転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

文字の大きさ
992 / 1,191
第三十二章 新入生

千百八十八話 いよいよ文化祭前日です

しおりを挟む
 いよいよ、文化祭前日になりました。
 午後からクラスの展示をするために、みんな張り切って準備をします。
 僕の銀細工ドラちゃんたちも無事に完成し、机の上に展示します。
 因みに、ローラーブレード型魔導具と説明の論文は特別展示されるらしく、体育館に用意された特設コーナーにガラスケースに入れられて展示されるそうです。
 なので、結果的に銀細工の人形を作っておいて正解でした。
 もちろん、張り子人形も展示します。

「他のクラスメイトもとても張り切っていたし、とてもいい出来ですね」
「あの、この短時間で銀細工をたくさん作る方が凄いですわ」

 レシステンシアさんは苦笑しながら僕のテーブルの上に並んだ銀細工を眺めていたけど、無事にポッキーたちの分もできたので僕はとても満足です。
 プリンが事あるごとに自分の銀細工を色々な人たちに見せていたので、スラちゃんとポッキーたちも早く自分の分を作ってと僕にお願いしていました。
 折角なので、プリンに最初に作った銀細工をあげて全員分を作りました。
 もちろん、展示が終わったらみんなにあげる予定です。
 展示の設置が終わったら、今度は先生と打ち合わせを行うことになりました。

「しかし、捕まった男子生徒も結局実家のゴタゴタに巻き込まれたという噂になっていますね。巻き込まれたというのは間違いないですけど」

 先生と話をしていたんだけど、例の男子生徒の件も話の話題となりました。
 男子生徒の両親が引き起こした事件が結構な話題になり、結果として男子生徒の犯した罪は陰に隠れる形になりました。
 とはいえ、男子生徒本人は深く反省し謝罪もしています。
 男子生徒の母方の祖父母の屋敷に移り、保護観察処分を継続していきます。
 一方、公務執行妨害で捕まった男子生徒の両親の部屋から複数の盗品が見つかり、複数回の再逮捕となりました。
 本人たちはルーカスお兄様の怒りをかったのもあり、かなり大人しくなっていました。
 というのも、聴取に不誠実な態度で臨むとルーカスお兄様に怒られると思われていて、実際に一回ルーカスお兄様が激怒したことがあったそうです。
 王太子様であるルーカスお兄様を怒らせた貴族ということで、男子生徒の両親は悪い意味で有名になってしまいました。
 既に男子生徒の兄の嫡男に暫定当主交代となっているけど、判決が出次第正式に当主交代になるそうです。
 自業自得なので、僕もなにも言えないけど。

「後は当日の来賓ですが、閣僚に各省庁の幹部職員も同行することになっています。陛下は、警備体制の検証のために馬車で学園に向かうように指示を出しております」
「常にアレク様のゲートを使うことはできませんし、逆に今までは馬車で学園に来るのが普通でした。ですので、何も問題ありません」

 軍も動員して来賓の警備にあたるそうで、これも有事のための訓練です。
 来年ルーカスお兄様の結婚式が予定されているので、軍としても兵に警備体制の訓練をさせたいそうです。
 この辺の細かいところは生徒会長のヤザンさんも把握しているので、きっと大丈夫ですね。
 先生との打ち合わせの後は、生徒会室に行って話をします。

「弟くんには、色々と負担をかけちゃったね」

 生徒会室でルーシーお姉様に話しかけられたけど、色々とはもちろん男子生徒の件です。
 僕としては殆ど何もしなかったと思ったし、ルーカスお兄様が色々と動いてくれてとても助かりました。
 因みに、ルーシーお姉様はだいたいのことを知っているけど、エレノアやリズには適当に話をしておきました。

「聖女様も来賓として来るみたいだし、明日はリズちゃんに聖女様といてもらおうかしら」
「リズがバッチリ案内してあげるよ!」

 ヤザンさんがリズにあることを指示したけど、実は僕は来賓が来ている間は体育館にいて来賓に作品の紹介をすることになっています。
 各学年の優秀な作品が体育館に集められているけど、その護衛も兼ねるそうです。
 エレノアたちも来賓の案内をするそうで、明日は朝から忙しくなりそうだね。
しおりを挟む
感想 287

