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第三十二章 新入生
千二百十話 終始ほんわかとした薬草採取です
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その後も色々話をしながら冒険者ギルドを出発し、森に向かって歩いていきます。
その間も、みんなでお喋りしていきます。
因みに、今日はたまたま新人冒険者がいないそうです。
いつもは、この時期は新人冒険者が辺境伯領にやってくるけど少し前に登録を終えてしまったそうです。
自称薬草採取名人のリズは、新人冒険者に教えられなくてちょっと残念そうにしていました。
「エリン王女様、その、大きな虎ですね……」
「うん?」
「グルル?」
セリーヌ様は、エリちゃんが乗っている飛天虎のネコちゃんにびっくりしています。
とはいえ、ネコちゃんは基本的に大人しい性格なので良い人にちょっかいを出す事はありません。
しかし、エリちゃんは別のことで少し不満そうでした。
「むー、エリだよ!」
「え、エリ、ですか?」
「そーだよ、エリだよ!」
エリちゃんはフルネームの王女呼びをされたので、セリーヌ様に不満そうな表情をしていました。
一方、セリーヌ様はまだ何が何だか分からないみたいですね。
「セリーヌ様、エリン王女様ではなくエリちゃんって呼んで欲しいみたいですよ。エリちゃんは、仲良くなった人にはそう呼んでもらいたいんですよ」
「そーだよ!」
僕の説明にエリちゃんが元気よく答えているけど、エリちゃんはこれでも小さいなりに直感で仲良く慣れる人を見極めています。
セリーヌ様が良い人だって見極めたからこそ、こうして仲良くなった人には親しい名前で呼んで欲しいのですね。
「え、えっと、エリちゃん?」
「そーだよ!」
セリーヌ様も何とかエリちゃんと呼ぶことが出来て、エリちゃんもとてもご満悦な表情です。
見守っていた人たちも、思わずニコリとしていますね。
こうして、ほんわかとした空気の中で無事に森に到着しました。
「今日は何もいないね」
「冬だからってのもあるかもしれないね」
「うーん、リズがズバッと魔物を倒すところを見せたかったなあ」
リズは至極残念そうにしているけど、森の中といえどそうそう魔物も現れないですよ。
そして、さっそく薬草採取を始めることになりました。
「えっとね、これが薬草なんだよ!」
「「わあ、あったー!」」
リズは、気を切り替えてケンちゃんとレオンちゃんに薬草の集め方を教えています。
二人とも、初めて薬草を集めてちょっと興奮していますね。
直ぐ側では、お姉ちゃんのメイちゃんとリラちゃんもニコリとしながら楽しそうに薬草を集める弟を見守っています。
とってもほのぼのとしている光景ですね。
「こっちにも薬草があるんだよ!」
「こっちにもあるよー!」
「本当ですね。辺境伯領では、
冬でもこんなにもたくさんの薬草が採れるんですね」
ミカエルとブリットが張り切ってセリーヌ様に薬草のある場所を教えていたけど、辺境伯領は冬でもそこそこ暖かいから薬草が生えてくるんだよね。
他のちびっ子たちも、張り切って薬草を集めていました。
「ジンさん、今日は平和ですね」
「そうだな。いつものやつが起きているけど、特に気にしなくて良さそうだな」
周囲の監視をしている僕とジンさんの視線の先には、リボンちゃんやポニさんたちから訓練を受けているドラちゃんの姿がありました。
とはいえ、セリーヌ様がいるってのもあるので少し抑えめにしています。
これが新規参加者がケンちゃんとレオンちゃんだけだったら、普通のいつもの訓練だったかもしれません。
こうして、午前中のうちに薬草が大量に集まったので、僕たちは森から冒険者ギルドに戻ります。
「「集めたよー!」」
「おお、たくさん集めたな。これなら、良い金額になるぞ」
ケンちゃんとレオンちゃんは、ちょっと誇らしげに薬草がたくさん入っている籠を卸担当の冒険者ギルド職員に見せていました。
他のみんなもたくさんの薬草を提出していて、たくさんの報酬を得ていました。
この時期はポーションの需要が増えるから、薬草の取引価格も上がります。
では、ここからは屋敷に戻る面々と王城に向かう面々に分かれます。
ドラちゃんは訓練で疲れちゃったので、先に屋敷に戻っていました。
その他のみんなは、一旦王城に向かうそうです。
「「おばーちゃん、冒険者になったよ!」」
「あら、良かったわね。これからも頑張らないとね」
「「はーい!」」
事前に王城に行くって連絡していたので、いつものところにゲートを繋げるとティナおばあさまが僕たちを待っていました。
ケンちゃんとレオンちゃんはニコニコしながらティナおばあさまに真新しい冒険者カードを見せていて、そんなほのぼのとした光景に他の人たちもほんわかとしていました。
すると、ティナおばあさまはニコリとしながらセリーヌ様に話しかけてきました。
「セリーヌ様、アレク君たちとの冒険者活動は如何だったかしら?」
「とてもためになりました。これからは、もっと積極的に人々に接した方がいいと実感しました」
「そう、それは良かったわ。大変なお役目だからこそ、注目も影響力もあるわ。これからも、頑張って下さいね」
セリーヌ様のいい笑顔を見るに、今日の冒険者活動は大成功だったみたいですね。
せっかくなのでみんなで食堂に行ったら、冒険者活動に行きたかったと王家の子どもの面々が文句を言っていました。
こればかりは、王家としてのお役目だからしょうがないね。
