転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

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第三十二章 新入生

千百五十二話 入園試験の日になりました

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 今日は、学園の入園試験の日になりました。
 僕達は朝から準備をしているのだけど、受験生のイヨも起きています。
 試験には保護者も参加できる予定なのだけど、残念ながらオカマさんは料理屋が忙しくて参加できないそうです。
 当のイヨは、オカマさんがいなくても全く気にしていなかったけど。
 ティナおばあさまも公務で不在なので、僕がイヨの保護者の代わりです。

「イヨ、緊張している?」
「よゆー」

 イヨはいつもの表情の変化を感じない返事だったけど、かなり勉強していたのは間違いない。
 目指せ首席合格と、リズと共に意気込んでいた。
 イヨはリズ達と一緒に学園に向かうそうなので、僕は一足先にゲートを学園に繋いで向かいました。

 ザワザワザワ。

「あの、まだ受付開始一時間前なのに、たくさんの受験生が来ていますね……」
「うーん、これは予想外ね。早めに受付を始めて、受験生を体育館の中に入れちゃいましょう」

 僕は学園で先生と打ち合わせをしていて、その先生と一緒に体育館に来ていました。
 明らかに去年よりも受験生が学園に早く来ているので、体育館前でザワザワとしていました。
 
「ドラちゃん、この机を運んでね」
「グルル」

 そして、昨年と同じくドラちゃんがルーシーお姉様から指示を受けて受付の準備を手伝っていた。
 器用に机を並べ、パンフレットの準備もしていた。
 体育館の中も、椅子を並べ終えてプリンやマジカルラット達もスタンバイしていました。
 こうして、受付開始三十分前に受付準備が終わりました。
 細かいチェックは僕たちの推し事なので、リズやエレノアも受付を手伝います。
 先生や生徒会長のヤザンさんの準備状況の確認も終わったので、受付を始めましょう。

「おはようございます。それでは、時間よりも早いですが受付を開始します。受付に必要な書類を準備して、順に並んで下さい」
「「「はい!」」」

 僕がマイク型魔導具で集まった受験生と保護者にアナウンスすると、受験生が元気よく返事をしていた。
 この時点で、今年の受験生はとてもいい人が多いのだと直ぐに分かった。

「はい、お願いします」
「グルル」

 直ぐに受付を始めていたのだけど、昨年と同じくドラちゃんが普通に受付を手伝っていた。
 ドラちゃんは大教会で治療の手伝いなどをしていたので、王都の人たちに存在が知れ渡っています。
 なので、受験生も普通にドラちゃんがいると驚かずにいました。
 どちらかというと、保護者の方が受付をしているドラちゃんに驚いていますね。

「受付お願いします」

 さっ。

 更にスラちゃんも受付を手伝っていて、器用に触手を使って紙に書かれた注意事項を説明していた。
 悪い人がいないかと確認していたみたいだけど、特に問題なく進んでいるみたいですね。

「お、お願いします。『双翼の天使様』が受付をしているんですね」
「リズは生徒会役員だから、試験のお手伝いをしているんだよ!」

 受験生の中には、憧れの双翼の天使様と会話ができて感激をしていた。
 リズやエレノアみたいな有名人が、まさか受験受付をしているとは思わなかったみたいですね。
 そして、どんどんと受験生が体育館の中に入っていき、体育館の入り口では保護者が頑張るんだよと受験生に気合を入れていました。
 そんな中、僕に声をかける受験生がいました。

「アレク、来たよ」
「イヨ、試験頑張ってね。暫くは、参考書とかも見れるから」
「了解」

 イヨは、全然緊張している様子がないなあ。
 しかも、イヨは前世の巫女さんみたいな衣装を着ているのでもの凄く目立っています。
 当のイヨは、そんな視線など全く気にしていないけどね。
 僕も、体育館の状況を確認しようっと。

「皆、この後も宜しくね」
「「「任せてね!」」」
「グルル」

 リズ達受付のメンバーは、やる気満々の声で返事をしていました。
 上級生や先生もいるし、問題なさそうですね。
 そんな事を思いながら、僕は体育館の中に入りました。
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