転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

第三十二章 新入生

千二百十七話 先生との打ち合わせです

「じゃあ、この内容で宰相にも伝えますね」
「アレク様、宜しくお願いいたします」

　ある日の放課後、僕は学園の応接室で先生と卒園式と入園式の打ち合わせを行っていました。
　今年は王族みたいな特別対応が必要な人はいないけど、警備は厳重にします。
　これは、軍がルーカスお兄様の結婚式の護衛の練習を兼ねるのもあるそうです。
　学園としても、警備が厳重な分なら問題ないそうです。
　直ぐに通信用魔導具で関係者に話し合いの結果を連絡し、宰相やルーカスお兄様などから了解と返事がありました。
　卒園式と入園式の警備にはジンさんたちも参加することになっているけど、カミラさん経由で伝えてもらうことになりました。
　うーん、ジンさん自身にも通信用魔導具を持ってもらいたいなあ。
　先生との話は終わったので、僕は王城に帰るのではなく、生徒会室に向かいます。

「こんにちは」
「あっ、お兄ちゃんだ」

　今日は生徒会のお仕事をある程度してから王城に行ったので、本日二回目の生徒会室です。
　直ぐにリズとスラちゃんが僕の存在に気がついたけど、ルーシーお姉様は何で僕がいるのって表情をしていました。

「先生と、卒園式と入園式の打ち合わせがあったんです。今はその帰りで、ついでだから顔を出したんです」
「弟くんは本当に律儀ね。王城に直帰しても、何も問題ないのよ」

　ルーシーお姉様は少し苦笑しながら僕に話しかけてきたけど、折角知っている人がいるんだから顔を見せるべきだよね。
　あっ、そうだ。
　さっそく決まった事を伝えておかないと。

「ルーシーお姉様、先生との話し合いは特に問題なかったです。警備だけは厳重なものになります」
「弟くん、ありがとうね。それだけ分かれば、色々と対応できるわ。といっても、生徒会も大きく予定を変えないけどね」

　ルーシーお姉様は、了解といった感じで僕の話に頷いていました。
　元々色々な想定があることを念頭に生徒会も予定を立てていたので、大した影響はなさそうです。

「じゃあ、僕は王城に戻ります。リズも、気を付けて帰るんだよ」
「お兄ちゃん、じゃーねー」

　僕はリズをはじめとする面々に挨拶をして、王城にゲートを繋ぎました。
　さてさて、まだまだお仕事の続きをしないといけないね。
　そんな事を思いながら、宰相執務室に向かいました。

「アレク君、急ぎの仕事はないのだから別に学園から屋敷に帰っても良かったんだよ」

　執務室で仕事をしていると、宰相が苦笑しながら声をかけてきた。
　うーん、僕はまだ疲れていないし、このくらいの仕事なら全然平気なんだよね。
　今日の話し合いの報告書を手早く作って、宰相に提出して確認してもらいます。

「軍務卿にはある程度連絡していますが、明日改めて報告をする予定です」
「分かった。学園から直接軍の施設に向かっても問題ないぞ」

　宰相が書類を確認しながらそんな事を言ってきたが、明日はキチンと王城に来てから軍の施設に向かいますよ。
　こうして、卒園式と入園式の準備は着々と進んでいきました。