エリちゃんだけ、一緒に行けなかったお兄ちゃんお姉ちゃんにとても楽しかったととても喜んでいました。
その間も、みんなでお喋りしていきます。
因みに、今日はたまたま新人冒険者がいないそうです。
いつもは、この時期は新人冒険者が辺境伯領にやってくるけど少し前に登録を終えてしまったそうです。
自称薬草採取名人のリズは、新人冒険者に教えられなくてちょっと残念そうにしていました。
「エリン王女様、その、大きな虎ですね……」
「うん?」
「グルル?」
セリーヌ様は、エリちゃんが乗っている飛天虎のネコちゃんにびっくりしています。
とはいえ、ネコちゃんは基本的に大人しい性格なので良い人にちょっかいを出す事はありません。
しかし、エリちゃんは別のことで少し不満そうでした。
「むー、エリだよ!」
「え、エリ、ですか?」
「そーだよ、エリだよ!」
エリちゃんはフルネームの王女呼びをされたので、セリーヌ様に不満そうな表情をしていました。
一方、セリーヌ様はまだ何が何だか分からないみたいですね。
「セリーヌ様、エリン王女様ではなくエリちゃんって呼んで欲しいみたいですよ。エリちゃんは、仲良くなった人にはそう呼んでもらいたいんですよ」
「そーだよ!」
僕の説明にエリちゃんが元気よく答えているけど、エリちゃんはこれでも小さいなりに直感で仲良く慣れる人を見極めています。
セリーヌ様が良い人だって見極めたからこそ、こうして仲良くなった人には親しい名前で呼んで欲しいのですね。
「え、えっと、エリちゃん?」
「そーだよ!」
セリーヌ様も何とかエリちゃんと呼ぶことが出来て、エリちゃんもとてもご満悦な表情です。
見守っていた人たちも、思わずニコリとしていますね。
こうして、ほんわかとした空気の中で無事に森に到着しました。
「今日は何もいないね」
「冬だからってのもあるかもしれないね」
「うーん、リズがズバッと魔物を倒すところを見せたかったなあ」
リズは至極残念そうにしているけど、森の中といえどそうそう魔物も現れないですよ。
そして、さっそく薬草採取を始めることになりました。
「えっとね、これが薬草なんだよ!」
「「わあ、あったー!」」
リズは、気を切り替えてケンちゃんとレオンちゃんに薬草の集め方を教えています。
二人とも、初めて薬草を集めてちょっと興奮していますね。
直ぐ側では、お姉ちゃんのメイちゃんとリラちゃんもニコリとしながら楽しそうに薬草を集める弟を見守っています。
とってもほのぼのとしている光景ですね。
「こっちにも薬草があるんだよ!」
「こっちにもあるよー!」
「本当ですね。辺境伯領では、
冬でもこんなにもたくさんの薬草が採れるんですね」
ミカエルとブリットが張り切ってセリーヌ様に薬草のある場所を教えていたけど、辺境伯領は冬でもそこそこ暖かいから薬草が生えてくるんだよね。
他のちびっ子たちも、張り切って薬草を集めていました。
「ジンさん、今日は平和ですね」
「そうだな。いつものやつが起きているけど、特に気にしなくて良さそうだな」
周囲の監視をしている僕とジンさんの視線の先には、リボンちゃんやポニさんたちから訓練を受けているドラちゃんの姿がありました。
とはいえ、セリーヌ様がいるってのもあるので少し抑えめにしています。
これが新規参加者がケンちゃんとレオンちゃんだけだったら、普通のいつもの訓練だったかもしれません。
こうして、午前中のうちに薬草が大量に集まったので、僕たちは森から冒険者ギルドに戻ります。
「「集めたよー!」」
「おお、たくさん集めたな。これなら、良い金額になるぞ」
ケンちゃんとレオンちゃんは、ちょっと誇らしげに薬草がたくさん入っている籠を卸担当の冒険者ギルド職員に見せていました。
他のみんなもたくさんの薬草を提出していて、たくさんの報酬を得ていました。
この時期はポーションの需要が増えるから、薬草の取引価格も上がります。
では、ここからは屋敷に戻る面々と王城に向かう面々に分かれます。
ドラちゃんは訓練で疲れちゃったので、先に屋敷に戻っていました。
その他のみんなは、一旦王城に向かうそうです。
「「おばーちゃん、冒険者になったよ!」」
「あら、良かったわね。これからも頑張らないとね」
「「はーい!」」
事前に王城に行くって連絡していたので、いつものところにゲートを繋げるとティナおばあさまが僕たちを待っていました。
ケンちゃんとレオンちゃんはニコニコしながらティナおばあさまに真新しい冒険者カードを見せていて、そんなほのぼのとした光景に他の人たちもほんわかとしていました。
すると、ティナおばあさまはニコリとしながらセリーヌ様に話しかけてきました。
「セリーヌ様、アレク君たちとの冒険者活動は如何だったかしら?」
「とてもためになりました。これからは、もっと積極的に人々に接した方がいいと実感しました」
「そう、それは良かったわ。大変なお役目だからこそ、注目も影響力もあるわ。これからも、頑張って下さいね」
セリーヌ様のいい笑顔を見るに、今日の冒険者活動は大成功だったみたいですね。
せっかくなのでみんなで食堂に行ったら、冒険者活動に行きたかったと王家の子どもの面々が文句を言っていました。
こればかりは、王家としてのお役目だからしょうがないね。
エリちゃんだけ、一緒に行けなかったお兄ちゃんお姉ちゃんにとても楽しかったととても喜んでいました。
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