ。
 過去最高を超えないように、僕も祈るしかありません。
 打ち合わせの最後で、僕は思わずガクリとしちゃいました。

「うう、挨拶嫌なの……」

 学園から国王執務室に戻ってきたタイミングで、リズたちも休憩の為に来ていました。
 エレノアに挨拶を頑張ってと伝えたら、一気にテンションが落ちてしまいました。
 挨拶の紙を読むだけで終わるんだけどなあ。
 そして、何故か陛下もお菓子を食べながらエレノアに同調していました。

「挨拶というのはすごく面倒くさい。相手の気を使わないとならないし、緊張もするものだ」

 それは、僕が挨拶する時も同じなんですけど。
 常に緊張するし、面倒くさいもんね。

「アレクお兄ちゃんが挨拶をすればいいのになあ」
「余も同感だ。アレクなら、どんな場面で挨拶しても問題ないだろう」

 親子が僕のことを見ながら恨めしそうに話をしてきたけど、そこは何とか頑張って下さいよ。
 ちなみに、このタイミングで王妃様が国王執務室に入ってきて、馬鹿なことは言わないのと親子揃って怒られていました。
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