転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

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第三十二章 新入生

千百十八話 夏休み前の授業終了です

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「それでは、夏休み前のホームルームを終了します。また皆さんと元気な姿で会いましょう」
「「「はい!」」」

 お昼前のホームルーム、ユーリカ先生の挨拶でクラスの全員が元気な声をあげました。
 テストも全て返却され、いよいよ明日から学園は夏休みになります。
 因みに僕は全テスト満点で、なんとか主席の面目を守ることができました。
 リズとエレノアたちも、頑張った結果は出ていたみたいです。
 何故かスラちゃんとプリンもこっそりとテストを受けていて、リズはスラちゃんにテストの点で負けていてかなり悔しがっていた。
 というか、スラちゃんは僕に続く点数を取っていたんだよね。
 ちなみに夏休みの宿題はドリルの冊子を頑張るのだけど、僕の場合は既に一年分終わっちゃったのでその分お仕事を頑張ることになっています。

「お兄ちゃん、この後は明日の準備をするんだよね?」

 帰りの支度をしていると、リズが僕に話しかけてきた。
 実は、明日が学園入園希望者への説明会です。
 秋に入園テストを行って、合格者に改めて詳細な入園説明会を行います。

「この後、新入園生への説明会の準備を生徒会でやるよ。でも、直ぐに終わると思うよ」
「じゃあ、終わったらみんなをお家に招待してバーベキューをやろー!」

 リズと頭に乗っているスラちゃんが元気よく手をあげていたけど、バーベキューをやるくらいなら全然問題ありません。
 明日の準備っていってもやることは殆どないし、資料も印刷済みです。
 なので、最終確認をして生徒会も今日は解散です。
 早くやろうということで、リズが僕の手を引っ張りながらズンズンと歩き始めました。

「私も弟くんのところに行く! もちろん、ランちゃんも一緒だよ!」

 リズとエレノアがこの後の予定を話すと、ルーシーお姉様がズルいと言い始めた。
 ランさんも思わず苦笑しているけど、その分ルーシーお姉様はやる気になったみたいだ。
 生徒会長のヤザンさんもやる気満々の面々を見て苦笑いしているけど、その分どんどんと確認作業が進んでいきました。
 その結果、あっという間に確認作業を終えてしまいました。

「じゃあ、僕とサンディは先に帰ります。リズとエレノアも、遅れないように屋敷に来るんだよ」
「「はーい」」

 僕とサンディとプリンは、生徒会の仕事を終えたら一足先に屋敷に戻ります。
 ちなみに、今日は屋敷で遠隔業務を行う予定なので屋敷の執務室に行ってお仕事をする予定です。
 リズたちにはスラちゃんがいるし、うちのクラスメイトの大体の家も分かっているので大丈夫でしょう。
 あっ、そうだ。
 侍従のお姉さんに、昼食のことを話さないといけないね。

「えっ、リズちゃんからバーベキューをやると聞いていましたよ」
「もしかして、アレク君はこの話を聞いていなかったのかしら?」

 うん、リズが屋敷に帰ってきたら注意しないといけないね。
 というか、サンディも思わず苦笑いするしかありません。
 ちなみに、既にバーベキューの準備はバッチリできているそうです。
 ということで、僕は着替えてから執務室でお仕事を始めました。

 シュイン。

「えーっと、『今資料を印刷したので確認お願いします』っと。うん?」

 ガチャ、ジー。

 ある程度お仕事を終わらせたところで、執務室のドアの隙間から僕の様子を見ている影がありました。
 うん、帰ってきたら侍従のお姉さんに注意されたリズですね。

 ガチャ。

「お兄ちゃん、黙っていてごめんなさい……」

 スラちゃんも一緒になってショボーンとしているけど、どうやら反省しているみたいですね。
 いつものことだし、そんなリズのことを微笑ましく見ている僕も僕だけどね。

「もういいよ。でも、今度からは計画した段階で僕に話をしてね」
「はーい。じゃあ、バーベキューやろー! みんな来たよ」

 僕が一人と一匹を許すと、一気に元気を取り戻していた。
 そして、そのまま僕の手を引いて庭に連れだしました。
 レシステンシアさんや孤児院の面々も来ていて、王城で勉強していたミカエルたちも屋敷に来ていました。
 みんなでワイワイしながらのバーベキューは、やっぱりとっても楽しいもんね。
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