転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

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第三十二章 新入生

千百十四話 テスト終了!

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 キンコンカンコン。

「はい、そこまでです。解答用紙を回収するので、手を膝の上に置いてください」

 学園では夏休み前のテストが行われ、チャイムの音とともにユーリカ先生が僕たちの机の上に置かれた解答用紙を回収し始めた。
 このテストで、夏休み前のテスト全てが終わりました。
 後は、採点後の結果を待つばかりですね。

「それでは、さっそく明日から採点結果が返ってきます。皆さん、できなかったところはよく見直しましょう」
「「「はい!」」」

 そして、そのままホームルームに入って、ユーリカ先生が僕たちに話をしました。
 そのまま、今日は終了です。

「お兄ちゃん、全部できた?」
「できたの?」

 すると、ユーリカ先生が部屋を出たら直ぐにリズとエレノアが僕のところにやってきた。
 どうも、二人とも少し自信がないみたいだね。
 すると、更に僕の周りに人が集まってきた。
 テストが終わったら、僕の周りに人が集まって問題の確認をするのが恒例行事となっちゃいました。
 先にリズとエレノアの解答を確認したけど、どうやら引っ掛け問題に気がついて少し自信がなかったみたいだった。
 他の人も、大体同じ内容だね。

「二人とも、ここは引っ掛け問題だからよく気がついたね。大丈夫だよ」
「「えへへ」」

 二人は、僕の話を聞いて思わずホッとしてからニッコリとしていた。
 不安が解消されたのもあるでしょう。
 その他にも質問に答えていき、大体落ち着いたところでみんなと一緒に生徒会に向かいました。

「アレク様って、本当の先生みたいに丁寧に質問に答えますわ。私、とっても感心しましたわ」
「「「だよね!」」」

 レシステンシアさんは何だか僕のことを尊敬の眼差しで見ているけど、そんな凄いことはしていないと思うよ。
 リズたちもレシステンシアさんの意見に同意していたので、僕は思わず苦笑してしまいました。
 そして、生徒会に行くと今度はルーシーお姉様に羨ましそうにされちゃいました。

「あーあ、弟くんがいるからリズちゃんとかはいちいち先生に質問しなくても済むもんね」
「あの、流石に僕も先生みたいに全部答えることはできませんよ」
「はいはい、そういうことにしてあげるよ。はあ、いーなー」

 ルーシーお姉様曰く、先生はいつも色々な生徒に囲まれているので質問するのも大変なんだそうです。
 その点、うちのクラスは僕に質問すればほぼ答えが出ちゃいます。
 僕にとっては、人に教えるのも勉強の一つだと思っているけどね。

「じゃあ、夏休みの予定だけど来年入園予定者の説明会を開きます。その後、秋には試験を行って合格者に対する入園説明会に移ります。イベントごとが多いけど、頑張って乗り切りましょう」
「「「はい!」」」

 ヤザンさんが夏休み期間中の説明をしたけど、もう準備はバッチリです。
 それに希望者の説明会は試験を受ける人全員が参加する訳じゃないし、その点は僕も気楽です。
 そんな中、ヤザンさんからあることをリクエストされました。

「アレク君とリズちゃんには、剣術大会で披露した演舞を披露してもらう。二人の演舞が凄かったと、結構噂になっているのでね」
「ふふふ、リズにお任せだよ!」

 ヤザンさんに頼まれたからなのか、リズもかなりやる気を見せていた。
 スラちゃんとプリンもやる気満々だけど、二匹は演舞を披露するところがあるかな。
 その他に色々な役割分担を決めたけど、僕はトラブル受付係です。
 ルーシーお姉様たちが説明するらしいので、その点は安心ですね。
 こうして、みんなで話し合って色々と準備を進めました。
 去年は説明を受けた立場なのに、何だか不思議な感じですね。
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