あなたにおすすめの小説

「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。

桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。 「不細工なお前とは婚約破棄したい」 この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。 ※短編です。11/21に完結いたします。 ※1回の投稿文字数は少な目です。 ※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。 表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。 ❇❇❇❇❇❇❇❇❇ 2024年10月追記 お読みいただき、ありがとうございます。 こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。 1ページの文字数は少な目です。 約4800文字程度の番外編です。 バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`) ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑) ※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけど何もしなかったらヒロインがイジメを自演し始めたのでお望み通りにしてあげました。魔法で(°∀°)

ラララキヲ
ファンタジー
 乙女ゲームのラスボスになって死ぬ悪役令嬢に転生したけれど、中身が転生者な時点で既に乙女ゲームは破綻していると思うの。だからわたくしはわたくしのままに生きるわ。  ……それなのにヒロインさんがイジメを自演し始めた。ゲームのストーリーを展開したいと言う事はヒロインさんはわたくしが死ぬ事をお望みね?なら、わたくしも戦いますわ。  でも、わたくしも暇じゃないので魔法でね。 ヒロイン「私はホラー映画の主人公か?!」  『見えない何か』に襲われるヒロインは──── ※作中『イジメ』という表現が出てきますがこの作品はイジメを肯定するものではありません※ ※作中、『イジメ』は、していません。生死をかけた戦いです※ ◇テンプレ乙女ゲーム舞台転生。 ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇なろうにも上げてます。

解雇されたけど実は優秀だったという、よくあるお話。

シグマ
ファンタジー
 突如、所属している冒険者パーティー[ゴバスト]を解雇されたサポーターのマルコ。しかし普通のサポート職以上の働きをしていたマルコが離脱した後のパーティーは凋落の一途を辿る。そしてその影響はギルドにまでおよび……  いわゆる追放物の短編作品です。  起承転結にまとめることを意識しましたが、上手く『ざまぁ』出来たか分かりません。どちらかと言えば、『覆水盆に返らず』の方がしっくりくるかも……  サクッと読んで頂ければ幸いです。 ※思っていた以上の方に読んで頂けたので、感謝を込めて当初の予定を越える文量で後日談を追記しました。ただ大団円で終わってますので、『ざまぁ』を求めている人は見ない方が良いかもしれません。

突然伯爵令嬢になってお姉様が出来ました!え、家の義父もお姉様の婚約者もクズしかいなくない??

シャチ
ファンタジー
母の再婚で伯爵令嬢になってしまったアリアは、とっても素敵なお姉様が出来たのに、実の母も含めて、家族がクズ過ぎるし、素敵なお姉様の婚約者すらとんでもない人物。 何とかお姉様を救わなくては! 日曜学校で文字書き計算を習っていたアリアは、お仕事を手伝いながらお姉様を何とか手助けする! 小説家になろうで日間総合1位を取れました~ 転載防止のためにこちらでも投稿します。

悪役令嬢と言われ冤罪で追放されたけど、実力でざまぁしてしまった。

三谷朱花
恋愛
レナ・フルサールは元公爵令嬢。何もしていないはずなのに、気が付けば悪役令嬢と呼ばれ、公爵家を追放されるはめに。それまで高スペックと魔力の強さから王太子妃として望まれたはずなのに、スペックも低い魔力もほとんどないマリアンヌ・ゴッセ男爵令嬢が、王太子妃になることに。 何度も断罪を回避しようとしたのに! では、こんな国など出ていきます!

治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~

大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」  唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。  そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。 「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」 「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」  一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。  これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。 ※小説家になろう様でも連載しております。 2021/02/12日、完結しました。

婚約破棄されたので四大精霊と国を出ます

今川幸乃
ファンタジー
公爵令嬢である私シルア・アリュシオンはアドラント王国第一王子クリストフと政略婚約していたが、私だけが精霊と会話をすることが出来るのを、あろうことか悪魔と話しているという言いがかりをつけられて婚約破棄される。 しかもクリストフはアイリスという女にデレデレしている。 王宮を追い出された私だったが、地水火風を司る四大精霊も私についてきてくれたので、精霊の力を借りた私は強力な魔法を使えるようになった。 そして隣国マナライト王国の王子アルツリヒトの招待を受けた。 一方、精霊の加護を失った王国には次々と災厄が訪れるのだった。 ※「小説家になろう」「カクヨム」から転載 ※3/8~ 改稿中

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。